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横浜市内のアノ店の「まかない」を調査する新企画。第1回は横浜中華街「聘珍樓(へいちんろう)」と横浜駅西口近くのレストラン「リトルキャット」のまかないを実食

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2016年02月28日

ライター:山崎 島

ごはんを作る人のごはんって、どんなごはんなのか。横浜市内各地、各ジャンルのお店におじゃまして、その様子をレポートする企画の第一弾。

今回は横浜中華街の大きな老舗レストラン・聘珍樓(へいちんろう)横濱本店と、アットホームな横浜駅西口のイタリアンレストラン・リトルキャットのまかないを取材して参った。



創業132年のお店のまかない
 


門構えからご立派な聘珍樓本店。JR根岸線石川町から徒歩8分

 
1884(明治17)年創業、国内で7店舗展開する聘珍樓は、本店だけでも最大650人の利用客が入れるという、大きなレストラン。7階建ての本館の建物は1~4階、6~7階が客室となっている。
 


多くの人でにぎわう1階のダイニング
 

7階の特別個室
 

5階は丸々ワンフロアが厨房

 
「中華鍋が10個も並ぶ規模の厨房は珍しいんです」と聘珍樓の総料理長・西崎英行(にしざき・ひでゆき)さん。確かに、ワンフロア全て厨房という飲食店は、今まで行ったことがない。ここだけではなく、7階に焼き物専用の調理場が、また飲茶専門の新館にも厨房がある。

従業員総数約200人の老舗レストラン聘珍樓横濱本店。毎日ここで働く人たちのために、まかないを作っているのは・・・
 


この方です

 
渡邉悠介(わたなべ・ゆうすけ)さん。入社1年目の若手の料理人。聘珍樓では、鍋の後ろの打荷(だほ)と呼ばれる持ち場で先輩たちのサポートをする若手が、毎日交代で朝と午後のまかないを担当する。

「担当者はその日1日まかないにつきっきりで、月曜から木曜は60人、金曜日と土日祝日は80人分のまかないを、調理場が落ち着いた時を見計らって作ります。朝はみそ汁と1品、午後は2品と決まっていて、その日あまりそうな食材や、なるべく安く仕入れられる食材で調理します」と、難しそうなことをさらっと言う渡邉さん。

その上、前日のメニューとかぶらないように献立を決め、調理法や味付けにも差を出すようにしているのだそう。

この日のまかないは豚肉の豆鼓(トーチ)醤蒸しと干しエビの春雨煮込み。渡邉さんはすっと料理人の顔になり、調理を開始した。
 


この日使う野菜と豚肉
 

こちらを手早く下処理し
 

全身で鍋をふるう
 

総料理長と副料理長が手助けをする場面も

 
渡邉さんは同じ所に3秒とじっとしていなかった。鍋をふり、調理場を清め、蒸し器を確認する。3秒以上止まっている時は人の話を聞いている時だけで、一心に料理に打ち込む姿には、見ているこちらも心を動かされた。

総料理長・西崎さんは「28年前、私も新人としてまかないを作っていました。まかないは若手が次の段階へ進むための、判断基準の一つです。まかないづくりの手際、味を料理長に認められて初めて、1人の料理人として調理場に立つことができます」とおっしゃっていた。

従業員の空腹を満たすためだけでなく、自分自身の成長を認めてもらうための、聘珍樓のまかない。

渡邉さんが超がんばって作った本日のまかないが、湯気と共に器に盛られていく。
 


わー!

 
大量の料理はいざ目の前にすると、思った以上の迫力。これをあの短時間で、そしてその若さで作ったなんてすごい!
 


改めまして、干し海老の春雨煮込み(80人前)と
 

豚肉の豆鼓(トーチ)醤蒸し(80人前)

 
出来立てのまかないはフロアごとに配膳される。
 


厨房では皆さんご飯の上にのせて立ったまま召し上がる
 

山崎もいただきました

 
こ、これがまかない? と言いたくなるほど贅沢なクオリティーだった。初め家庭的な料理をイメージしていたのだが、どちらもスパイスの風味が豊かで上品な味わい。お店に出してもいいのでは・・・と思うほどだった。

副料理長の大山さんにこの日のまかないの点数を伺うと「70点ですかね。味付けはちょうどいいです。ただ全部1人で作れるようにならないと満点にはならないかな」とおっしゃっていた。

渡邉さんは本日の出来栄えについて「50点です。副料理長や先輩に手伝わせてしまったからです。全部1人で調理するにはもっと準備が必要ですし、味付けもアドバイスをもらいました」と厳しいコメントだった。

「僕自身、おいしいまかないを食べると元気が出ます。まかないは同期が作るので、おいしい物が出てくると負けてられない、という気持ちになります」と渡邉さん。横浜中華街を代表する老舗の味を新たに受け継いでいく若手の、力強いまかないは繊細で膨大な可能性を持つ出来栄えだった。



聘珍樓のメニュー

次に実際にお客さんに提供されている、聘珍樓のメニューをご紹介。
 


総料理長が腕によりをかけて作られたのが
 

「春の壺蒸しスープ(4000円)」

 
スッポン、フカヒレ、ツブ貝などが入った薬膳スープ。肝機能強化・血流改善・滋養強身・美肌などに効果があるという嬉しい栄養がたっぷりと含まれている。総料理長が産地へ出向いて吟味したこだわりの食材を使用しているそう。大変手の込んだ一品のため、2日前までに要予約。
 


それから堂々の「本格窯焼き北京ダック(1羽1万735円)」

 
厳選された産地より仕入れたアヒルを、およそ1日かけて丹念に焼き上げる。パリパリのアヒルは芳醇なスパイスの香りがして、さすが! としか言いようのない一品だった。

長い歴史の中で受け継がれてきた料理を誇る聘珍樓。表のメニューだけではなくまかないも一流でした。
 
 
続いて、2軒目のまかない飯は!? 
 

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