野毛に穴場的フレンチビストロがあるって本当?
ココがキニナル!
野毛に元ニューグランドの料理長がやっている小さなフレンチビストロがあるらしいです。ビストロで気軽に本格フレンチが楽しめるなら行ってみたい…どんなお店か知りたいです。(miyukidさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
野毛にある、元ホテルニューグランド料理長の店「Y.S(ワイズ)」と、本場フランスで修業したシェフの店「le midi(ルミディ)」を紹介!
ライター:大和田 敏子
野毛に元ホテルニューグランドの料理長の店がある? 本当なのだろうか。
インターネットで調べてみると、該当する書き込みを見つけた。「Y.S(ワイズ)」という店らしい。今回は、そのほか「気軽に入れるビストロ」として「le midi(ルミディ)」も紹介する。
本格フレンチを楽しめる隠れ家のような店「Y.S(ワイズ)」
お店は「野毛の本通り」を吉田町方向に進み、喫茶店がある十字路交差点を右折し、2分ほど。
ここ!
フランス国旗!? 真ん中に「Y.S」と書かれている
店はビルの2階!
スナックが入っていそうなビル。「ホントにここ?」と不安になってくるが・・・
階段下の黒板に「本日のおすすめ」が。ホッとする
入口のドア!
やっぱり、ちょっとスナックの入口のよう。中が見えないので緊張する。ドアを開けると・・・
カウンター8席だけ。センス良く清潔感のある店だ!
オーナーシェフの加藤寛(かとう・ゆたか)さんに話を伺った。
料理や食材のことについても、丁寧に教えていただいた
Y.S(ワイズ)がオープンしたのは2012(平成24)年。
「近くに長く住んでいるので友だちもいるし、隠れ家のように細々とやっていければと」とここに店を出した理由を話す。
加藤さんはホテルニューグランドに38年間勤務。最初の1年は皿洗いのみ、その後さまざまな厨房で勤務した。そして、「セントラルキッチン」「ル・ノルマンディ」「ザ・カフェ」などで16年間料理長を務めた。
1927(昭和2)年開業のホテルニューグランド
セントラルキッチンとは、ホテル内のレストランや宴会などで提供する料理の中心部。フォンドボーやトマトソースなどのベースとなるものを作って、フレンチ、イタリアン、カフェへ配給する厨房だそう。
まさに、ニューグランドの味を守り受け継いできた方だ!
「ホテルでは、音楽で言えばコンダクター(指揮者)のような仕事。今はプレーヤーとして全てやらなければならない」と言う一方で「ほかの人に仕事を任せると、当たり前だけど100パーセント自分の思った通りにならない。その分今は自由だね」と笑顔で語る。
「ひとりでやっていくには、このくらいの広さがいい」とシェフは言う。厨房の使いやすさにこだわり、客席より厨房の方が広い。
手伝いをするのは奥さま。結婚40年のおふたりは息もぴったり!
旬の味を楽しんでほしい! なるべくフランスの食材も
「旬の食材を味わってほしい。せっかくフレンチの看板を出しているので、なるべく本物に近いものをと思っています」とシェフ。
こちらはフランス産のホワイトアスパラガス
日本のものより大きく、色合いも少し違う。香りが強く、若干えぐみもある感じで、タケノコに近いような味だそう。
本日のポタージュ「セロリラブのポタージュ」も一口いただいた
ベルギー産の根セロリを使っているそう。香りが良く、甘みもあって優しい味わいだった。
「この店の料理は伝統的なフランス料理ですか?」と伺うと「伝統にこだわらず、素材の味を出せれば。ソースをたっぷり使うのでなく、両方が引き立てあうようにと思っています」と話してくれた。
いよいよ、紹介させてもらうお料理を作っていただくことに。
主な食材は、当日仕入れた愛知産のマダイとフランス・ブレス産のメスのカモ
鴨肉は野菜と香草でマリネして2日間くらい置く。臭みを消し、柔らかくするためだとか。
どんなお料理をいただけるのか、わくわくしてきた。
マダイは皮面をバーナーで軽くあぶってカルパッチョに
「愛知産 真鯛のカルパッチョ(1200円)」
思わず見とれてしまうような、美しい盛り付けはさすが!
新鮮な魚のおいしさが引き立つシンプルな味付けで、マダイの甘みや香ばしさがしっかり感じられる。
編集部・広瀬、もはや取材を忘れてる!?
付け合せはフランス産オリーブ、ベビーリーフ、トマト。特にトマトは、味が濃く甘みがあって格別!
「フランス ブレス産の牝鴨のポワレ オレンジソース(2000円)」
オレンジソースが鴨にすごく合う!
コクのある鴨の旨みがしっかり感じられ、柔らかくジューシー。フレンチは、こってりした料理というイメージがあったが、意外にあっさりしていて、本当においしかった!
おいしいお料理をいただいていると、やっぱり「ワインが飲みたい!」となり・・・
グラスワイン(フォルタン カペルネ ソーヴィニョン/600円)もいただいた
グラスワインは、赤白それぞれ3種類ずつで600円~800円。意外にリーズナブルでうれしい! お料理と合わせておいしくいただいた。
ほかにも、ビール(600円)やウイスキーシングルモルト(グラス、900円)など気軽に頼めるものから、ちょっと高価なボトルワインまで豊富。
メニューは手書きのものやカウンターの上部(写真左上)にあるが・・・
その日のお薦めを伝えると、そちらを頼まれるお客さんが多いとか。おまかせのコース料理は5000円。・・・これもすごくキニナル!
お料理の価格は、ホテルに比べると3分の1程度だという。
「原価率は高くなるけど、奥さんと二人でやっているので何とかね」
2015(平成27)年6月には、テレビ朝日の『スーパーJチャンネル』で紹介された。ホテルで長年勤めたシェフが、その後、個人でやっているお店の特集だったとのこと。放送後は、テレビを観て来る方も多く、大変だったそうだ。
満席時にどうしてもという方には、こちらの椅子を使ってもらうことも
取材当日も予約でいっぱい。問い合わせを丁寧に断る声も聞こえてきた。予約制ではなく、空いていれば入れるが、前日までに連絡した方が安心のようだ。
3人できていたお客さんにも話を伺った(奥にもう一人)
常連の方の誘いで来店したそう。「おいしいものをすごく良く知っている人、この人の薦めなら間違いない! と思ってきた。本当においしい」と連れのおふたりが話してくれた。
続いてもう一軒気軽に入れるフレンチビストロを紹介!