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お隣?音鳴り?知る人ぞ知る瀬谷区にある音が鳴る橋「赤関おとなり橋」の正体は?

ココがキニナル!

瀬谷区和泉川に架かる赤関おとなり橋は、本当に音が鳴る?一人だけ「音を鳴らして願うとかなう」と言っていたが、何のために音が鳴るの?( あっくんしょうちゃんさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「赤関おとなり橋」は、橋は人と川が出会う楽しい場所であってほしいという発想から作られ、音が鳴るのは橋に来るのを楽しんでもらうため

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ライター:橘 アリー

どのような音がするのか?


 


円盤のようなものは全部で8個もある


音が鳴る円盤のようなものは、1本の親柱に2個ずつで、全部で8個。金属で作られているようだ。

“鳴らして願うとかなう”のが本当なのか定かではないが、せっかくなので、願い事をしながら鳴らしてみることに。
ちなみに、願い事は、“はまれぽ”に関係のあること・・・!


「おとなり橋」の音が鳴る様子
Youtubeにリンクしています>


この円盤のようなものは何なのか? そして、何のためにあるのだろうか?
川沿いの歩道は、けっこう人通りがあったので、橋の横を通りがかった人、21人に聞いてみた。
 


橋の周辺には畑もあり、のどかな風景である


すると、キニナル投稿にもあるように、どなたも、「何故、何のために音が鳴るのか」ご存じないようであった。
橋の名前の由来についても、ほとんどの方が「何も分からない」というお返事であったが、お一人だけ、橋の名前の意味を聞いたことがある、という方がいた。
 


散歩途中だった石井さんと、愛犬のルナちゃん


石井さんによると、「おとなり」という名前は「音が鳴る」ではなく「隣どうし」と言う意味でつけられたのだそう。
この橋は数年前に架け替えられたもので、その架け替え前の橋にも親柱に“音が鳴るもの”が付いていたが、それ以前の橋にはそのようなものはなかったとか。

なお、“音を鳴らして願うと叶う”ということについて知っているという方はいなかった。

では、橋の名前の由来は「お隣り」だったのに、なぜ橋を架け替えたときに“音が鳴るもの”を付け、「音鳴り」とかけたように思わせるようなことをしたのだろうか?

この橋が一体どのような目的で架けられ、どういう経緯で「おとなり橋」になったのか名前の由来を尋ねに橋梁(きょうりょう)課に話を伺うことに。
 


現在の橋は二代目「おとなり橋」!?



今回も、取材で度々お世話になっている、横浜市道路局建設部橋梁課の松本誠さんにお話を伺った。

松本さんによると、橋で出会った石井さんの言っていたとおり、現在の「赤関おとなり橋」は二代目の橋なのだそう。
 


左が初代の橋で右が二代目の橋(橋梁課資料より)


初代の「赤関おとなり橋」は、和泉川の護岸工事に伴い、現在のような“音が鳴る”設備はついていない、決まった名前もなかったごく普通の橋を、1989(平成元)年に架け替えて誕生。そして、2013(平成23)年に再度架け替えられ、二代目「赤関おとなり橋」ができた。

初代の橋が木製だったため橋の腐食が進んだという経緯があったため、二代目である現在の「赤関おとなり橋」は、耐久性を良くするために、橋の桁の部分には木材ではなく角型鋼管(長方形の角パイプ)が使われていて、桟や手すり柱などは、大桟橋と同じ耐久性のよいウッドデッキ材であるイペ材(IPE材)が使われているとのこと。
 


腐食した様子の初代の橋(橋梁課資料より)


橋についている円盤のような音が鳴る設備は、“鳴り車”という名前なのだそう。

「赤関おとなり橋」について、二代目である、ということだけは分かったが、橋梁課は初代の「赤関おとなり橋」が完成してから管理を引き継いでいるので、名前の由来や設計された当時のことは分からないとのこと。

そこで、「赤関おとなり橋」の設計を行った方を紹介していただいた。
 


「おとなり橋」は地元の小学生が名付け親!?



橋梁課で紹介していただいたのは、株式会社吉村伸一流域計画室の代表取締役である、吉村伸一さんである。
吉村さんは、初代の「赤関おとなり橋」が架けられた当時、横浜市の職員として橋の計画に携わり、二代目の橋の時は自ら設計。「橋は人々が川と出会う場所。川との出会いを大切にするために、楽しいものにしたい」というコンセプトに行われた。
 


吉村伸一さん。お忙しい中、快く取材に応じて下さった。


さっそく、「赤関おとなり橋」の名前の由来について伺った。
すると、この「おとなり橋」という名前は、1989(平成元)年、横浜市の事業地域整備と一体となった河川改修「ふるさとの川モデル事業」の一環として橋の架け替えが行われた際、付近にあった原小学校に橋の名前を公募し、生徒たちによってつけられたのだそう。
 


