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横浜の埋め立てはこれからどうなるの?

ココがキニナル!

横浜は埋立地が非常に多いイメージですが、現在も埋め立ては着々と進んでいるのでしょうか?今後の埋め立ての見通しなど知りたいです。(須々木さんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

現在埋め立て中なのは三渓園の南東に位置する「南本牧ふ頭」のみ。今のところ、ここ以外に埋め立ての構想は決まっていない。

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ライター:吉岡 まちこ

「南本牧ふ頭」で最新の埋め立てのノウハウを教わる



横浜の将来、ひいては東日本の物流の未来を担う南本牧ふ頭とは、いったいどんな所なのだろう。
位置は、今ある本牧ふ頭よりもさらに根岸寄り、三溪園の外側。ふだん一般車は入れない所だが、横浜市港湾局にお願いし、埋め立て工事中のMC3ターミナルを見せてもらった。
 


案内してくださった港湾整備部南本牧事業推進課 川邉さん


目にするものすべてがあまりに大きい。立ち並ぶ赤と白のメガガントリークレーンは世界最大級だそうだ。
ふだんならこのクレーンが24時間ひっきりなしにコンテナを積み降ろす光景が見られるのだが、船は一隻も接岸していなかった。「これはかなり珍しいタイミングですよ」とちょっと驚いている川邉さん。

何もない海にいきなり陸地を作るなんて、いったい埋め立て工事ってどうやるのだろう?
川邉さんがわかりやすく説明を始めてくれた。
「海の中に岸壁の囲いを作って、その中に土を入れていくんです」
なるほど、容れ物を先に作ってしまうというわけか。

下の写真がその様子。鉄製の巨大な筒(セル)を海底に並べ、セル内に石材を詰め、枠組みの壁を築く。
セルではなく、コンクリートの巨大な箱(ケーソン)を並べることもあるという。
 


8階建のビル程の高さのセルで、海の中に“壁”を作って行く
(写真提供/国土交通省 関東地方整備局 京浜港湾事務所  撮影/東亜建設工業(株))


セル等を立てる前に、海底の地盤も地盤改良する。海底の土にセメントを混ぜ固め、水面下70mまで強度を強めることができるそうだ。この技術が飛躍的に伸び、液状化にも対応するという。

そして枠組みの岸壁で囲んだら、ドサドサと土を入れていく。当然ドロドロに堆積するので、1~2m間隔で水の抜け道となる砂の杭を打ち込み、そこに水を吸わせ上部に吐き出させる。地盤が固くなってきたら盛り土をし、その重みで下の土を締めていくのだ。

取材時の段階は、まさにこれ。今年4月から盛り土をどんどん広く高くしているところだ。左1/3くらいのこんもり高くなっている場所が、その工程だ。
 


来年完成のMC3ターミナル方向を見る。ここまで来るのに着工から約4年
 

望遠で撮ってみると……一段高く盛り土をしているのがわかる


一枚目の写真で右の方に、鉄の山に見えるのはリクレーマー船といって、土を大量に運びつつ、船上に備え付けのベルトコンベアーで土を陸におろしているすぐれ物。
 


リクレーマー船


「土は公共工事など市内や首都圏の土木建設で出たものを、大黒金沢の置き場から持ってきています。南本牧ふ頭全体を埋め立てるのに、横浜スタジアムを容器とすると最終的には約200杯分の土を使うと言われているんですよ」(川邉さん)



取材帰り道での発見



コンテナターミナルから引き返す時に、はるか沖合に埋め立ての“枠”の岸壁と思われるものが見えた。
「あの切れ目より左側一帯は廃棄物最終処分場の予定地です」と川邉さんが教えてくれた。さらに続けて「切れ目より右側は、数年後には陸地になっていると思いますよ」。
 


見渡す海もじきに陸地になる



地盤改良の様子を、ちょうど帰りがけに廃棄物最終処分場の建設現場で見ることができた。
 


海底の地盤改良を行うCDM船。こんな重そうでも水に浮いている


放射性物質が検出された焼却灰の埋め立て計画問題で、最近耳にすることが多い南本牧ふ頭には、すでにもう一つの廃棄物最終処分場がある。横浜市緑区にある神明台最終処分場も今年の3月で満杯になり、続いてこのふ頭に今ある処分場も平成29年度には満杯になる計算だが、はたして…。
新しいほうは平成29年から50年間もの間、横浜のごみ焼却灰と汚泥焼却灰を一手に引き受ける予定だという。



取材を終えて



3、4年後には、首都高速湾岸線と南本牧ふ頭を直結する道路が完成する。
コンテナ船が貨物を降ろしたらすぐ新しい貨物を積み入れて出発できるようにするのが、合理的で優秀なふ頭のサービスだ。そのためには陸の輸送力アップは必至ということのようだ。

輸入品の99.7%は船に頼り、全世界の海上荷動量のなんと1/8を占めている日本。
これからの南本牧ふ頭の活躍や、今後の経済状況によっては、遠い将来横浜の港湾がどんな埋め立ての姿になるかは、まだ誰にもわからない。


― 終わり ―
 

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