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のどかな稲村ヶ崎の岸壁にポツンとある穴は戦時中に作られた「銃眼」って本当?

ココがキニナル!

鎌倉の稲村ガ崎の岩壁にある四角い穴がキニナル!どう見ても人工的ですが、やぐらにしては場所と形に違和感が…誰が何の為に、どうやって作ったのしょうか?そして中には一体何が?(さきちさん)

はまれぽ調査結果!

終戦直前に日本軍が作った穴。潜水し機雷を持って敵艦を沈める「伏龍(ふくりゅう)特攻隊」の陣地であり、四角い穴は銃眼で中は立ち入り禁止

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ライター:細野 誠治

礎と特攻を、託して待つ



第二次世界大戦、戦争の時代。
1945(昭和20)年の日本敗戦間際、時の軍部は主戦場を日本本土と捉えていた。海岸線はアメリカ軍上陸の第一歩の地である。相模湾もアメリカ軍上陸の恐れに晒されていた。

そこで日本海軍は稲村ヶ崎に、ある特攻部隊の拠点を作った。
名前は、伏龍(ふくりゅう)特攻部隊  。

ゼロ戦などに代表される、戦艦への特攻を仕掛ける「神風特攻部隊」。
魚雷を操縦し、海上の敵艦目がけて特攻する「回特攻部隊」。
 


特攻と呼ばれる、特別攻撃


そして「伏龍特攻部隊」は潜水服に身を包んで、機雷(爆弾)を持って海底を歩いて進み、海中から敵艦を爆破するという特攻作戦部隊だ。

周知の事実として、特攻をした者は生きて帰ることはない。
そして稲村ヶ崎には、特攻部隊の基地があった。
 


伏龍隊の潜水装備(『海軍伏龍特攻隊』より)
 

左図のように棒の先端に機雷を取り付けて海底を進む(『海軍伏龍特攻隊』より)


では、ここでキニナルの回答を。稲村ヶ崎の岸壁に開けられた四角い穴は、
銃眼なのだ。
「銃眼」とは、銃を敵に向けて構えるために空けられた穴のこと。稲村ヶ崎の岸壁の穴は、機銃と兵士が入り込み、敵を迎え撃つために開けられた穴なのだという。

『海軍伏龍特攻隊』53ページに、穴についての記述があった。
 


53頁14行めに記述(『海軍伏龍特攻隊』より)


抜粋しよう。

鎌倉の稲村ケ崎には伏龍部隊の陣地が構築されていた。岬の腹をえぐり、上を二十五ミリ機関砲台とし、地下の洞窟(海に抜けられる)を伏龍部隊の陣地として、砲台には常時全面によしずを垂らし、海上から発見されないようカモフラージュしていた。地下道中央には八畳ほどの装備室を設け、その先は直接潜水できるよう、斜面通路が波打ち際まで続いていた。
『海軍伏龍特攻隊』より

海軍の、伏龍部隊のものたちが岸壁に穴を掘った。(ページを手繰るが、どのような道具を使用したかは判明しなかった)

稲村ヶ崎の内部は、いくつかの坑道・部屋が作られているという。
また「昔、穴は丸かった」という証言だが、いつ四角い形になったのかは判明しなかった。
 


『海軍伏龍特攻隊』に付随した『米海軍技術調査団“伏龍”極秘レポート』より


巻末には、敗戦後にやって来たアメリカ軍の技術調査団が「伏龍部隊」に非常に興味を持って調べていた、と書かれていた。
 


当時の伏龍部隊員による再現スケッチ(『海軍伏龍特攻隊』より)
 

こちらはアメリカ海軍技術調査団が起こした図(『海軍伏龍特攻隊』より)


やがて終戦。伏龍部隊は、実際には“出撃”はしなかった。
稲村ヶ崎の銃眼の穴も、使われることはなかった。
しかし、読み進めていくと海軍のあった横須賀を中心に、いくつかの基地で訓練中に部隊員数人が命を落としたと書かれていた。



