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青葉区の「せせらぎ緑道」にある謎の木の人形とツリーハウスの正体は?

ココがキニナル!

田園都市線市が尾駅と藤が丘駅との間にせせらぎ緑道という小川の流れる散歩道に手作りの木の人形が飾られています。近くのツリーハウスの方がつくっているらしいです。取材して下さい。(bausackさん)

はまれぽ調査結果!

近所にお住いの飯田喜好(いいだ・きよし)さんが、人を喜ばすために作った物だった。木の人形の寿命は3年ほど、材料は庭木の廃材を使用している。

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ライター:すがた もえ子

木の人形で人に喜んでほしいから

木の人形が並んでいる歩道の反対側に畑があり「カッパ橋」という看板を掲げている。ここのご主人が木の人形を制作し、管理している方だ。

なぜカッパ橋なのか伺うと「小川のところにカッパの木の人形を置いたら、子どもたちがそんな風に言いだしてね。そこから」と飯田さん。
 


木の人形の制作者・飯田喜好(いいだ・きよし)さん

 
飯田さんは会社経営をされている方で、普段のお仕事のほかにも飛行遊技場の責任者や青葉自動車学校の相談役などさまざまな肩書を持っている方だ。
お話を伺わせてくださいとお願いすると、ツリーハウスへ上がらせていただけた。
 


ツリーハウスまではパイプ製のハシゴで上がる。入口は窓から

 
入口で靴を脱いで中に入る。土足厳禁だ。
 


ツリーハウス内部はこんな感じ。広さは2.5帖ほど

 
ツリーハウスは、外から見ていたワイルドな印象とは違い、テーブルやソファ、テレビや扇風機までそろっている落ち着いた空間だった。壁には表彰状やツリーハウスがテレビに出演した記事などが張られている。
 


ツリーハウスは飯田さんが廃材を利用た手作りのもの

 
「ツリーハウスは子どものころからの夢だったんだ」と話す飯田さん。
戦後の厳しい時代に子ども時代を過ごした飯田さんは昼は会社勤め、夜は畑仕事と寝る間を惜しんで働いてきた。

子どものころからの夢を、大人になってから叶えたのがこのツリーハウスだ。2010(平成22)年ごろに廃材を利用して制作され、なんと5日で完成させたのだという。
 


「僕がいる時は声をかけてもらえれば、中を見ることができるよ」と飯田さん

 
過去に何度かテレビに出たおかげで、今でも「テレビに出たのはここですか」と見に来る人もいるとか。近所の子どもたちも遊びに来ることもあり、「隠れ家」といった感じだ。敷地内には季節の花が咲いたり、電飾や鯉のぼりを飾ったりと、一年を通して人々を楽しませているようだ。
 


人に喜んでほしいから

 
木の人形を作ったきっかけは、10年ほど前に敷地内の庭木から出た廃材を使って人形を作って置いておいたところ、見に来たり写真を撮ったりする人がいて「そんな風に喜んでくれる人がいるのなら」と思ったことがきっかけ。その時にテレビでやっているアニメや人気キャラクターをモチーフに作ることが多い。
 


これは奈良平城遷都1300年記念事業マスコットせんとくん

 
材料は廃材の木なので、雨風にさらされていると腐ってしまう。寿命は3年ほどだという。
 


敷地内には昔の古道具を展示した私設の博物館もある

 
「ここで育てている野菜はみんな人にあげちゃうんです。この年で元気で幸せでいられるのはありがたいこと。幸せのおすそ分けです。お金を取ればいいという人もいるけど、これは僕の病院代(元気なので病院代がかからないので、それを還元しているという意味)だと思っているから」と飯田さんは語る。

次の誕生日で78才になるという飯田さんは、戦後の厳しい時代を経験されている。当時の生活は大変で、クラスメイトがテレビ番組の話をしていても、テレビが何かも分からないような子ども時代だったという。

そんな飯田さんは大人になってから必死に働き、子どものころのさまざまな夢を実現させた。夢をかなえたのはツリーハウスだけではない。なんとクラシックカーやセスナも所有している。
 


飛行機・クラシックカー仲間に配る名刺の裏の写真。映画のようだ
 

なんと飯田さん、飛行機も2台所有している

 
セスナは普段茨城の飛行場に置いてあるといい、この取材の5日前にも茨城から千葉・群馬と5回ほど離陸してきたのだという。
 


所有するクラシックカーはこちら

 
「乗り物が好き。いつかクラシックカーが多いというキューバに行ってみたい」と飯田さん。
 


1952(昭和27)年製のメルセデスベンツ

 
飯田さんが22才のころから大切に乗っている愛車だ。飯田さんの車は『ALWAYS三丁目の夕日』などの映画にもたびたび出演している。
 


ご自宅にも木の人形が。写真はイノシシ(左)と鬼

 
飯田さん作の木の人形はこれだけではない。近くにある神社にも置かれているというので訪ねてみた。
 


飯田さんが総代をつとめる青葉区の千草台杉山神社
 

境内には飯田さんの作った二宮金次郎がいた

 
谷本せせらぎふれあいの道を整備した2004(平成16)年ごろには、近所にある市立谷本小学校で木の人形を作るワークショップが行われ、飯田さんが小学校まで教えに行ったこともあるそうだ。



地域の方に話を聞いた



「この間そのワークショップに参加した子のお母さんと会ったんだけど、もう20才になるんだって」と飯田さん。当時5年生だったお子さんが今では20才になっているという。
 


当時のワークショップの様子(画像提供・青葉土木事務所)

 
現在も谷本小学校の6年生が緑道のゴミ拾いをするなど、環境維持に協力しているのだそうだ。
 


谷本小学校にお話を伺ってみた

 
ご対応いただいたのは、現在の6年生担当の吉田享美(よしだ・きょうみ)先生と池山真哉(いけやま・しんや)先生のお二人。残念ながら当時をご存じの方はいらっしゃらなかったが、谷本小学校の児童は現在も毎年6年生になると緑道を守る「水辺愛護会」に入隊し清掃活動などに取り組んでいる。
 


「Since2007」と書かれた旗が今も受け継がれ続けている
 

廊下には緑道についてのパネルが作られ、張りだされていた

 
木の人形については「近所なので知っている子は低学年でも知っています」とのこと。知らない子も3年生で行われる町探検の授業の中で谷本せせらぎふれあいの道を通るので「うわっ、なんだこれ」と楽しそうに発見しているという。

地元住民に愛され、地元の人々の手で整備されている谷本せせらぎふれあいの道。
緑道でくつろいでいた男性にお話を伺うと、「たまにザリガニを釣っている小学生もいて、今はなかなか見られない光景。木の人形とかツリーハウスとか、この辺の小学生は喜んでいるみたいだね」と語ってくれた。



取材を終えて



木の人形が並んでいるって一体どんな場所なんだろうと思っていたが、とても整備後10年経っているとは思えない綺麗な場所で驚かされた。谷本せせらぎふれあいの道は地域の人々によって愛され、維持されている緑道だった。

不思議な人形からの調査だったが、ほかにもみなさんが知っている面白い人形やものなどあったら、コメントや感想などをいただけたら嬉しいです。


―終わり―
 
 

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  • 手作り感満載の木の人形、かわいいっすね~しかも、見かけによらず管理人さんがすごい(笑)

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