横浜で一番マズい川の水、鶴見川で釣れた魚の味は?
ココがキニナル!
橫浜の川の水飲み調査で「マズイ」「塩気が強い」と最悪の評価が出た鶴見川で釣りをしている人を見かけます。鶴見川で釣れた魚は焼いて食べたら塩気が強くて美味しいんでしょうか?(スさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
小さなマハゼが釣れ、試食したが魚自体の塩辛さはほぼなし。鶴見川の水は相変わらず刺激的なマズさだったが、小さな魚には味の影響までは及ばないようだ。
ライター:山口 愛愛
午前11時。さぁ、釣り開始!
がんばります!
最初はエサをつけるのも大騒ぎ
釣り係と撮影係と交代しながら、竿を持って糸を垂らす。雨なのだが水かさは少ないようで、場所によっては川の底が見える。
反応がない
40分が経過。橋の下だがときどき雨が吹き込み、何も収穫していないのに服が湿ってくる。
地味だし、寒い。
本当に釣れるのか? とだんだんモチベーションが下がってくるが、突如10cmくらいの白っぽい魚が視界に入り、エサをかすめた。小さなハゼだろうか。魚の姿を見て、粘る気になってくる。
交代しながら様子を見る
しかし1時間半経過しても、何も起こらず・・・。
ここで気分を変えるため、川の水の味わいを確認することに。
川の水を汲み、「スーパーデリオス」で浄化し、ペットボトルに移し替えた。事前に汲み上げている帷子川と鶴見川工場地帯の水とともに飲んでいく。
左から鶴見川の大綱橋下、鶴見川工場地帯、横浜ビブレ前の帷子川の水
まずは前回の調査でおいしいといわれた帷子川から。うっすら黄ばんでいるような濁りがある。いざ、飲み比べ。
色からしてまず危ない
独特の味が・・・
誰がおいしいと言ったのだろうか? 正直、おいしいとは言い難い。臭みはないが、苦みに近い独特なコクと妙なほのかな甘さが口に残る。
続いて、鶴見川の釣りポイント。我々が釣っている大綱橋の下の川の味だ。
「うーん、臭い」
吐き出しかけて、固まる関本
塩気が強く、泥のような生臭さと科学的な苦みがマズさのハーモニーを奏でる。
最後に鶴見川工場地帯。ぼえっ。吐いてしまいそうだ。
うぅ、飲み込みたくない
大綱橋付近と変わらず塩気が強いが、さらに生臭さと苦味が増している。塩気がほぼ同じということは、魚への塩の影響も同じと考えられるだろう。しかし、も う2回も調査しているんだからマズいことは分かっているだろう! このクダリはいるのか? という言葉といっしょに鶴見川の水を飲み込んだ。
耐えきれず、市販の天然水をかっくらう。
「フツーの水、うまい! しあわせ!」
3つの川の味を比較してみると、帷子川の水がおいしいというのも分かるような気がする。
気分転換に川の水を飲んだのだが、軽く気分が悪くなり、釣りを再開。再び1時間経過するが、まったく糸は動かない。
素人ながら、雨が上がれば魚が動き出すのではないかと、一度腹ごしらえをし休憩を挟み、雨が上がったところでまた釣りに集中する。
じっくり粘る
収穫した魚の味はいかに
エサのミミズがハゼに対し大きすぎたのではないかと話し合い、ごく小さなものを選んで再開した。午後5時を過ぎ、川はさきほどよりも水かさが増え、底が見えなくなっている。
諦めかけていたが関本が竿を持ち20分ほどすると、突如、糸がピンと張った。
何かかかった!
おぉ! 引っ張られているのが分かる。ゆっくり上げてみると、小さなハゼ(マハゼ)だった。
小さいけれど釣れた!
これを機にコンスタントにかかるようになる。1時間で小さなハゼ7匹が釣れた。
なんとか収穫できた
さて、今回は魚の味の調査なので、あまりにも小さいハゼ3匹は川に返し、4匹をいただくことに。
鶴見川沿いで火気の使用が許されている、樽町ポンプ場近くのバーベキュー広場へ移動し、ポータブルガスコンロの上で網焼きにする。
この辺りは春はお花見の名所
雨上がりにカニの姿が多く見られた
ハゼを網焼きでいただきます
その味わいはどうだろうか。刺激臭や塩辛さはあるのだろうか。
おそるおそる口に運ぶ
「・・・うまい!」
網焼きで外はパリっとし、ほどよい香ばしさ。中もふだん口にするような白身魚の淡泊な味わい。ゆっくり噛みしめてみると、わずかに塩気と生臭さがあるようにも感じるが、何も知らずに出されたら気にならないだろう。
小さいながらほくほくしている白身
川の水の影響はなく、とくに塩辛さは感じられなかったので、「岩井の胡麻油」と「横浜醤油」、「日本味噌」と地元を代表する調味料をつけて、味わった。
地元の名産とコラボ
このハゼに限ったことではないだろうが、白身魚にゴマ油としょうゆの豊かな風味が合い、おいしく、ありがたくハゼをいただいた。ごちそうさまでした。
おつまみに最適な味わい
川の水はマズかったが、魚はおいしくいただけた。感謝。
子どものころと比べ、港北区は自然が減ったものの、川と緑の自然に癒された1日だった。
取材を終えて
上級者になるとヘラブナなどの大物なども釣れ、多くの魚に出合えるだろう。ぜひ、晴れた日に出掛けてみてほしい。
今回は釣り上げてそのままのハゼを食べたが、矢野さんによると、鶴見川で釣った魚でもしっかり下処理をすれば美味しくいただけることも多いそうだ。
泥水よりマズい水をすするような仕事でも、体当たりするといろいろな発見があると改めて思った。
―終わり―
NATOさん
2020年01月03日 19時27分
このシリーズ面白いけど、水質改善の動きが一切見えない横浜市の姿勢も透けて見えてしまう
かにかまぼこさん
2018年10月24日 06時50分
わざわざ工場の近くの特に汚い水を汲まなくても…鶴見川は長いので、上流中流下流で比べて欲しかった。
たそていさん
2017年10月07日 23時10分
この記事で初めて川の水シリーズを読みましたが、体はってますね。お疲れ様です。川の水シリーズ、バカっぽい企画でありながらも、2011年の震災のときはそういうこともまあなくはないよなあ、と思ったので、横浜市の防災課とかプロの方を交えて横浜の川の浄水煮沸の方法など読みたいなと思います。