都筑区に横浜で唯一のイスラム教モスクがある!?
ココがキニナル!
都筑区に横浜では唯一のイスラム教のモスクがあるそうです。ぜひ訪ねて、イスラム文化の様子をレポートして欲しいです!(MRハニーさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
イスラム教は日本ではあまり馴染みがないが、イスラム教徒の方々にお話を伺うと昔の日本人のように人と人との結びつきを大事にする文化だった!
ライター:松宮 史佳
六信五行
イスラム教は六信五行(6つの信じるものと5つの義務)から成り立っている。(カラー版徹底図解 世界の宗教)
六信
1アッラー(神) 唯一絶対の神
2天使(マラク) アッラーのメッセージを預言者に伝える
3啓典(キターフ) 神が天使を通じて人類に下した啓示。「新約聖書」と「旧約聖書」も含むが「クルアーン」が完全なものと考えられる
4預言者(ナビー) 神の意図を人類に伝える存在
5来世(アーヒラ) 現世の活動における報いの場として最後の日の審判の到来を信じること
6.予定(カダル) すべてのことはアッラーの意志により起こると信じること
五行
1.信仰告白(シャハーダ) “アッラーの他に神はなく、ムハムンドはアッラーの使徒である」と唱える
2.礼拝(サラート) 日の出前、正午過ぎ、日没前、日没後、就寝前の1日5回メッカの方角に向かい礼拝をおこなう
礼拝の時刻を知らせる時計
礼拝前に手や口を清める(ウドゥー)場:(男性用) (女性用) |
礼拝を行う場(男性用は2階) | 女性用は1階にある |
3.断食(サウム) イスラム暦9月の1ヶ月間、日の出から日没まで一切の飲食を断つ
断食明けには皆で食事を行うことも
4.喜捨(ザカート) 貧困者のために収入や貯蓄など、年間に個人資産の2.5%を寄付する
5巡礼(ハッジ) 一生に一度メッカのクァバ神殿に巡礼する
六信五行のお話を伺い、アルタフさんに質問する松宮。「もし五行を怠ったらどうするのか」と尋ねる。すると、「断食などは誰も見ていないところで水を飲んでもばれるわけではないが、自分の意志で飲まない。アッラーが見ているから」とアルタフさん。
病気の場合、「礼拝や断食は病気が治ってから行ってもOK」なんだそうだ。「ザカートは経済的にゆとりがある人だけ寄付を行う」とのこと。また、お金がなかったり、病気でメッカに行けない人は「自分ができること(礼拝など)を実際に行えばよい」とのこと。
また、「断食中はお腹が空かないのか」と尋ねると、アッラーへの帰依を示し、食べられない貧しい者の気持ちを理解するために行っているので、「お腹は空かない」とのこと。それに、「日の出から日の入りまでなので、ずっと断食なわけではない」そうだ。
以前、アルタフさん達は日吉のマンションに集まり礼拝を行っていたが、人数が増えたため他の場所を探していたところ、たまたま都筑区に土地が見つかり、2006年12月に「ジャーメ・マスジド横浜」を建設。
モスク建設の資金は「半年で1億4千万もの寄付金が集まった」とのこと。「困っている人を助け、皆で協力し合うのがイスラム教の教え」なんだそうだ。
と、ここで歌&呪文のような男性の声が流れる。神秘的で美しい音色を聴くと、一気にメッカのあるサウジアラビアにいるような錯覚を起こす。
驚いていると、「これはアザーンという礼拝への呼びかけ」とアスタフさんが教えてくれる。「…そういえば女性のイスラム教徒は?!」と伺うと、「GWに入ってしまったので、女性は今日は来ないです」とアルタフさん。「えー!」と松宮。「明日親子勉強会があるので皆来ますよ」…聞いたからには行くしかない!
イスラム教徒の方々にインタビュー
翌日の土曜日。再び、「ジャーメ・マスジド横浜」へ。
靴箱にはかわいらしい靴が
中へ入ると、ヒジャーフ(スカーフ)を付けた女性が5人、子供達が8人ほど。よく見ると女性は全員日本の方。こちらの連絡がうまく行き届かず、取材に来るのを全く知らなかったそうだが、撮影と取材に快くご協力してくださる。
「ジャーメ・マスジド横浜」では、毎週土曜日に子供のための勉強会を行っているそうだ。
「女性のイスラム教徒の写真撮影は難しい」ということで子供達を撮影させていただいた
イスラム教についての絵本 日本語の絵本はないので英語版を使用
皆さんは「イスラム教徒の方と結婚し、イスラム教に改宗された」とのこと。
イスラム教徒(男性)と結婚する場合、同じ一神教であるキリスト教徒やユダヤ教徒は結婚が許されるが、それ以外の信者の場合、改宗する必要がある。(内藤正典:イスラムの真実と世界平和)
「ジャーメ・マスジド横浜」に通う日本人は、横浜や川崎などから多い時で20人ほど。断食期間中には「(日本人も含め)350人ほどのイスラム教徒が集まる」という。
「日本人とイスラム教徒の違い」を伺うと、意外と日本人とイスラム教徒は似ているところがあり、「イスラム教徒は昔の日本人に近い」とお母さんの1人が答えてくれる。イスラム教徒は「困っている人を助け、皆で協力し合うという感じ」なのだそうだ。
と、ここでアザーフが流れる。
急遽友人から借りたショールを被り、部屋の外から礼拝を見学
静かに礼拝を見ていると、なんだが神聖な気持ちになる。
礼拝後、皆でお菓子をいただく。
栄養価が高く、断食明けによく食べるというナツメヤシは干し柿のような味わい
イスラム教では、豚肉やその加工品、肉食動物(爪で食べ物を引き裂くもの)、適切に屑殺する前に死んだ動物すべて、血、アルコールや酩酊飲料すべてが禁止されている。
お菓子はメーカーのお客様相談室に電話をして成分を確認しているそうだ
そのほか、食べることが許可されている鶏、アヒルなどもイスラム教徒が祈りを唱えながら食肉処理をしたものでなくてはならない。
イスラム教に添った給食の対応をしてくれる学校は少ないため、「子供が学校に上がるとお弁当を持たせるお母さんが多い」とのこと。ご主人の国に住み、子供を育てるという人もいるが、「ここに来ている人は日本で頑張りたいと思っているので移住は考えていない」と幼稚園児を持つお母さんは答えてくれた。
取材を終えて
未知の世界だったイスラム教だが、実際にイスラム教徒の方にお話を伺うと、とても親切で結束力が固く、アットホームな感じだった。市販の食べ物で食べられないものがあるからこそ、「頑張って作ろうと思う」と答えてくれたお母さんのお話が印象に残った。
―終わり―
ootaharaさん
2012年05月08日 11時43分
日本には倍返し、3倍返しという考え方がありますが、イスラム教は等倍返ししか認めていないと聞いた事があります。報復のエスカレーションを防ぐ良い考え方だと思いました。