30年以上続く長津田駅周辺の開発事業は進んでいるのか?
ココがキニナル!
現在横浜線の長津田駅の周辺が再開発されているようですが、最終的には、どのようになるのか知りたい。昭和54年まで長津田に住んでいた者としてとても気になるのです(ryusanbbさん/でこぼこおやじさん)
はまれぽ調査結果!
北口再開発に関して、駅前のタワーマンションと周辺施設の事業で2013年にほぼ完了。南口は、駅前広場と連結する道路の整備計画があり完成時期は未定
ライター:小方 サダオ
JR長津田駅周辺の再開発が行われている、という。
再開発事業に際しては、地元住民のさまざまな意見が交錯するため、成功したかどうかの答えが出づらいことは、筆者は以前のトツカーナなどの取材を通じて知った。今回の長津田の場合はどうなのだろうか?
長津田駅周辺の再開発事業
横浜市のホームページによると「長津田駅は、JR横浜線と東急田園都市線、こどもの国線の乗換駅として1日約12万人の乗車人員を数える、本市北部の主要な交通結節点です。 しかし駅前広場や道路等の公共施設が未整備のまま市街地が形成されており、交通安全や防災などの面で問題となっています」と、再開発の趣旨が示されている。
長津田駅北口地区第一種市街地再開発事業
そして長津田駅北口に関しては「長津田駅北口地区で行われているのが、施行者の横浜市住宅供給公社(市営住宅などを供給する横浜市が設立した特殊法人)による、第一種市街地再開発事業。1981(昭和56)年度に地元組織により『長津田駅北側再開発研究会』が発足してから行われてきた事業で、1989(平成元)年度に長津田駅北口線、北口駅前広場及び長津田奈良線の都市計画決定された」
「約2.2ヘクタール(2万2000平方メートル)を、長津田マークタウン(住宅・店舗複合タワーマンション、商業施設、区民文化センター)、消防出張所、公共駐輪場、駅前広場、道路の整備を行っている」とある。
そして2013(平成25)年10月の区民文化センターのオープンでほぼ完成した。
また長津田駅南口に関しては「駅前広場とそれにつながる道路(長津田駅南口線)の整備を実施することとした。2002(平成14)年3月に都市計画道路長津田南口線が都市計画決定され、同年11月に事業認可を取得し、現在事業が進められている」とのこと。
北口地区(青矢印)はマンションなど、南口(緑矢印)は駅前広場の整備などが行われる
そこで長津田駅前の再開発の状況を確かめるために、早速現場に向かった。
JR横浜線や東急・田園都市線の停車駅で東京へのアクセスに便利だ
JR横浜線・長津田駅
長津田駅南口から見える北口の再開発ビル
南口の駅前に着くと、駅の反対側に建つ高層マンションが際立っている。これが北口の再開発エリアのようだ。それに比べると南口は昔ながらの駅前の風景を感じさせ、対象的だ。
再開発される予定の南口のバスロータリー
JR横浜線の改札
東急線の改札
駅構内に入ると、北口への出口を発見した。階段とエスカレーターと歩行者用のデッキが工事中であるが、ほぼ完成している。
地上へと下りる階段とエスカレーターと歩行者用のデッキに向かう通路
その歩行者デッキを歩いていくと、長く続くデッキと広々としたバスロータリー、そして堂々たる高層マンションの姿が、印象的だ。
歩行者用のデッキと高層マンション
整備されたバスロータリー
タワーマンションの周囲には商業施設がある
北口の地元住民に話を伺う
そこで地元の、商店の人たちに再開発について話を伺うことにした。
昭和30年代よりお店を構える店主に話を伺うと「『街が良くなる』と開発に力を入れてた人が『静かになってしまいましたね』と言っていました。何年か経てば良くなると信じていますが、今は店舗は少なくにぎやかさがなくなり、病院や美容院ばかりです」と答えてくれた。
接骨院や歯科などが目立つ、北口の商店街
駅の近くで親の代より続くというお店の店主に北口の再開発に関して伺うと「『マークワンタワー長津田』周辺の再開発に関しては、以前その場所に建っていた市営住宅に住む数百世帯を、近隣のスカイハイツに集約し、市が土地を売り開発されたものです」
横浜市営・長津田スカイハイツ
「開発された北口の駅前にあった商店の人たちは、開発に伴い高齢のために、ほとんどの方が仕事をやめましたが、テナントでビル内に入った人もいます」と答えてくれた。
以前駅前にあり、再開発ビルに入居したお店もあるという
開発後の問題点に関して伺うと「道路の拡幅工事のために駅前にあった横断歩道が撤去されたことで、駅へと行きづらい道路になりました。一度デッキに上ってからでないと、駅に行けない人がいます」
以前は駅への横断歩道があったが、撤去されたという