日本初、そして世界初!? 元町に出現したコンテナビルの正体は
ココがキニナル!
元町に日本初のコンテナビルが建つと話題になってます。鉄骨造の建物にコンテナを3階併設しているそうです。ぜひ取材をよろしくお願いいたします。(横浜橋のラッキーさん)
はまれぽ調査結果!
3階建ては日本初、混合ビルは世界初! 建築基準法に適合した、日本で初めてのコンテナビルが元町に出現していた
ライター:はまれぽ編集部
中区の元町に日本初の「コンテナビル」が建つという今回のキニナル。
コンテナといえば、横浜ではよく船に詰め込まれている姿を見かける。さまざまな荷物を収納できる鉄の箱であり、人が住む場所、ましてやビルになるというイメージはない。
確かに積むけど、これをビルに・・・?(写真はフリー画像より)
コンテナを使ったビルとは一体どんなもの? そしてなぜ横浜に?
そんなもろもろの疑問を抱えて、はまれぽ編集部は7月7日の開業を控えた元町のコンテナビル「Le Noir(ル・ノワール)」に事前取材に向かった。
ビルがあるのは、元町仲通り
みなとみらい線の元町・中華街駅から徒歩5分ほど、別名「クラフトマンシップストリート」を進むと、一目で「これだ!」と分かるその建物が目の前に出現した。
確かにコンテナだ!
コンテナをそのまま使ったような見た目のビルが元町を見下ろしている。さらにそのビルに隣接しているのは・・・。
こっちもコンテナ?
階段を挟んで二つのコンテナビルがつながっている? いったいこれはどんな構造なのだろう。
エレベーターも完備
この日は営業開始の前日だったが、コンテナビル建設を主導した北軽井沢エンタープライズの代表取締役社長、平沼五郎成基(ひらぬま・ごろう・なるき)さんと、コンテナハウスブランド「IRON HOUSE TETSUYA」(有限会社ライフィックス)の代表取締役、引地努(ひきち・つとむ)さんにお話をうかがうことができた。
左から平沼さん、引地さんのお二人
早速、この建物はいったい何なのかをうかがってみる。
「ル・ノワールは、コンテナ型ユニット建築『TETSUYA』を使った国内初の3階建てコンテナビルと、重量鉄骨造のビルが合わさった混合ビルです。コンテナと鉄骨造の混合ビルは、世界でも初めての建築物なんです」と平沼さん。ノワールは「黒」を意味し、シックな外観にピッタリな名前だ。
ビルの正面右側が鉄骨造の「本棟」、左側がコンテナを使った「コンテナ棟」。本棟は5階建て、コンテナ棟は3階建てで、それぞれ各階で行き来することができる。
ビル右側の「本棟」はコンテナ風の外装だが、実際には鉄骨造のビル
しかし、どうしてコンテナでビルを作ったのだろう?
そのメリットをうかがうと「コンテナと鉄骨造の混合ビルは、完成品のコンテナを運んでくるので工期が早く、人件費などが節約できるメリットがあります。また、狭い土地で建てることができることも、建築の規制が厳しい日本ならではのメリットかもしれません」と平沼さん。
日本では、倉庫として使われることも多いコンテナ(写真はフリー画像より)
建設と撤去が用意なコンテナハウスは世界的にその数を増やしており、2022年にカタールで開催予定のサッカーワールドカップではコンテナを使ったスタジアムが作られるなど、活用の場が広がっている。
一方で、日本国内では被災地の仮設住宅などにコンテナハウスが使われるケースがあるものの、通常のコンテナをそのまま住居として使うと建築基準法に合致することが難しく、なかなか利用が進んでいない。国内で建てられたコンテナハウスはほとんどが建築基準法の特例を使って規制をかいくぐったものなのだという。
輝く「建築基準法完全準拠」の文字!(公式サイトより)
そこで開発されたのが、全国どこでも建築許可を取ることができる専用コンテナ型ユニット「TETSUYA」。輸送ではなく、最初から住居して使うことを想定したコンテナだ。
専用のユニットを使ってはいるものの、通常の建物よりも安価に建てられるということも利点の一つ。
こちらはモデルルーム兼事務所。コンテナの中とは思えない
コンテナのもう一つの利点が、コンテナでできているがゆえの「気密性」。遮熱性の高い建材などを組み合わせることで、快適な気温を保ち、エアコンのききやすいエコな空間を作り出すことができるのだという。
換気をしないと塗料も乾かないほど!
ユニット販売元の有限会社ライフィックスは、住居に活用できるコンテナの開発に20年の歳月をかけた。その甲斐あって、元町のような建築基準の厳しい地域でも、問題なく許可を得ることができている。
そんなコンテナビルにはどんなテナントが入居しているのか。実際に見せていただくことにした。