バリエーション多彩! 横浜にある七福神を完全網羅! vol.4
ココがキニナル!
この間野毛の成田山で七福神を見かけました。横浜市に七福神はいくつあるのでしょうか。気になります(tokuさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜にある七福神は全部で9つ! 各エリアや寺社ごとに、個性豊かな七福神めぐり。最終回の第4回は磯子・戸塚編!
ライター:一藁 雅之
戸塚七福神をめぐる!
最後は、箱根駅伝のコースも通る戸塚エリア!
戸塚七福神はもっとも新しく、2014(平成26)年にできたばかりの「日本一新しい七福神」。近隣の鶴見区で七福神めぐりが始まったことをきっかけに「東海道五十三次のなかでも大きな宿場町、戸塚にもぜひ」という声が高まったという。
その後、歴史の会、戸塚町仏会、観光協会などが中心に、戸塚宿七福神推進委員会・運営委員会を立ち上げ、戸塚宿の七福神がスタートしたのだそう。
北から順に宝蔵院(ほうぞういん)、妙秀寺(みょうしゅうじ)、来迎寺(らいこうじ)、雲林寺(うんりんじ)、清源院(せいげんいん)、高松寺(こうしょ うじ)、海蔵院(かいぞういん)、親縁寺(しんねんじ)。毘沙門天が清源院と宝蔵院の2ヶ所にあり、合計8つの寺院をめぐることとなる。
ある程度、まとまっているのが特徴
まずはじめは宝蔵院の毘沙門天からスタート!
戸塚区吉田町935。戸塚駅からバス約3分
多くの仏様たちの中に毘沙門天も鎮座している。ものすごい迫力だ
宝蔵院のウェブサイトによると「みんなの寺」として、カルチャー教室やライブイベントなどを行い、地域社会に開かれた場所にすることをめざしている。「感動の寺」「伝説の寺」として行っている個性的な活動にも注目だ。
2ヶ所目は江戸時代の謎を呼ぶ妙秀寺の弁財天。
戸塚区吉田町1034。戸塚駅から徒歩約12分
新設された戸塚七福神の中でも、ひときわ歴史と畏敬を感じさせる弁天様
境内には「かまくらみち」の道標がある。これが歌川広重の「東海道五十三次」に描かれたものではないかという説があり、今も戸塚の謎となっているようだ。
3ヶ所目は子宝祈願で知られる来迎寺の寿老人。
戸塚区矢部町947。戸塚駅から徒歩約20分
戸塚七福神そのものの長寿も祈念しておこう
寿老人さまの功徳があるほかにも、ここは子授けの御利益を持つ「子育て呑竜(どんりゅう)」が創建した寺で、子宝祈願をする夫婦が多く参拝したとの伝承がある。
4ヶ所目はどこか遊び心のある雲林寺の恵比寿様。
戸塚区矢部町788。戸塚駅から徒歩約15分
およそ3メートル以上の長竿を持っている
お寺の方いわく「長ければ長い方が良いと思って」とのこと。
北条政子が源頼朝の供養のために開基した寺で、柳の木でつくられたという本尊の阿弥陀如来像あるのだとか。
遊び心か個性的な像もちらほら
5ヶ所目は徳川の葵が映える清源院の毘沙門天。
戸塚区戸塚町4907。戸塚駅から徒歩約5分
檀家さんから寄贈された毘沙門天
徳川家康の側室・おまんの方が、家康から授けられた阿弥陀仏を安置するために再興した寺。江戸時代、東海道を行き交う大名行列は、この清源院を通る時は槍を寝かせて進んだという。
6ヶ所目は多くの歌人が眠る高松寺の大黒天。
戸塚区戸塚町4846。戸塚駅から徒歩約10分
本堂は工事中だったので見事な山門を撮影
大黒天様の隣にいるのは、移設中の六地蔵のうち3体
横浜市の指定文化財である「仏涅槃(ぶつねはん)図」と「雲岫和尚(うんしゅうおしょう)像」を所蔵。戸塚在住の歌人や俳人の墓が多くあるという。
7ヶ所目は緑豊かな海蔵院の布袋尊。
戸塚区戸塚町4213。戸塚駅から徒歩約12分
布袋様のそばは「歩の不安自信に変へる福詣」とのありがたい俳句が
比較的緑が多く、静かで安らぎのある佇まいが魅力。また資料によるとこちらの梵鐘は「戸塚十勝」の一つ。昭和40年代初期までは、夕べの時の鐘として人々に親しまれていたようだ。
最後は「花の寺」とも呼ばれる親縁寺の福禄寿。
戸塚区戸塚町464。戸塚駅から徒歩約15分
花も緑も自然豊かな境内だ
年中、どこかに花が咲いており「花の寺」としても親しまれている。また住職によると、宗派を問わず葬儀で使える「親縁寺テンプル斎場」を併設しているため、横浜市周辺で広く知られているようだ。
以上が戸塚の七福神めぐり。全行程は約10km。3時間程度で回ることができる。高齢者でも気軽に参加できるように、高低差が少なく歩道の多いコースにしたという。
箱根駅伝のコースにもなっている戸塚の東海道。応援がてら訪ねてみるのも良いだろう。
取材を終えて
これで磯子・戸塚も含め、すべての七福神を紹介できたことになる。今回はやむをえず非公開とさせていただいた寺社もあるが、ぜひ正月にご自身の目で確認してもらいたい。
七福神めぐりを通じてその土地の風土、歴史、文化などを知る縁にもなる。ご利益を得たいという本心はあって当然だが、ひろくゆとりのある心持ちでめぐると、人それぞれ新たな発見が得られるだろう。
最後になってしまうが、ご多用のなか協力いただいた各寺社に改めて感謝だ。何かのめぐりあわせで恩返しできるよう、精進していくことを新年の誓いとする。
―終わり―
IZ12さん
2015年01月01日 10時49分
磯子七福神は、お正月は七福神巡りで色紙にスタンプと小さなお札の船(帆)が分けて貰えます。一周で3〜4時間くらい。