アンデスメロンを開発したサカタのタネってどんな会社?
ココがキニナル!
アンデスメロンを開発したサカタのタネは、ほかにも多くの野菜や果物の品種を開発しているそうですが、どんなものがあるのかレポートしてください。(hiwochanさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
2013年に創業100周年を迎えるサカタのタネ。創業者・坂田武雄の情熱を受け継ぎ、さまざまな花や野菜の品種の研究開発に取り組んでいる。
ライター:ほしば あずみ
サカタのタネ100年の歴史とは?(続き)
創業当初はユリの球根や苗木の輸出を手がけていた。その後種子の販売を始め、1921(大正10)年には日本初の発芽試験室を設けている。
画期的だったのは、完全八重咲きペチュニアの開発だ。1934(昭和9)年、一重と八重が混ざり合う不完全なものしかなかったペチュニアを世界で初めて完全八重咲きにし、園芸業界で最も権威ある業界団体の一つ、「オール・アメリカ・セレクションズ(AAS:全米審査会)」で初入賞。世界を驚かせた。
完全八重咲き「ビクトリアス ミックス」は世界各国から注文が殺到した
創業当初から世界へ目を向けていた坂田武雄氏。その精神は会社全体に行きわたり、研究熱心さも受け継がれている。従業員1850人のうち約20%が研究スタッフ、国内外8ヶ国14ヶ所の研究機関で世界中の民族や地域の野菜ニーズに合わせた育種に取り組んでいるのだ。
どんな品種を開発しているの?
種苗といえば、一般的にはガーデニングや家庭菜園などの趣味家用を思い浮かべがちだが、売上の大半を占めるのは国内外あわせ生産者用。我々は意識しないうちに、サカタのタネが開発した花を見かけ、野菜を食べている事になる。
まるで青いバラのようなトルコギキョウ「ロジーナ ブルー(Ver.2)」
世界シェア75%のトルコギキョウは、今やブーケやフラワーアレンジメントに欠かせない花の一つ。本来一重だったこの花を、サカタのタネはバラに近づけバラを超える品目にするべく40年育種を続けている。
花もちの良さからブライダルシーンでの需要が高い
(arranged byLouren BORNICHEfrom HANA FLORIST)
サカタのタネが世界中でもっとも多くの種子を販売しているのはブロッコリー
「ブロッコリーは世界シェア50%以上。したがって、きっとみなさんが食べるブロッコリーは国産でも輸入でも、2回に1回は当社の品種という事になります」
と語る淡野課長の言葉は決して大げさなものではないのだ。
「私たちは品種の開発を、『品種改良』ではなく『品種育成』と呼んでいます。品種は作り育てるもの。育成には長い年月(最低10~15年)がかかるので、10年後、20年後の社会情勢なども見据える必要があります」
社会情勢を読み育種に取り組んだ例、サンパチェンス。2005(平成17)年発表
「サンパチェンスは地球温暖化という言葉が世間で聞かれはじめ、夏の暑さに耐え、長く花を咲かせる花壇用の花が必要になるのではと開発されました。温暖化なんて当初ブリーダー(育種者)たちも半信半疑でしたが、温室効果ガス(二酸化炭素 <CO2>など)の削減を定める京都議定書が1997(平成9)年に採択されるなど、世界の流れは環境問題に取り組むようになりました」
実はサンパチェンスは、CO?を従来園芸植物の4~6倍吸収する事がわかった。さらに水質を浄化したり、高い水分蒸散能力で周囲の温度を下げる「打ち水効果」もあると判明し、環境浄化植物として注目を浴びている。
未来を見据えた研究が時代のニーズに答えたサンパチェンス。温暖化で影響を受けるのは花だけではない。むしろ野菜は食糧問題にも直結する。育てやすく病気に強い品種を求め、今後も研究開発は進む。
まとめ
創業以来、横浜にあり続けるサカタのタネ。横浜が世界に誇る企業の一つである。
サカタのタネは先日3月15日に、100周年を記念して直営店ガーデンセンター横浜をリニューアルオープンした。
日本の園芸店の先駆けとして60年以上営業している(神奈川区桐畑)
開放的なガラス屋根の下で天候を問わず買い物を楽しめる
横浜ビールとコラボレーションし、地場の食材やサカタのタネの品種にこだわったカフェ「GREEN BONDS CAFE -yokohama-(グリーンボンズカフェ・ヨコハマ)」や、常設の青果売場「サカタマルシェ」も登場し、園芸の新たな楽しみを横浜から発信したいと意気込んでいる。
地場野菜や地場の加工品が揃うサカタマルシェ
サカタのタネの「王様トマト」カレー(850円)
横浜リーフシチューパイ(980円)
小さなタネの大きな力に、野菜を食べながら思いを馳せてみてはいかがだろう。
―終わり―
◆サカタのタネ「ガーデンセンター横浜」
住所/神奈川県横浜市神奈川区桐畑2
電話番号/045-321-3744
営業時間/平日 午前10:00~午後6:30
土・日・祝日 午前10:00~午後6:30
はまっこ61号さん
2014年10月27日 02時56分
昔関内に「サカタのタネ・ガーデンセンター」という店があって、ちいさな鉄の門を開けてはいるとお花がいっぱいの小さな庭のようになっていて、母に連れられてよく遊びにいったことを思い出します。オフィス街の中のオアシスのような感じでした。三島由紀夫の小説「午後の曳航」の中にも出てきます。これからもきれいなお花をたくさん作ってほしいな。
ushinさん
2013年03月27日 17時47分
これは知らなかった!青木橋の先の線路際で見かける有名な会社だが、単に「種を売っている」というだけでない、すごい会社だったんですね。
とうさんさん
2013年03月27日 11時12分
さかたのタネの真の凄いところは、タネの発芽率の高さなんですね~