横浜の市政へ改善要望を出すにはどうすればいい?
ココがキニナル!
大好きな横浜に住み続けたい。市政への改善要望はどこに言えばいい?(PINさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
市政への改善要求は、横浜市市民局の「市民からの提案」、横浜市会の「請願・陳情」などの方法がある!
ライター:松崎 辰彦
形式さえ満たせば受け入れられる
それでは私たちが横浜市会に請願・陳情を申し出るにはどうしたらよいのだろう。
「横浜市会では書面による請願や陳情を受け付けています。形式はフリーですが、必要項目がありますので、その部分だけチェックさせていただきます」
請願書と陳情書、いずれも日本語で書かれ、請願者ないし陳情者の住所・氏名、提出年月日を明記された書面であることが条件である。宛て先は「横浜市会議長」。
横浜市会への郵送や持参が条件で、ファックスやメールでは受け付けない。
またビデオやテープなども認められないとのこと。
以下にあるのが請願書・陳情書のサンプルだが、請願・陳情の詳細は横浜市会ホームページを参照して頂きたい。
請願書・陳情書のサンプル(提供・横浜市会) |
受理した請願は本会議で内容が検討され、関係する常任委員会でさらに詳細に審査・検討される。
常任委員会。10~11人の委員が討議する(写真提供・横浜市会)
そして、そこでの検討結果を参考に、再び本会議(86人)でとり上げられ、採択・不採択が決定し、請願者に知らされる。
横浜市議会本会議。86人の議員が討議する(写真提供・横浜市会)
なお、陳情の場合は本会議を通さず、直接常任委員会で審査され、結果が陳情者に知らされるルートと、議長が市長に回答を求め、その回答内容を議長が陳情者に伝達するルートがある。
請願・陳情の流れ。「市民からの提案」と違い、議長が受理し、
会議を経たり、市長に回答を求めたりする(図表提供・横浜市会)
請願数や陳情数は、その年によって波があり、およそ50件から100件とのことだが、採択される数は決して多くない。
なお、平成21年度は全部で51件の請願のうち、採択は4件。
翌平成22年度は全部で45件の請願のうち、採択は同じく4件という狭き門のようだ。
請願・陳情の注意点
そもそも請願や陳情にはどのような内容が多いのだろうか。
聞く所によると、最近多いのは放射能関連で、『もっと測定を強化したほうがいいのでは』『学校給食に○○のような食材を使わないでほしい』といった請願が多く寄せられているようだ。
ただ、仮に請願や陳情が採択されたとしても、それが実行に移されるかどうかは別なのだという。
「実行するかどうかは執行機関の判断にゆだねられます。
ただ請願・陳情として採択されたという事実は重いことですから、影響力はあります」
平成23年12月9日時点の請願一覧より抜粋(図表提供・横浜市会)
※詳しくはこちらをご覧ください
「市民からの提案」と「請願・陳情」の違い
たとえば“○○町に保育園を作ってほしい”という要望を「市民からの提案」で伝えるべきか?
それとも「請願・陳情」で伝えるべきか?
どちらのルートが目標達成しやすいか──と考えがちだか、この二つのルートに「効力の違い」があるわけではなく、あるのは「性質の違い」ということだ。
金川さんは説明する。
「『市民からの提案』は市政の〈執行〉機関である横浜市市民局が管轄しています。『請願・陳情』は市政の〈議決〉機関である横浜市会が管轄しています。軽重の違いはなく、性質が違います。
また、採択されても実行するかどうかは執行機関の判断にゆだねられます。しかし、請願・陳情が採択されたら、その事実は影響力を持ちますから、執行機関もその事実を考慮します」
いずれの手法を使うか、市民も勉強する必要がありそうだ。
取材を終えて
一般市民には、市政の仕組みはわかりにくい。しかし民主主義国家では国民一人ひとりこそが主権者なのだ。行政にもの申すことは、当然の行いである。
“形式さえ整っていればどのような「請願・陳情」でも受け付ける”という話が意外だった。門前払いはないのである。すべての要望を、一度は検討する。これが地方自治というものなのだろう。
ふだんあまり縁のない「請願・陳情」といった仕組みだが、やはりいざというときには活用すべきものである。そのためにも、私たちは日頃から市政に関心を持つ必要があるのではないだろうか。
―終わり―
景四郎さん
2012年01月26日 09時20分
以前パソコンから「市民からの提案」へ書き込んだ事があります。内容は伏せますが、数日後に直接電話で回答を頂き役所の管轄でなく企業側の管轄地域の問題であり、役所も要望を伝え対応を求めたそうです。しかし企業側の回答が形式的な内容だったので、掲示は見送りたいとの事で了解した事があります。私の場合はそんな感じできちんと対応して貰いましたので、開かれた窓口だと思っています。
ぱんだのくつしたさん
2012年01月25日 18時48分
「市民からの提案」に対する返答は、インターネットでも閲覧できます。私も何度か要望を出したことがありますが、形式的なものにしか読めない返答も多数ありました。本当に市民の意見に耳を傾けてくれているのか、少々疑問です。
ootaharaさん
2012年01月25日 11時45分
いつも良質のレポートを有難うございます。横浜市はインターネットでのアンケートも行なっているようです。ヨコハマeアンケート24年度登録メンバー募集http://www.city.yokohama.lg.jp/shimin/kochosodan/kocho/eenq/eenq-bosyu.html自衛隊、放射能、ゴミ処理場新設など市民生活に影響の有りそうなものはパブリックコメント募集している時も有りますので、有効に活用して暮らしをより良くしたいものです。