川崎中1殺害事件で責任を認めた川崎市教委が出した最終報告とは?
ココがキニナル!
川崎市の中学1年男子殺害事件で川崎市教育委員会がまとめた再発防止のための検証と最終報告の内容は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
被害者の交友関係を把握できなかったことが主な原因で、再発防止のために警察などとの協力を強化することを確認。市教委も責任を認める
ライター:はまれぽ編集部
「市教委にも責任」
2015(平成27)年2月20日に川崎市の中学1年、上村遼太さん(当時13歳)が殺害された事件をめぐり、川崎市教育委員会は事件の検証と再発防止に向けた最終報告書をまとめた。事件発生から3ヶ月が目前に迫った5月18日に川崎市教委臨時会を開き、市教委検証委員会がまとめた最終報告の内容を承認した。
5月18日に開かれた川崎市教委臨時会
市教委検証委員会は上村さんが事件前に長期間不登校となった状況や上村さんの交友関係を把握できなかったことを踏まえ、上村さんの担任教諭から聞き取りなどを実施。その上で、不登校対策の強化や年内にも警察との連携協定を締結することなどを盛り込んだ。
警察との連携も強化する
不登校対策について、現状は学校のケアが必要な児童生徒を「年間30日以上欠席」としているが「連続7日以上の長期欠席」した児童生徒も対象に加えたほか、欠席している理由や所在確認にも努めるとした。
最終報告書について、川崎市教育委員会の峪正人(たに・まさと)教育委員長は「学校や担任はよくやっていたが、予期せぬ想定外の事件は起きうる。子どもの世界が大人の見えないところで進化しており、これまで通りの手法で接してきた学校とギャップが生まれた」と事件発生の背景を分析。
その上で「子どもたちへの理解が十分でなかった。市教委の責任はあった。すべきことをできていれば、ここまでの結果にはならなかった」と述べた。
市教委にも責任があったと認めた峪教育委員長
さらに渡邊直美(わたなべ・なおみ)教育長は「学校が何をすべきで、何ができなかったかを検証してきた。児童生徒が安全安心な学校生活を送れるよう、教育だけでなく、地域、関係局が一体で再発防止につなげていきたい」と話した。
臨時会の後、報道陣の質問に答える渡邊教育長(左)と峪教育委員長
市教委はこの最終報告書を福田紀彦市長を議長とする川崎市の「庁内対策会議」に提出。
19日に非公開で行われた第5回庁内対策会議を終えた福田市長が会見に応じ「対策を学校任せにしないことが重要。市教委の報告を踏まえ、引き続き緊張感を持って再発防止対策に生かしていきたい」とした。
「緊張感を持って再発防止に取り組む」と福田市長
今後については、市教委の最終報告書を外部の有識者が検討。そこからさらに検討を重ね「夏までに(福田市長)」川崎市としての最終報告を取りまとめる。
取材を終えて
事件から早3ヶ月。上村さんの殺害にかかわった主犯格の少年は「何の落ち度もない13歳の被害者の生命を奪ったという結果は重大であり、被害者の無念さや残された遺族の悲しみ、喪失感は察するにあまりある。さらに、社会に与えた影響は極めて大きい」などとして殺人など、残る2人も傷害致死の非行内容で5月12日に横浜家庭裁判所が検察官送致を決めた。
「何の落ち度もなく」その命を奪われた上村さん
亡くなった命は戻ってこない。
再発防止策は、二度とこのような悲劇を繰り返さないためのものであってほしいと切に願う。
―終わり―
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ももたろうさん
2015年07月06日 10時58分
他の事件でも言われているように、未成年の飲酒喫煙を許し見てみぬふりをしていた親と大人の責任を私は追求したい。
tenruさん
2015年06月19日 01時22分
鶴見の紳士さんもおっしゃってますが、横浜の鶴見の方が酷いと思います。報道はされませんが、現に鶴見川での少年殺人も起こってしまっているし反省の意を表す川崎のほうがまともかも。
tokusannさん
2015年05月21日 11時06分
無残な犠牲が出た後で、周辺の大人は反省の弁多数ある、少し考えて見よう、個人情報保護(場合によって非常に重要)過剰に意識していないか、関係者諸兄一番嫌がる監視カメラの設置と、画像解析員の常駐、町外れに向かう不信な少年の一段、気がつけば防げた、この場合個人行動が専門家の目にさらされる、このくらい厳しくやらねば地域の協力だけでは、無理再発防止は出来ません(担当の先生お気の毒です、亡くなった命、無限の可能性を持って居たかもしれない、残念でしたね)我々は貴方を責めません