本郷台にある「だいちゃん広場」の地下には何がある?
ココがキニナル!
本郷台の「だいちゃん公園」は普通の公園とはちょっと違うと思うのですが、詳しく調べて下さい!子どものころによく遊んでたんですが、いまいち謎が多い公園でしたので(モンピー55さん)
はまれぽ調査結果!
1984年12月の栄第一水再生センターの運転開始時から、施設の上部利用として作られた広場。同施設内に同じ目的でグラウンドも作られている
ライター:小方 サダオ
栄区小菅ケ谷にある「だいちゃん広場」
「だいちゃん公園」という謎の公園があるというが、どのようなものなのだろうか? 「だいちゃん」という愛称の人が作った個人的な公園であるように想像するが、本当なのか?
「だいちゃん広場」のある栄区小菅ケ谷(青矢印、Googlemapより)
まずは現地に向かった。
横浜の中心から電車で30分ほどの距離、鎌倉市にほど近い場所にJR本郷台駅がある。そして駅から数分歩いた、栄第一水再生センターの敷地内に、投稿の「だいちゃん広場」を発見。
ここで「だいちゃん」とは下水道センターのカバのマスコットキャラクターの名称であることが分かった。
「かばのだいちゃん」(画像提供:横浜市)
栄第一水再生センター
生活排水をきれいにする施設だ
施設の南側にある「だいちゃん広場」
「広場」とあるように、普通の公園ではないようだ。下水道施設内にあり、スロープの上の少し高い場所に作られているのも印象的だ。
樹木が植えられ遊具が置かれている
また遊具はあるものの、下水道施設と関連した展示物が置かれているのは、PR目的の屋外展示スペースの役割があるからだろうか。
明治時代の下水管の展示物
新旧のマンホールが展示されている
テーブル代わりのマンホール
下水管を模した遊具
訪れた時には、数組の親子連れや、年配の方たちがベンチで談笑していて、周辺住民が気軽に利用している感じだ。
近くは住宅地でファミリーの利用者が多そうだ
お母さんによると子どもは電車が見えるのがお気に入りとのこと
さらにキニナルのは広場の下から、絶えず大きな水音が聞こえること。やはり下水道関連の施設であることが関係しているのだろうか?
だいちゃん広場の下には何があるのか
溝川さん(左)と小泉さん
このキニナル広場について取材を申し込むと、栄第一水再生センターの溝川厚(みぞかわ・あつし)さんと小泉裕直(こいずみ・ひろなお)さんから話を伺うことができた。
施設と広場の関係については「当施設は栄区の大部分と戸塚区・港南区の一部を処理区域とする下水を再生する施設です」
「1984(昭和59)年、『だいちゃん広場』は再生センターの開設と同時にオープンしました。下水道施設は広い土地を必要とするため、上部の有効利用のために二次利用を行うことがあります。当施設では広場とグラウンドとして利用しております」
「開設時に地域の方と話し合いをして、『この地域に運動のできる公園が少ない』とのお話が出たことで、グラウンドと広場にいたしました。『だいちゃん広場』は下水道施設のPRも兼ねた公園となっています。耐用年数を終えた珍しいポンプと掘削機などが展示されています」と小泉さんが話してくれた。
地中にトンネルを作るための掘削機
雨水排除のために使われていたポンプ
「またグラウンドはソフトボールの試合などで利用されています」
上部利用しているグラウンドは小菅ケ谷公園という名称がついている
「地下には大切な設備がありますので、あまり重い施設になると構造上の問題が生まれます。公園やグラウンドは平たんな施設のため軽く思えますが、土の重量がかなりあるので注意が必要です。しかしこの問題をクリアしオープンしました」という。
「また下水施設は完全な地下化ではなく、広場も公園も建物の2階に相当する高さに位置しています。地下化にすると深く掘る必要があり、コストがかかるためです」とのこと。
広場は広い下水関連施設を半地下化し、上部スペースの有効利用のためだったのだ。利用案も周辺住民の意向を汲んでいることも、市民のためのインフラ施設の利用方法として納得がいく。