中華街の地下に別世界!? 『美女と野獣』のお店に突撃!
ココがキニナル!
横浜の中華街に美女と野獣のカフェ&レストランが出来たらしい/すごく素敵なお店らしく、フランス童話なのに何故中華街?というツッコミは置いといて是非とも取材して欲しい(eglさん/黒くてもシロッコさん)
はまれぽ調査結果!
中華街のレストランカフェ「Beauty & the Beast」では、入店した瞬間から童話『美女と野獣』のヒロインになりきれる。カジュアルフレンチも絶品。
ライター:山崎 島
多くの女性は幼いころ「大きくなったらお姫様になるんだもん!!」とおしゃまなことを言っていたんじゃないでしょうか。山崎の小さなころの夢は「世界を思い通りにしたい」。七夕の短冊に書いて母をドン引かせたそうです。地味で暗いので説得力があったのでしょう。
世界征服の夢は難しいが、お姫様になる夢なら中華街にかなえてくれるレストランがあるらしい。なんでもフランス童話の『美女と野獣』の世界に浸れるとのことで、やたら気合いを入れている編集部・小島と行ってきた。
私はベル私はベル私はベル・・・
JR根岸線石川町駅から徒歩約5分
今回調査するお店は、こちらのビルの地下1階
看板も出てますね
新築なのかひときわ明るく清潔な建物だが・・・果たして本当にこの地下に童話の世界が広がってるの? 見慣れた中華街の景色の中、突然さあ物語の入り口です、って言われても・・・でも『おむすびころりん』のおじいさんもそこら辺の穴に落ちたらすごいことになってたし、小島もずっとそわそわしてるし、いざゆかん。
緩やかにカーブした階段を下りると
わ
べ、別世界への入り口? 何かが始まる予感が溢れんばかりのドアが立ちはだかる。地上の喧騒も遠く、扉の向こうからかすかな音楽が聞こえてきて、これは、これは・・・!?
扉の前にはこんな文章が
「あなたはベルです」、きっぱりと言い切ってくれている。これは『美女と野獣』のヒロインのベルになり切って入らないと罰が当たる気がする。「私はベル私はベル私はベル・・・」と自分に言い聞かせながら扉を開けると・・・
おおお
別世界
そこは確かに別世界でした。ヨーロッパの古い石造りの建物を彷彿とさせるエントランス、その奥にはまた違う雰囲気の部屋が続いている。何よりも扉を開けると我々が来るのを知っていたかのように出迎えてくれる店員さんが存在感大で、ふっとこのお店の物語に誘ってくれるよう。取材の旨を告げると「野獣の部屋」へと案内された。
こちらが「野獣の部屋」
豪華だけどもどことなく寂しい印象の個室。入り口には「100年もの間、野獣が孤独に過ごした部屋」という物語がかかれたポスターがかけられていた。
部屋のいたるところに細かい工夫があり、物語の雰囲気を醸し出している
細部まで作り込んだ空間に圧倒されていると、この日お話をしてくれるオーナーさんがご登場。
神山洋幸(かみやま・ひろゆき)さん
物語の中から抜け出してきたんじゃないですか、というようなすらっとした見目麗しい神山さん。一方・・・
ちょっとあんた何してくれてんの!!
エントランスを撮影しに行ったはずの小島が全身金タイツで帰ってきた。なにこれ聞いてないよ!! 「いやあ、ギャップがあった方が良いかと思って」とはにかむ小島。いやいや、お店に申し訳ないから。
なんかごめんなさい・・・必死に謝ると神山さんは「大丈夫ですよ。面白い編集部ですね」と笑ってくれた。
こんな格好の小島にもやさしく対応してくれる、心が広い神山さん
申し訳なさを通り越し怒りすらこみあげてきたが、小島には後で編集部の偉い人から制裁を加えてもらおう。さっそくお店についてお話を聞いた。
同店がオープンしたのは2016(平成28)年8月10日(野獣の日)。フランス童話『美女と野獣』をモチーフにしたカフェレストランとして開業した。元々グラフィック関係の仕事をしたり郵便局に勤めたりしていた神山さんだが、「自分の飲食店を持つ」というのが長年の夢だったそう。
その夢が膨らんで2年前に海老名市の飲食関係の会社へ転職し、お店を出すにあたっての修行を始めた。修行をしながらお店の構想を練り、いろいろと準備をしていたという。
ふむふむ、ふふうふふ
何故『美女と野獣』を取り上げたのかと聞くと「日本には物語や映画をコンセプトにしたレストランはたくさんあるのですが、“美女と野獣”のお店はまだありませんでした。とても人気がある物語なので、僕はこれで行こうと思ったんです」とのこと。
お店の方向性が決まって間もなく、ディズニーで『美女と野獣』の実写映画や遊園地内のアトラクション化が決まった。「ここはあくまでもフランス童話をモチーフにしているのですが、ディズニー版の作品を求めてこられるお客さんのイメージを壊さないようにしています」と神山さん。
ディズニーファンも裏切らないような小物を置いている
「小さなテーマパークのようなお店にしたかった。モットーは『Give the dream in food』、食事の時だけでも現実を忘れ、夢の世界を過ごしてほしい、という願いを込めています。ストレス社会の中で、ここに来ればワクワクとドキドキを思い出せる、そんなレストランにしたいです」と神山さん。
お店の造りからスタッフさんの対応まで、全て徹底しているのには、そんなあたたかい思いがあるのですね。
部屋のベルを鳴らすとスタッフが来てくれる
でも何故、中華街にフランス童話なんでしょう。「もともと横浜で物件を探していて、たまたまこの物件を見つけたんです。この店はコンセプトがかなりはっきりしているため、通りがかりに寄る、というよりもここを目指していらっしゃる方が多い。中華街で観光し、ワクワク感を高めてからご来店なさるのは、2倍楽しいのでは、と思います」
「それに、この物件は昨年リノベーションしたばかりで、とても明るくて雰囲気が良く、中でも階段が気に入っています。地下へ降りるにつれて、物語の世界へ入るような感覚になってもらえるのでは」とのことだった。なるほど合点です。