検索ボタン

検索

横浜のキニナル情報が見つかる! はまれぽ.com

宮司お手製のスズメバチのお酒がある!? 西区の伊勢山皇大神宮を直撃した

宮司お手製のスズメバチのお酒がある!? 西区の伊勢山皇大神宮を直撃した

ココがキニナル!

伊勢山皇大神宮の宮司さん、スズメバチを採取して焼酎漬けにするのが趣味らしいです。以前は鎌倉の鶴岡八幡宮の2番目に偉い宮司さんだったそうです(ナチュラルマンさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

鶴岡八幡宮で「禰宜」を務めていた池田宮司は「ニホンミツバチを見て神道が分かった」と話すほどの自然好き。スズメバチ焼酎はミツバチ飼育の副産物だった

  • LINE
  • はてな

ライター:はまれぽ編集部

※この記事には昆虫の写真が出てくるのでご注意ください!

皆さん、スズメバチは好きだろうか? 編集部・小南はもちろん苦手です!

少年時代に読んだ『サバイビー』(著:つの丸)というミツバチの少年が主人公の漫画で、キリングマシーンとして襲い掛かってくる姿が衝撃だった。そうでなくても「二度刺されるとアナフィラキシーショックで死ぬ!」という恐怖もあり、ほかの数多の害虫を差し置いて「出会いたくない昆虫ナンバー1(個人ランキング)」の地位を欲しいままにしている。
 


狂暴で猛毒というイメージが先行している(フリー画像より)

 
そんなスズメバチを採取し、あろうことか焼酎漬けにしてしまう神職がいらっしゃるという。そんな豪胆なことってあるのか。神聖な儀式の一部なのだろうか。

早速伊勢山皇大神宮に取材を申し込み、噂の池田正(いけだ・まさひろ)宮司にお話をうかがうことにした。



伊勢山皇大神宮の宮司は「森林インストラクター」
 


池田宮司には以前も
インタビューをお願いしている
 

以前は鶴岡八幡宮で宮司をしていた? というキニナルをたずねると、「神社には宮司は一人しかいません。鶴岡八幡宮では、宮司の次位である『禰宜(ねぎ)』という職を務めていました」という簡潔なお答え。確かに非常に地位の高い立場であったようだ。

続いて、おずおずと「スズメバチを焼酎に漬けているとうかがったのですが・・・」と本題を切り出す。
すると「そんなに有名な話ではないと思うんですが、どこで知ったんでしょう」と笑いながら、「黒い瓶」を取り出してくださる池田宮司。
 


これって・・・
 

ハチだ~~~!

 
思わず「ひっ」と声が出てしまう。ここまでぎゅうぎゅうに詰まっているとは予想していなかった。池田宮司によれば「これは少し入れすぎてしまった」らしい。本来は一升瓶に100匹程度でいいが、この小さな瓶にも100匹くらい入っている。

スズメバチを焼酎に漬けている、という話は本当だった。そうなるとキニナルのが、どうして? ということ。神社の境内にはそんなにスズメバチがいるものなのだろうか。

そんな疑問に「このスズメバチは、ミツバチの巣箱を襲い来たところを駆除したものなんです。そのまま死なせてしまうのももったいないので、こうして焼酎漬けにしています」と池田宮司。え、ミツバチ? どうやら事の発端はそちらにあるらしい。
 


こちらはひとまず置いておいて・・・

 
なんでも池田宮司は、自然の営みや森林の仕組み、暮らしと安全対策の知識や技術を持っていることを認められた「森林インストラクター」という資格を保持しているほど、自然が大好き。さまざまな生き物に関心を持っているが、特にミツバチは自宅でも境内でも飼育するほどの熱の入れようらしい。

まずはそちらのミツバチを見せていただくことにした。
 


一般の方は入れない境内の奥に・・・
 

ミツバチの巣箱が!
 

ハチたちが元気に飛び回っていた
 

このミツバチからとれたハチミツは、地鎮祭などで配布したこともあるという。
境内では、参拝客が入れない場所に巣箱を置いている。ここで飼育しているセイヨウミツバチやニホンミツバチといった蜜を集めるハチが人間を刺すことは稀だが、巣箱を襲いに肉食のキイロスズメバチやオオスズメバチが来るためだ。

特に、ほかの昆虫が少なくなり、スズメバチが越冬の準備を始める秋ごろになると、ミツバチの巣箱を積極的に狙ってくるという。「ほとんど毎日来るので、そのたびに駆除しています。だから、焼酎漬けにするスズメバチも多くなるんです」と話す宮司。

スズメバチの駆除の方法だが、「虫取り網で捕まえて、ハエ叩きで気絶させる」というシンプルなもの。あとはそのまま焼酎の中に入れるだけ。
 


宮司はスズメバチにはもう慣れたそう。すごい
 

朝、偵察にやってくるスズメバチを駆除することで、その後は警戒してやってこなくなる。けれど翌日になるとまたやってくるので、毎日駆除することになるという。

境内でそんなことをしていいの!? と思ったが、神道は仏教と異なり、殺生を禁じる戒律があるわけではない。スズメバチの命をいただくのも、あくまでも自然の営みの一つということだろう。

そう、命はいただかなければならない。というわけで、スズメバチの焼酎漬けに挑戦させていただく。