元職員が720万円を横領したNPO法人「神奈川子ども未来ファンド」に横浜市が不適正経理の是正勧告! ファンドの対応は?
ココがキニナル!
元職員が約720万円を横領した横浜市中区の子育て支援NPO法人「神奈川子ども未来ファンド」に横浜市が是正勧告をしたけど、NPO法人はどう捉えている?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
会計担当に税理士を招くなど、改善した経理体制を6月末までに横浜市に報告。改善がされるまでは業務停止中で、今秋の活動再開を目指している
ライター:はまれぽ編集部
速やかな改善を要求
子育てに関わる団体に対して資金助成などを行う、認定NPO法人「神奈川子ども未来ファンド」(横浜市中区、山﨑美貴子理事長)の50代非常勤男性事務局員(=解雇済み)が2013(平成25)年から約1年3ヶ月にわたり、同ファンドの口座から現金計約720万円を不正に引き出していた事件で、横浜市はファンドに体制の改善勧告を出した。
横浜市の是正勧告を受けた「神奈川子ども未来ファンド」
同ファンドは、一定額の寄付金を集めることが可能で、運営が適正であると国税庁長官が認めた「認定NPO法人」。
「認定NPO法人」は国が公益性を担保していることに加え、寄付を行った個人にも税金が還付されるということもあって、一般的な「(認証)NPO法人」に比べて多額の寄付が集まる。回答期限までに改善がなされなければ、所轄庁である横浜市が「認定」を取り消す方針。
「(認証)」NPO法人と「認定」NPO法人の違い
2003(平成15)年に設立した同ファンドの目的は子どもや若者、子育てに関わる人を支える仕組みを作ることで、2014(平成26)年度は約350万円の寄付金があり、10団体に287万5600円の助成を行った。
神奈川子ども未来ファンドの仕組み
勧告の内容はどのようなもので、ファンドはどう対応するのかを馬場洋一(ばば・よういち)副理事長に聞いた。
取材対応してくれた馬場副理事長
勧告などによると、2015(平成27)年1月に元職員がファンドに採用された直後の2013(平成25)年6月から2014(平成26)年9月までの間、ファンドの資金計約720万円を不正に引き出したことが発覚。横浜市が2015年3月に事務所の立ち入り検査を行った。
この立ち入り検査で、ファンドには経理や意思決定に関する明文化された規定がなく、経理事務に関する権限が曖昧だったことが判明。さらに元職員が単独で現金や預金の管理、出納事務を行っていたと指摘した。
ずさんな経理体制も要因の一つ(写真はイメージ。フリー画像より)
勧告では、日常的に現金残高や帳簿、決算書類の確認を怠った理事・監事の責任についても言及した。