誰も使っていない? 中原区役所前にある受話器が2つある変な公衆電話 「デュエットフォン」の正体は?
ココがキニナル!
川崎市の中原区役所の近くにあった、受話器が2つある公衆電話は、今も残っている? 2つある理由は?(haipaiさんのキニナル)デュエットフォンらしいですが、使ってる人は?(戦闘員94さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
月平均1772円分の公衆電話使用料があり、電話として実際に使われていることは分かったが、「三者同時通話」として活用されているか否かは不明
ライター:楪 ゆう子
デュエットフォンは中原区のシンボル的な存在!
小澤さん(左)と石島さん
こうした取材は意外と多いという
このデュエットフォン、本当に使ってる人はいるんでしょうか?
「月々の公衆電話使用代金の明細から、現在でも月平均1,772円分ほどの利用があることは分かっています。ただし、それが三者通話としての使用なのか、二者通話なのかを判断することはできません」
おぉ、何気にそんなにあるの? と一瞬感心してしまったが、あの通話可能分数ならば人数はごく若干名。
「ふれあいの樹は、1990(平成2)年に中原区役所に設置されてから20年以上経過し、老朽化が進んでいるため、扉などの修繕費を含めたメンテナンス代にも多額の費用がかかることや、デュエットフォン自体の利用頻度が低く収益面からも厳しいということから、NTTから撤去する話が毎年きているんです」
とはいえ、デュエットフォンにかかる費用は、川崎市民の住民税から支払われているのでは?
「いえ、違います。電気代は区役所ですが、デュエットフォンと電話ボックスの維持費や修理費は全部NTTさん持ちです。公衆電話は区の所有物ではありませんので・・・」
恨みのテレホンカード口
さらに、限定モデルのデュエットフォンは代替機の用意や部品交換も困難であるとはNTT談。テレホンカード挿入口の故障がガムテープで塞がれただけの状態で放置されているのも、電話ボックスに設置されていた時計が故障した際、「ロジーちゃんマーク」を上からかぶせて隠すのみに留まっているのも、修理が困難な事情によるのだとのこと。
壊れた時計にかぶせてあるだけと知るとものがなしい
それでもやはり、あんなに珍しく楽しいアイテムが撤去されてしまうのはもったいなさ過ぎる。中原区役所としてはどう考えているのか?
「ふれあいの樹とデュエットフォンは、市民の語らいの場であり、憩いの場として位置付けています。また、このたびの取材もそうですが、TVや情報誌で取り上げられて紹介されるなど、昨今では中原区のシンボル的な存在です。さらに、中原区役所は災害時には避難所、および災害対策本部としての機能を担うため、緊急連絡用としての公衆電話が継続的に必要だと考えています」
今後もNTTに継続の依頼を続ける意向である。
ならば、普段の利用率を上げて収益を増やすため、NTTと区が協働して大きくPRしていけばよいのではないだろうか? そもそもの始まりは、中原区区政推進事業と電話100周年記念共同事業だったのだから。NTTとしてはテレホンカードが使えない状態の公衆電話を積極的に広報するのは難しいとの考えもあるようだが、むしろ企業努力で修理を成功させていただきたい。
区役所の隣にNTT東日本川崎北支店が
なにしろ、2013(平成25)年11月に、島根県津和野町乙女峠のデュエットフォンが、老朽化のため片方の受話器が不通となった際、NTT西日本の計らいで2014年1月に復活したという例もある。
レトロなたたずまいが魅力的な乙女峠のデュエットフォン(提供/津和野町観光協会)
やはり故障した部品は製造中止となっており、NTTは一時撤去を検討したものの、昨夏の記録的豪雨からの復興を支援しようと代用部品を準備して修理。町観光協会は、メインストリートである殿町通りの掘割を泳ぐ鯉にちなんで、「iPhone」ならぬ、“恋フォン”としてデュエットフォンをPR、「恋愛の聖地」として再び売り出す方針だという。 (2014年02月16日発行『山陰中央新報』より)
西にできて東にできないことはない。ぜひ修理で万全の態勢を整え、デュエットフォンを中原区の「恋愛パワースポット」などとPRし、残していってほしい。
筆者自身、現地に赴き「ふたりで」かけてみるまでは、使用感がイメージできなかったが、実際にやってみると相方さえいれば相当楽しい通話方法であることが分かったので、これからも応援していきたいし、読者にも体験することをおすすめする。
でも、テレホンカードは買っちゃダメ!
取材を終えて
デュエットフォンが、いつかは撤去の運命を辿るであろう激レアな公共物であることがわかった。また 、「三者通話」がなされているかどうかは不明だが、「公衆電話」として実際に利用している人がいることも判明した。
ファミリーで田舎の祖父母に電話するもよし、恋愛パワースポットの「恋フォン」としてもお試しあれ。文字が残るメール・LINEで告白するよりも、震える指先でプッシュボタンをピッポッパ、発すれば消える声と言葉に想いをのせて、Let’sラブコール!
(*浮気や不倫の修羅場トークにも快適にご利用いただけます)
どうかこれ以上故障することなく、中原区の珍スポットとして愛され続ける存在でいてほしい。
―終わり―
川崎市中原区役所
http://www.city.kawasaki.jp/nakahara/
公衆電話インフォメーション
https://www.ntt-east.co.jp/ptd/
マイクハマーさん
2014年11月06日 08時07分
NTT側の撤去したいという気持ちも分からないではないですが、個人的には残してほしいという気持ちですね、ランドマーク的存在、災害時の役割など残す理由も多少あるため現存出来ているのでしょう。しかしNTTの対応は残念ですね、代替機はないかもしれませんが部品がないってのは信じがたい、撤去されてくる他の電話機はある訳で、その中にはカード読み取りユニットが健全な物もあるでしょう、交換作業じたいは大した作業ではない、現場で出来る程度のもののはず、ようはNTTのやる気しだいでしょう。
雲葉 @since1992さん
2014年10月25日 13時36分
同時通話用の部品確保が困難なのは理解できるとしても、テレカのリーダー部分が修理できないとは解せません。では他のカード電話機も故障したら使用不可になるの?市内や周辺地域が通話先なら、プランにもよりますけどケータイより安いし重宝するんですよね。
ペテン師さん
2014年10月24日 20時46分
取材のためなら、わざわざ貼ってあるテープ剥がしていいのでしょうか? なんでもありなんであすかぁ??