吹き晒されて、風塵を待つ



何てことだ。

図書館を後にしてもう一度、稲村ヶ崎へ。
 


打ち寄せる波に遮られ、「その場」まで行くことができない


「その場」に身を置いて、自分は何を思うか? 「その場」から見える海は、どうだろう。

もう一度、鎌倉市役所に電話をしてみる。
「稲村ヶ崎の岸壁の穴に、入らせてもらえないでしょうか?」

鎌倉市役所の返事は「できません」。

理由は、落石や崩落の危険があるため。そして稲村ヶ崎は、国に指定された「史跡」であるため。
 


史跡、稲村ヶ崎


行き止まりのような結末で、取材が終わった。

戦争は、いやだ。

誤解のないよう言わせてもらえば、こんな言葉さえ空虚だ。
海に背を向けて岸壁を掘って、掘って。振り向いたその先にあるのが遠浅の、すごくキレイな海。

これは、たまらない。
 


本土防衛のために


海に出かけられると思って引き受けた、今回のキニナル。
思いがけない真実に突き当たって、心の底に錨を沈めてしまったような気がする。



取材を終えて



実は今回の取材、伏龍部隊に所属していたという方を探し出し、お宅にお邪魔をした。三浦半島の、とある閑静な住宅街に向かったのだが、残念ながらお会いすることは叶わなかった。

応対いただいたご夫人の口から出た「ひと足、遅かったですね」の言葉が忘れられない。
伏龍のひとりだったその方は、昨年の9月に亡くなられていた。終戦から死の直前まで、こだわり続けていたそうだ。

「ずっとひとりで伏龍のことを調べ続けてきて、全部、あの世に持っていってしまいました」

残された未亡人の絞り出すような声で、そう教えていただいた。

悔しさと、やるせなさで取材の終わりを見た。
 


昔も今も海は、いつか見た海


稲村ヶ崎に赴いたら、ぜひ岸壁の穴を見てみてください。
そこで、何かを考えていただければ。それぞれに想いがあっていい。
ただ、考えていただければ。そんなキニナルでした。


― 終わり


稲村ヶ崎公園
江ノ島電鉄線「稲村ケ崎」駅から徒歩5分

鎌倉市役所
〒248-8686 鎌倉市御成町18-10

鎌倉市中央図書館
〒248-0012 鎌倉市御成町20-35
 

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  • 四角の穴は太平洋戦争の際の米軍上陸を迎え撃つ砲座。四角穴の手前左下に縦横2m程のドーム型の入り口、中は坂になっていて途中の横道を避けて進むと稲村ガ崎の切通し(車の走る道路)に出る、但し出口は縦横80cm位。いつの時代にか通り抜けもできなくなった。中の坂の途中を左に曲がっても上の道路に出ることができた。暫くの間、浮浪者(地元ではニャーニャー爺などとも言われた)がこちら側に住んでいた、水は、公園から降りる階段横に清水が湧いて飲んでいた(地元の少年であった私たちも)。トンネルの中は複雑に横道があった。砲座口へ行く手前には結構大きな広場(今考えると3畳位かな)があった。砲座口から海へ飛び込んで遊んだ。トンネルの入り口は大潮のときは入り口から2m位浸水してきた。当時は砂浜があった。稲村ガ崎海岸が海水浴場だったこと知っていますか?砂がない…。55歳位以上の地元人なら知っていることを書いた、私は63歳。

  • 昔、稲村ガ崎があんな公園じゃなかった頃、トンネルがありました。かなり深いトンネルでした。途中で二股に分かれ一方は山の方へ、一方は海に向かっていました。特に海の方には小型のボート用と思われるスロープもあり海に出れる様になっていました。山の方はかなり奥が深い割りに広かった記憶があります。公園にするときに入り口と海のスロープを埋めたと記憶しています。

  • 小学生の頃は浜続きで簡単に遊びに行けた銃眼には行けなかったが砂浜に面する洞穴ではよく遊んだものだ年々沈降により砂浜が浸食され歩いて行く事が出来なくなってしまった何時の間にか稲村ヶ崎の砂浜も半減し海水浴場としては消滅した元に戻る為には関東大震災級の地震で隆起いないといけないのだそうだ江の島西方の烏帽子岩が関東大震災で隆起した様に...

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