横浜の水源となる山梨県道志村と横浜の関わりは? 食材イベントを密着レポート!
ココがキニナル!
10月23日に横浜ビールが開催した、横浜市の水源となる山梨県道志村の食材を使ったイベントの目的は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
「水」と向かい合った横浜ビールの太田久士社長が、横浜市の水源である道志村の魅力を周知したいと企画。イベントは今後も継続
ライター:はまれぽ編集部
横浜の水源を知って!
神奈川県の北西部に広がる丹沢山地。深い山塊を超えたところに位置する山梨県道志村(どうしむら)から、横浜市は水源の一部を得ている。
横浜市とは直線距離で90km弱
横浜市は道志村の約36%に当たる、都筑区とほぼ同じ面積となる2873ヘクタール(2873万平方メートル、横浜スタジアム約1096個分)の水源林を持つ。
水源林は雨水を吸収して良質な地下水へと浄化するとともに、河川への流量を調整したり、土砂流出などを緩和する機能も併せ持つため「緑のダム」とも言われており、横浜市は1897(明治30)年から水源として利用。1916(大正5)年には水源を守るため、山林を購入している。
豊かな水源が横浜市民の生活を支える(横浜市ホームページより)
しかし、全国の多くの自治体と同様、道志村も高齢化を迎えており、若年層の働き手が不足する可能性もあるという。このまま高齢化が進めば山畑が荒廃し、水源の環境が悪化することも想像に難くない。
このため、かねてから交流もあり、日々大量に道志村の水を使ってビールを仕込む横浜ビールの太田久士(おおた・ひさし)社長が「水源である道志村のことを広く知ってほしい」との思いから企画したのが、2015(平成27)年10月23日、横浜市中区にある横浜ビールの直営レストラン「驛(うまや)の食卓」で行われたイベント「道志村Night vol.1 横浜の水と心の故郷『道志村秋の清流の集い』」だ。
道志村と横浜のコラボが実現!
会場には道志村で採れたイワナやヤマメも
イベントには太田社長のほか、道志村の大田昌博(おおた・まさひろ)前村長をはじめ、横浜市内の飲食店関係者ら約100人が出席。
道志村の雰囲気を再現し、同村の食材を使った料理に舌鼓を打ちながら、横浜の水源について思いを巡らせた。
ワサビ田や
いろりも再現
シカのツノや皮をなめしたものも
テーブルの水は、もちろん道志村の水
イベントに先立ち、太田社長は「水源に暮らす我々ができることはないか、自分たちで伝えられることはないかを考えた。より多くの人が道志村を知ってもらうきっかけになってくれれば」とあいさつ。
水源である道志村への思いを語る太田社長
続いて、大田・前村長が「道志村と横浜の交流が続くことを願う。横浜市民の方に、いつまでもおいしい水と食材を届けられるよう、森・里・川・海の流域を大切にした連携を考えていきたい。道志村の森と横浜の海の関係が、きょうを機会に、より深まっていければいい」と述べた。
「道志村と横浜の連携を深めたい」と大田・前村長