2008年の政務調査費返還訴訟で横浜市が上告! その詳細は?
ココがキニナル!
横浜市会の5会派7市議に対して支出された2008年度の政務調査費に関する返還請求訴訟で横浜市が最高裁に上告したけど、いったいどんな内容?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
林文子市長が太田正孝市議に対して175万円を請求するように命じた2015年1月の高裁判決を不服とし、さらなる裁判を求めて上告した
ライター:はまれぽ編集部
さらなる審理を
太田市議は民事訴訟において当事者の一方(今回は横浜市)を勝訴させることで自身の利益を守るために裁判に参加する「補助参加人」という立場であり、判決を受けて太田市議が直ちに返還しなければならないものでない。判決は、あくまでも「林市長は太田市議に175万円返還するように請求しなさい」というものだ。
これまでの流れを振り返ったところで、控訴審判決を踏まえ、太田正孝市議本人に見解を伺った。
過去にもはまれぽの取材に協力いただいた太田市議
太田市議は自身の政務活動を報告するために新聞を発行している。控訴審判決によると、その発行費用として350万円支払っており、郵送費などを含めると約700万円になる。
太田市議が発行する新聞の表面(太田市議のホームページより)
判決では表面は政務報告に使用しているため、目的内使用としたが、裏面については太田市議の後援会の広報・広告記事であるとして認めなかった。
太田市議が発行する新聞の裏面(太田市議のホームページより)
太田市議は「後援会から出資してもらっている裏面の領収書も証拠として提出していて、政務調査費としていない。350万円は表面と郵送代などを含めたもので、その分についても領収書を提出している。しっかりした審理がされていない」と主張している。
しかし、高裁は「350万円は表面のみの費用。裏面の作成費用は後援会から出資してもらっていて、政務調査費に計上していないというが、それを裏付ける証拠が存在せず、説明できる書類もない。表面と郵送費など含めても目的内使用と認められるのは175万円」と指摘。
直接訴えられた立場である横浜市も「『手引き』に基づいた目的内支出であるという、市および太田議員の主張が認められなかったので最高裁の判断を仰ぐ。敗訴部分の破棄を求める」と上告の理由を説明した。
取材を終えて
市民の代表である市議の活動は公にされるべきであるし、われわれ自身が選んだ議員がどのような活動をしているかを広報することは重要だと思う。
ただ、政務調査費(政務活動費)は市民の税金だ。これらがどのように使われていて、それが適正なものかどうかというのは大いに興味がある。
正しい使い方を!
司法がどのような判断をするのか、はなれぽでは今後の動きも追って報告する。
―終わり―
baywatchさん
2015年02月20日 11時59分
社会正義や公正を求めるのは良い事。一方、175万円の返還を求めて争う訴訟にいったい幾らの費用が掛り、それを誰が負担する事になるのかが納税者としては気になるなぁ。
k2kaidouさん
2015年02月20日 11時55分
西宮市では一人の市議の問題を取り上げたら何人も不正を行っている市議が出てきましたが、横浜市も収支を明確にしてクリーンな議会運営を心がけてもらわないと、市議会の信頼が揺らいでしまって関心が薄らいでしまいます。多くのヒトに関心を持ってもらうためにも有意義な記事だと感じました。続報をお願いします。
せいちゃんさん
2015年02月20日 11時47分
こういう問題は新聞とかでは取り上げられているのかもしれないけど、案外と目を通さない。はまレポだから目を通してしまう部分もあります。こういう記事をも(反響は鈍いだろうけど)取り上げてもらえるのは、「はまレポ」が単なるイベント情報誌やネタサイトではなくハマっこ感あふれるメディアだと感じられる部分です。