野毛の「横浜にぎわい座」ってどんなとこ?
ココがキニナル!
よく「横浜にぎわい座」の前を通るのですが、どんなところなんですか?(Keiさんからのキニナル)
はまれぽ調査結果!
落語初心者でも楽しめる大衆芸能専門館。若手落語家の成長を見守ることができるのも特徴の一つ。
ライター:松野 孝司
野毛地区はもともと落語など大衆芸能が盛んな土地だった
「横浜にぎわい座」が、落語や漫才、大道芸などの大衆芸能専門館として開館したのは、平成14年4月。以来8年、落語のほか日本舞踊・演劇・コンサートなど幅広く利用されているので、その存在を知っている人は多いだろう。
昨今の落語ブームもあり客入りも上々のようだが、「落語」というと敷居が高くて足を運ぶのに躊躇している人もいるようだ。そんなあなたに代わって、「横浜にぎわい座」がどんなところなのか調査してみた。
表には人を招くように幟が掛けられている
そもそもどうしてあの場所に大衆芸能専門館がオープンしたのだろうか。
まずはそのあたりの事情を同館の中島尚未さんに聞いてみた。
「当館が建つ野毛地区を含め、伊勢佐木町を中心にしたエリアはもともと大衆芸能が盛んな地域だったんです」
お隣の伊勢佐木町は明治・大正期に興行街として発展し、寄席などが軒を連ねていたという。その影響もあり、野毛地区も大衆芸能との縁が深く、現在「野毛大道芸」や「野毛流し芸」が行われているのもそのひとつの表れといえる。
「横浜にぎわい座」の名前は公募によるものだが、かつて伊勢佐木町には「横濱賑座」という名前の小屋が実在していた。「大衆芸能の灯りを再び野毛に」という地元の声と、桜木町駅周辺の再開発を進めていた横浜市の思惑が一致。それが「横浜にぎわい座」の誕生の経緯のようだ。
落語に関する資料や人気落語家たちのサインも
1階のエントラスに入るとお揃いのハッピを着たスタッフが、「いらっしゃいませ」と元気よく出迎えてくれ、寄席の香りが漂い始める。
そのままエレベーターで3階の芸能ホールに行ってもいいが、時間に余裕がある人は2階に寄り道してみるのもいいだろう。このフロアには総合受付のほか情報コーナーがあり、落語に関する資料や落語家や芸人のサイン色紙も置かれている。これも同館ならではの楽しみのひとつ。
ここには林家たい平師匠が日本テレビの『笑点』で座布団10枚を獲得した際に賞品としてもらった「タイの石」が展示されている。笑点メンバーのサインも入っているので、『笑点』ファンなら、これを見るだけでも同館に足を運ぶ価値はあるだろう。
座布団10枚のご褒美の『タイの石』の実物
お弁当やお酒を飲みながら楽しむのがにぎわい座スタイル
3階と4階の芸能ホールは、やぐらをイメージした舞台廻りや桟敷席、仮設花道など大衆芸能の雰囲気を演出した空間になっている。とくに話芸に適した音響効果が得られるようにデザインなどに工夫が施されているという。
2階席から見た舞台。1階席280席、2階席111席、計391席がある
飲食ができるようマグネット式のテーブルが備えられている
イス席には小さなテーブルが完備されており、飲食が楽しめるのも同館の特長のひとつ。初代館長の故玉置宏氏たっての希望だったという。そのため同館には「のげ茶屋」と名づけられた売店も併設。お弁当やサンドイッチのほか、ビールや日本酒まで置かれている。
売店の「のげ茶屋
「お弁当を食べながら落語を聞くというスタイルがいい、というお客様が多いんですよ」
というのは“看板お母さん”の永井さん。
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