橋の名前を公募した当時の資料


公募数322の中から、「おとなり橋」という名前が選ばれたのは、橋に音がなる“鳴り車”が付いているというから、という理由がまず一つ。そして、阿久和東にある原小学校と、阿久和南にある近くの阿久和小学校はそれぞれお隣どうし橋を渡って遊びに行く、という意味合いが込められているから、という二つの理由からなのだそう。橋で出逢った石井さんの言っていたことも正しかったようだ。
 


橋の完成を祝ってこのような、下敷きも作られた


「おとなり橋」の名前を付けた生徒たちには、当時の瀬谷区長から「名付証」が贈られた。

“鳴り車”がついている理由については、初代の橋のデザインも手がけた「農村・都市計画研究所」の橋本忠美さんが、「橋を渡る時に、子どもたちに感動を与えることができれば」という想いで取り組んだ。そして、架替えの際、子どもたちが川の近くでどのような遊び場を求めているのかアンケートを行い、広場のような遊び場を求めているのだと分かった。それで、橋を渡る時に楽しめるようにということで、“鳴り車”を付けたそうである。

これで「おとなり」という名前の由来・意味は分かったが、「おとなり」の前に付いている「赤関」とはどういう意味で、「おとなり橋」になる前には何と呼ばれていたのだろうか?
 


1989(平成元)年以前は赤関橋!?



「赤関」については、意外な理由があった。初代の橋が誕生した際に子どもたちが「おとなり橋」と名付けたところで、この橋は「おとなり橋」となる筈だったが、それを聞いた地元の当時90代になられる方から、「あの橋は昔から赤関橋と呼んでいた! 勝手に名前を変えるな!」とお叱りを受けたのだそう。ちなみに「赤関」とは、橋があるこの地元の字名である。

そこで、役所と地元の方と話し合いを行い、「赤関おとなり橋」という名前にすることで解決した。

ちなみに、“鳴り車”の中に入っているのは硬質のプラスチックで、金属の種類は、燐青銅、亜鉛合金 、黄銅合金、ステンレス銅、鼠鋳鉄(ねずみちゅうてつ)、球状黒鉛鋳鉄、アルミニウム合金当時の7種類。“鳴り車”作りを発注した工場で作ることができるのが前述した7種類だったからなのだそう。

「赤関おとなり橋」の8ヶ所の「おとなり」データを下記にまとめてみた。


遊歩道側(畑やバスの待機所側)

橋の左側(上)

燐青銅
橋の右側(上)

亜鉛合金
橋の左側(下)

鼠鋳鉄
Youtube
橋の右側(下)

鼠鋳鉄
Youtube

 
反対側

橋の左側(上)

黄銅合金
橋の右側(上)

ステンレス銅
橋の左側(下)

球状黒鉛鋳鉄
Youtube
橋の右側(下)

アルミニウム合金
Youtube
 
 

最後に、キニナル投稿に「音を鳴らして願うとかなう」という内容があったので、それについて吉村さんに聞いてみた。

すると、“鳴り車”は、神社にある“回しながら願い事をする石材”が発想の元になっているので、そこから“回して音を鳴らすとかなう”という発想が来ているのではないか、とのことだった。
 


取材を終えて



様々な人の想いや尽力によって、「赤関おとなり橋」は、現在も風情のある姿を保って地域で親しまれている。
そんな「赤関おとなり橋」であるから、“鳴り車”を回して願いごとをしてみるのも良いものだ。
筆者も、願いごとしてきたので、それがかなうかどうかが楽しみだ。願いごとは・・・叶ったらみなさんにひっそりとお伝えしようと思う。
 

 
―終わり―
 
吉村さんHPhttp://www.engineer-architect.jp/member/list/127/

赤関おとなり橋
横浜市瀬谷区宮沢3-40付近

 

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  • 防災情報を調べていてこのページにたどり着きました。赤関おとなり橋は横浜市の水位情報の計測地点になっていてなんと5分ごとに水位が調べられているそうです。Googleの地図にそんな大切な橋の名前が出ておらずどこにあるのだろうかと調べていてここのページにたどり着きました。様々な人の願いが込められたこの橋についてのリポートたいへん興味深く読ませていただきました。ありがとうございます。

  • http://hamarepo.com/kininaru.php?id=7738 元の投稿文を読めば分かるかと。タイトルは、ちょっと端折りすぎでは? さて、折衷案とはいえ名称は「赤関おとなり橋」でよかったのでは?「おとなり橋」だと「お隣の橋」と勘違いされそう。(特にタクシー)

  • 泉川は子供たちとの散歩コースでした。懐かしくもあり嬉しくもあります。取材ご苦労様でした。

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