横浜の個性的なスープのラーメン店って?
ココがキニナル!
鶏スープの鶏喰、海老スープの海老秀など、横浜には色んなスープのラーメン屋がありますが、他にも個性的なラーメンはある?/ラーメン246亭の三輪オートが気になる(Aloha.Rickyさん/ポスポスさん)
はまれぽ調査結果!
海老の風味が広がる関内「海老秀(えびひで)」。コーヒーラーメンで魅了する青葉台「246亭」。奇をてらったわけではなく真摯に美味しさを追求する
ライター:山口 愛愛
最近では家系ラーメンが席巻するわが街・横浜。変わり種スープの店を出店することは一種の賭けかもしれない。舌が驚くような、変わり種のラーメンは存在するのだろうか。
鶏系ラーメンの取材で、「美味しい!」しか言わなかった編集部・小島とともに、変わり種のスープで勝負している2店舗を潜入取材してみよう。
以前取材した「鶏喰(とりっく)」のラーメン
濃厚な海老、海老、海老!
まずは、キニナル投稿に名があがった「初代 海老秀(えびひで) 関内桜通り店」へ。ここは店名の冠の通り、「海老スープ」が味わえる店だ。場所はJR関内駅から徒歩5分ほど。
ロブスターバーのようにも見えるオシャレな店構えだ
アルコールの瓶が並ぶ店内はバーの雰囲気も
まずは、店長の草野雄太(くさの・ゆうた)さんに、「海老スープ」誕生秘話とこだわりを伺った。
東日本で6店舗を展開している海老秀だが、神奈川県では関内店のみ。経営しているのは意外にもパチンコ業を営む株式会社ベガスベガス。パチンコ店ベガスベガスに、そば店を併設しているが、今後の出店展開を考え、パチンコ以外の飲食店に力を入れ始めた。
入社10年目、ラーメン店担当2年目の草野店長
そう聞くと、外観や内観も納得。お客様第一のサービス業が元であることから、お客さんへの気配りが随所に見られる。
店内にはソファー型の長椅子があり、座って待つことができるのも嬉しい。ゆったりとしたテーブルボックス席もある。カウンター席の下には電源があり「ご自由にお使いください」とのこと。
ウエイティングスペースもゆったり
サービスに徹底しているようだが、味の方はどうだろうか。エビラーメンを始めた経緯もキニナル。
「社長が北海道で、『一幻(いちげん)』のエビラーメンを食べて感動し、さらに美味しいラーメンが作れないかというのが始まりなんです」。そう話す草野店長は、エビラーメンの開発に関わった。
社長の名前「秀之(ひでゆき)」さんの「秀」を取り、「海老秀」に
「完成までに1年以上かかった」という「海老スープ」は、旨みのつまったエビの頭だけを仕入れ、豚ガラと鶏ガラを合わせて煮込んでいる。
「エビを入れすぎても生臭さが出てしまうし、長時間煮込むとエビの香りが飛ぶので加減が難しい」という。
煮込んでいる時間は短いが、風味を最大限に引き出すため、寸胴に入れる前にエビをオーブンで10時間ローストし、エグミと雑味を飛ばしている。香ばしくカリカリにしたエビを使っていた。
さらに、エビオイルやエビの粉末も織り交ぜ、何層にもなるエビの深みを醸し出している。
長時間エビをオーブンでローストさせることがカギ
開発途中では社長のダメ出しが続いたが、ついに濃厚な「海老スープ」が完成し、2013(平成25)年に山形県で海老秀を出店。2014(平成26)年6月に横浜に上陸し、関内店をオープンさせた。
「家系のとんこつしょうゆが多いエリアだとは分かっていたが、エビラーメン自体が少ないので喜んでもらえるのではないかと思った」と草野店長。
こだわりを聞いているだけでよだれが垂れそうなので、実食へ!
「海老スープ」を使ったラーメンはみそ、塩、つけめんの3種類。
看板商品の「海老味噌 ラーメン(730円)」だが、今回紹介するのはチャーシューや味玉子を足した「海老味噌全部のせラーメン(1050円)」。
ボリュームたっぷり
着丼したときから、エビみその風味がぶわっと広がる。スープを口に運ぶと、うぉぉ、エビ!
香りも濃厚
エビを焼き、パウダー状にしてオイルでペーストしたエビパウダー
エビパウダーを箸で溶かすと、さらなるコクが生まれた。
スープはみそ汁にエビの頭を入れたような出汁風味というより、エビのみそを煮詰めたような濃厚なエビの香ばしい旨みが鼻腔から抜けていく。
上質な国産小麦「春よ恋」を使った中太平麺が、スープをしっかりすくう。麺も試行錯誤し、オープンしてからも数回変え、やっと現在の西山製麺の麺に落ち着いたとのこと。
持ち上がりヨシ
どのメニューもプラス40円で「辛味噌」をつけられるので、味を変える楽しみも。豆板醤や唐辛子入りのウマ辛なみそは、少し入れただけでかなりの刺激。エビの旨みとダブルパンンチだ。「冬の時期には辛味噌が人気」と草野店長。
すべてのメニューにトッピングできる辛味噌
続いて「海老塩 ラーメン(730円)」。
濃厚なみその後ということもあり、あっさりしているように感じ、食べやすい。エビを炭火で塩焼きにしたときのパリっとした独特の香ばしさを想起させる。香り高い品のある味わいだ。
「うわぁ、なんか、かっぱえびせんみたいなイイ臭いがする」と小島。「それ、褒めてんの?」と突っ込みたくなるが、スープをすすりながら、ちょっと納得してしまった。
女性や年配者にも人気
黄金のスープ
最後は「海老秀つけめん(820円)」。
つけめんのスープは魚介系のタレを仕入れ、「海老スープ」を入れて調合している。
エビの存在感が強い魚介系ダシのスープはバランスが絶妙で、ラーメンよりも塩気がありしっかりとした味わい。
こちらは、もっちりした太目のコシが強い胚芽麺で食べごたえ充分。
つけ麺にもエビパウダーは欠かせない
濃厚なつけ麺はつぶつぶの胚芽麺と合う
そのほかに「ミニチャーシュー丼(250円)」や「炊き込み海老おにぎり(160円)」なども味わえる。アルコールも「ギネス(540円)」、「コロナ(530円)」のほか、ハイボール、グラスワイン(各300円)など種類豊富だ。
うれしいことに、平日限定の午後2時~午後6時のハッピーアワーは、通常350円の生ビールが200円!
「生ビールとメンマ(60円)だけで楽しむ方もいるので、気軽にきてくださいね」と草野店長。スープの味わいだけでなく、満足度の高い店だった。
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