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騒音どうにかならない?横浜・深夜の水道管工事

騒音どうにかならない?横浜・深夜の水道管工事

ココがキニナル!

長い期間、深夜に家の前の道路で水道管工事をしていて騒音に悩まされています。友人の地域は昼間しかやらないそうなのですが、どうして場所によって違うのか気になります(アンドロメダクマコさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

水道管工事を夜間行う場所は、車の交通量や迂回路の有無などの道路事情で決まる。残念ながら、近隣住民の生活環境まで配慮するのは難しいようだ。

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ライター:結城靖博

実は筆者の住まいの近辺でも、昨年の秋頃から断続的に深夜の水道管工事が行われている。その騒音のすさまじさに恐れをなしている者の一人だ。だから投稿者のアンドロメダクマコさんの気持ちが痛いほどわかる。そこで、この工事の期間を見計らって、さっそく深夜の工事現場を取材してみることにした。
 
 
 
夜の住宅地の工事現場を直撃
 
ここは横浜市内某所の夜間の水道管工事現場。
 


時は真冬の1月下旬

 
工事は、老朽化した水道管を地震に強い新しいものに取り替えるべく行われている。いつ来てもおかしくないと言われる大地震に備えて、市内全域で進められているインフラ整備の一環だ。
いざという時、私たち市民が少しでも安心できる環境を整えてくれている工事なのだから、ありがたいことだ。
 


今まさに道路を掘削している

 
とは思いつつも、取材時は午後10時ごろ。近隣住民によると、この日の工事は少なくとも午前3時ごろまでは続いていたという。
周辺にはマンションや戸建ての家、社宅などが配する、まさに住宅地ど真ん中である。
国道が近いわけでもなく、普段は夜ともなればしんと静まり返るはずの住宅地だからこそ、工事の音はとりわけ大きく夜空に響き渡る印象だ。
 


普段は街灯と民家から漏れる灯りぐらいなのだろう

 
 
 
近隣住民への聞き込み
 
翌日、近隣住民のお宅を訪ね、工事についてのご意見を伺った。
まずは戸建てにお住いのご婦人の声。

「トラックが行き来する音が始まって、ああいよいよ今夜も来たかと思うと、やがて道路の舗装を掘削したりはがしたりするバリバリ、ガリガリという激しい音。それから、水道管だか機材だかをトラックから出し入れする時のガチャンガチャン!という大きな金属音。別に見学しているわけじゃないので多分そういう時の音なんだろうなと想像しているだけですが、そんな音が、見えないからこそ突然外で響いたり、いつ止むかもしれず続くのが神経にこたえます」
 


しっかり雨戸を閉めた民家の前にトラックが腰を据える

 
「また、音だけじゃなく工事中の振動もけっこう気になります。小さな地震ぐらいの揺れはあるんじゃないかと。それから、この工事が始まって以来、工事をしていない昼間でも、家の前の道を通る車の振動が気になるようになりました」
 
工事中以外でも感じるようになった振動は、どうやら仮舗装中で路面がガタガタになっているためのようだ。
確かに昨夜工事をしていた場所の道路を見ると、まるで粘土をペタペタ貼り合わせたように道は凸凹である。
 


つぎはぎだらけの路面

 
続いて、マンションにお住いの男性にも話を聞いてみた。そのマンションはまさに昨夜、目の前で工事をしていた場所だ。
「道路側の部屋に寝ている女房と息子が夜中に『うるさーい!』と家の中で叫んでたよ(笑)。ただ、うちは振動はそんなに気にならないな。それより、雨戸がないマンションだから、あの強い照明が屋内にいてもまぶしくて、そっちのほうが気になるかな」
 


確かにこの光はかなり強烈だ

 
「もちろん、昔と比べて照明が明るくなったおかげで、より作業が安全に出来るようになったんだろうから、いいことなんだろうけど」と、マンションの男性は工事への理解の言葉も忘れなかった。
 
 
 
現場監督者から話を聞く
 
周辺の取材をさらに続けていると、水道管工事の作業工程を近隣住民に伝える立て看板があったので、記録のために撮る。
 


「完了」の貼り紙が「完売」のように誇らしげだ

 
水道管の取り替え工事は5つの工程に分かれているらしい。「試掘」→「配水管新設」→「給水管取付け替」→「既設配水管撤去」→「路面復旧」。
おお、この辺りはもうこんなに終わっているのか、などと眺めていたら、後ろから不意に声をかけられた。
 
「ビラ、要りますか?」
 
振り向くとそこに立っていたのは作業服を着た工事現場関係者。聞けば、ここの工事の現場監督の方とのこと。次に始まる工事の告知ビラを近隣住民のポストに配布しているところだった。
 
これは好都合と思い、取材を試みることにした。
いきなり核心部分、どうして夜間に工事をする場所があるのか尋ねる。
「理由はその場その場でいろいろなんですが、今やっているあの場所の場合は、道幅が狭いにもかかわらずバスの通り道になっていて、しかも一般の車両の交通量も多いからです」
「じゃあ、バスが通らない時間帯だけやっているということですか?」
「いいえ、夜は本数が少なくなるので、原則一般車両は通行止めにして、バスのみを通しているんです。穴に落ちないようにゆっくり慎重に運転してもらっています」
 
確かに筆者が取材した時も、バスが通る時のみ通行止めを解除していた。急角度の曲がり角を工事現場ギリッギリに右折するバスを見て、技だ!と思った。
 


ギリッギリのところを慎重に曲がるバス

 
現場監督は「もちろん、なるべく昼間に工事したいのはやまやまなんですが、あの場所の場合バス停とバス停との間に迂回路が作れないため、やむなく夜間に工事するしかないのです」と申し訳なさそうに言う。
 
交通量、迂回路、その他諸々の事情でどうしても昼間出来ない場所が生じてしまう、それは仕方ないことだろう。でも、事情が分からない近隣住民などからのクレームはないのだろうか?
 
「ここではほとんどないです。できるだけ機材の出し入れの音や作業員の話し声を抑えるなどの注意を心がけています。けれども、まったく音を出さないというのは不可能なので、そこはどうか住民の皆様にご理解いただくよう、こうして早めにビラや立て看板での告知なども行っているんです」
 


立て看板下部の表示

 
立て看板には、工事中に近隣住民の生活に影響を与えそうなリスクについても、ていねいに記載されていた(各家庭に配られるビラも同じ)。
 
現場監督が終始申し訳なさげに話されるので、こちらのほうも恐縮してしまった。しかし聞けば、道路事情によっては現状では夜間さえ手を付けられないような場所もあるという。そう思えば、むしろ工事ができるだけでもありがたいと思うべきなのかもしれない。