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独自の道を行く「ゴマ系」総本山「千家本店」と「大黒家生麦本店」を紐解く~横浜の家系ラーメン全店制覇への道~其の弐拾七

ココがキニナル!

第27回は「ゴマ系」の店、南区前里町の千家本店と鶴見区生麦の大黒家・生麦本店へ。千家では「ゴマ増し」のラーメン、大黒家生麦本店ではシンプルな「家系ラーメン」がおすすめ

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ライター:はまれぽ編集部

たかがゴマ、されどゴマ



27回目となった今回は、いわゆる「オリジナル系」のなかでも特徴のある店を取材することにした。京急線・黄金町の「千家(せんや)本店」と京急線・生麦駅の「大黒家生麦本店」だ。それぞれ「本店」とつくぐらいあって多店舗展開している。

さて、何が特徴なのか。それは「ゴマ」だ。
 


ゴマちゃん(フリー画像より)
 

ラーメンにゴマ。ゴマ。・・・ゴマ。うーん。想像がつかない。

博多のとんこつラーメンには多くゴマが入っているイメージがあるが、横浜家系ラーメンにゴマが入っている印象はない。

しかしながら、この「ゴマ」を入れることをかたくなに守り続けている店がある。そこで、その店をこう呼ぶことにした。「ゴマ系」の店と。

では、いってみましょう。まずは横浜家系ラーメンのなかでも「ゴマ系」総本山である「千家本店」へ。
 


ちらす意味


  


京急線・黄金町駅から徒歩7分ほど。千家本店に到着
  

「ゴマっぽいポーズをお願いします」という発注に対してこれが納品された
 

今回も参りますは「ラーメンの研究で太っちゃったけどもっと勉強しなきゃ」と日々自分をゴマかす編集長・吉田。そして腰の調子がよくないというマーコ氏。いざ店内へ。
 


すっきりとシンプルで清潔な店内。カウンターのみ15席。「味の好み表」がない
 

今回取材に対応してくださったのは、千家本店店長の田中浩二(たなか・こうじ)さん。
 


あんまり顔を出さないで、とのことだったのだが何とかお願いしてお姿を撮影
 

千家といえばゴマ、というのは以前同企画でも紹介した。まずはお店の歴史を・・・と筆者が田中さんに話を伺おうとしたところ、横にいる吉田がずっと落ち着かない様子。「ねえ、先にラーメン食べたほうがいいよ。話はそれからにしようよ」とのたまう。

ようは腹が減っているだけなのだろうが、確かに「ゴマ系」のルーツとなる同店のラーメンを味わってからのほうが、話もよく分かるかもしれない。

では、先にいただくことにしよう。カウンターに座り、一同はあふれ出るよだれを我慢しながら出来上がりを待つ。
 


麺は大橋製麺
 

タレとスープのハーモニーはいかに
  

平ざるで湯切り
 

吉田は「おなかがすいて痩せちゃうよ・・・」とつぶやいていた
 

ラーメン(700円)が到着
 

ゴマが浮かんでいるのがお分かりいただけるだろうか
  

こ、これがゴマ系!? けっこう控えめな存在感、これは・・・ゴマを入れる意味があるのだろうか。

筆者が固まっているとマーコ氏がこう言った。

「ゴマ増しってあるんですか?」

「ありますよー」と朗らかに答える田中さん。すると、出てきた。「ゴマ増し」のラーメン。「増し」にしても無料とのこと。太っ腹。聞くところによると、この「ゴマ増し」は知る人ぞ知る裏オーダーなんだとか。へー。
 


びっしり
 

みっしり
 

ハマったらしいマーコ氏。「ゴマヒットおおお」
 

二人に感想を聞く。

吉田:「全体的にマイルドな味だけど、醤油が少なめであっさりしている。鶏油の味が強い気がした。自分の好きな寿々喜家のラーメンと近いような気がするけど、寿々喜家よりは醤油感が少ない印象。でもこれが個性だと思えるほどのおいしさがある

マーコ氏:「千家系らしくライト家系タイプながらも、しっかりタレ感や油感を発揮されているため物足りなさを感じない。また、たまたまかもしれないがほかの“のれん分け店舗などと比較すると、スープのボディ感は、ここ千家本店が一番発揮されているため、ゴマ系総本山の説得力感も感じられる。さらに裏メニュー的な存在のゴマ増しは、予想以上にいいではないか~(井之頭吾郎風に)」
 
ふむふむ、一口味見してみると、普通のラーメンはゴマが入っていることによって、何か特徴があるようには感じられないが、ゴマ増しにしたところ、香ばしい香りがとんこつの風味とマッチして美味だった。あくまで「とんこつベース」といったスープだが醤油の味も感じられ、コクもあるバランスがいい。筆者個人的には同店に来たらゴマ増しでいただくのがいいと感じた。
  


瞬殺だった
 

さて、吉田の腹の虫をだまらせたところで、いよいよ田中さんにこのゴマのルーツを伺うことに。
 
「なぜ、ラーメンにゴマが入っているんですか?」