前横浜市長 中田宏さんを徹底解剖!
ココがキニナル!
『政治家の殺し方』で話題の前横浜市長の中田宏さんってどんな人?
ライター:吉澤 由美子
2002年、横浜市長に就任し、それから2期を務める間に、市の累積借入金を約1兆円も純減させるなど、財政を再建させた前横浜市長の中田宏さん。
市長時代、週刊誌に掲載されたスキャンダル記事は、裁判で事実無根であることが証明された。
中田さんが昨年10月に出版した『政治家の殺し方』(幻冬舎)という本は、改革を行う政治家がいかに激しく理不尽な抵抗にさらされるかを赤裸々に明かしてベストセラーとなっている。
そして、つい最近、橋下徹大阪市長からの要請で大阪市の特別顧問に就任。
今、改めて注目を集めている中田さんに、本にあった衝撃的な横浜市長時代、現在の横浜市政、そして今後の活動などのお話をうかがった。
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※「BusinessMedia 誠」というサイトには、『政治家の殺し方』(幻冬舎)の詳細な抜粋がある。
http://bizmakoto.jp/makoto/articles/1112/20/news008.html
事実無根のスキャンダル
2007年、中田さんは全く身に覚えのない記事を週刊誌に掲載される。
特に悪質だったのは、「強制わいせつ疑惑、公金横領疑惑、市長公務の放棄疑惑」の3つ。
中田さんは「ありえない話」と言い続け、出版社を相手取った名誉棄損訴訟を起こし、2010年10月に「報道された事実は裏付けがない」との判決が裁判所から出る。
こうして記事は事実無根であったことが証明され、中田さんの勝訴となった。
また、慰謝料を請求していた元ホステスが起こした裁判でも、「交際の事実そのものがない」として訴えが棄却されている。
―捏造されたスキャンダルが流れる。本当に恐ろしいことですね
恐ろしいことです。ありえない話で、全く関係ない人から訴えられて、全国に報道されたわけです。僕はその時、最初から「事実無根です」と言っていたけど、政治家がどんなに事実無根だと言っても伝わらなかった。やっぱり政治家は今評価されるということよりも、いつか将来わかってもらえると思って、やるしかないと思いました。
―捏造記事を掲載した講談社が謝罪広告を出したのを、中田さんはツイッターで知ったとか
フォロワーの方のツィートで知りました。私の弁護士が講談社に対して、謝罪文を載せるのはいつかと問い合わせていたのですが、結局知らせはありませんでした。黙って、謝罪文を載せるというのが、大々的に嘘を書いた出版社のやることかと思いましたね。
インタビューが行われたのは、東京都港区にある中田さんが所属するマネジメントオフィス
行政に対してチェックしたり、批判したりというのはマスコミのあるべき姿なんだから、そのためには自分たちの過ちにももっと真摯に向き合うべきだと思います。
―捏造スキャンダルが流れた当時の奥様の反応はいかがでしたか
女房が一番かわいそうだったと思います。私がいろんなこと言われても、女房はわかっているわけですよ、記事が嘘だということを。当時も今もそうだけど、僕の一番の支持者は、間違いなくウチの女房です。
―お子さんに対してはいかがでしたか
「ウチのお父さんが政治家でなければ、こんなことを言われなくて良かったのに」なんて言っていたら、子どもの心は乱れてしまったと思います。だけど女房はそういうことを絶対言わなかった。「お父さんは横浜を変えているから、いろんな人たちから反発があるんだよ。それはお父さんが一生懸命やっている結果だから」って、女房が子どもに言い聞かせてくれたから良かったんです。それは本当に女房のおかげです。
―本に対して、横浜市民からの反応はいかがでしたか
いっぱいきています。感想はふたつですね。
僕が辞めた理由やスキャンダルの真相、裁判の結果を全然知らなかったっていうのがひとつ。
もうひとつは、横浜市の実態を知らなかったというもの。職員が仕事で川崎市に行ったら出張手当が出ていたとか、財政が借金漬けになっていた最大の理由が、オール与党議会にあったことなど、初めて知ったという感想です。