帷子川の源流までってどうなってるの?
ココがキニナル!
横浜市内を流れる主な川の源流(水源地)を巡る旅、というのはいかがでしょうか(吉閥さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
帷子川源流のある旭区若葉台にたどり着くまでに、戦前の横浜を代表する大工場地帯跡や自然豊かな情景、歴史的スポットを通過する。
ライター:ナリタノゾミ
ついに源流地点へ
八王子街道を若葉団地方面に入ると、帷子川はさらに川幅を狭める。正面にそびえる大貫谷戸水路橋の存在感に圧倒されるだろう。なお、水路橋からの眺望に関する過去の記事は必見だ。
正面を横切る大貫谷戸水路橋
水路橋をくぐる
帷子川の周辺には畑が広がり、随所に野菜の直売所が設置されている。午前中で販売を終了してしまう直売所が多い中、珍しい自動販売機タイプの直売所は午後も稼働している。
ポップな色の販売機と、手描きのレトロな看板のコントラストが印象的
トマトやカブなどの野菜のほか、鉢植えの植物まで販売されている
帷子川の源流域までの旅を楽しむ者にとっては、嬉しいおやつ。甘酸っぱいトマトを頬張りながら、夏空の下を引き続き歩く。
トマト(一袋100円)を購入。地元の味を楽しむ
かつては、流域には帷子川の水源を利用した水車が設けられ、精米・製粉に役立てられていたという。限られた台数の水車を借りに出かける者と、それを快く貸す者。人と人との結びつきは、今よりずっと強かったのだろうか。
畑仕事に精を出す男性
そんなことを考えながら進むと、「上川井町小川アメニティ」が近づいていることを示す標識を発見する。
ちなみに横浜温泉チャレンジャーの温泉は皮膚病などに効果がある。
温泉の販売も行っているのでチェックしてみてほしい
美しく整えられた緑の遊歩道が迎えてくれる。大岡川の源流域とは全く違う印象だ。
遊歩道が延々と続く
随所に親水広場が設けられ、子どもたちが水辺の生き物とたわむれている。
みるみる川幅を狭める帷子川
キャッチアンドリリースを楽しむ子ども。「ザリガニがいるんだよ」
流れが穏やかになってくると、遠くからチョロチョロと水の湧き出る音が聞こえてくる。
ますます川幅が狭くなる
目を凝らすと、細い道の突き当りに漬物石のようなものが置いてあるではないか。
向こうに見える漬物石のようなもののあたりからチョロチョロと音が聞こえてくる。近づいてみよう
漬物石のようなもののてっぺんには穴が開いていた。よく見ると、この穴から水がこんこんと湧き出ている。
金色の口から湧き出る水
まさか意外。漬物石のようなものは、源流地点として人工的に設置されている岩だった。
実は、帷子川の源流域は若葉台団地の造成により消滅しており、現在の源流地点は後に設置されたものだという。
こんこんと湧き出る水を手ですくって、口に含んでみた
源流地点から湧き出る水を飲み込む勇気こそなかった。しかし、数々の歴史や文化、産業を生んだこの川の水の味が「思いのほか、柔らかい」のが、印象的だった。
取材を終えて
険しい自然の中にあった大岡川源流域とは対照的に、住宅街の中に人工的に設置されている帷子川源流地点。
源流地点を囲む緑
「人工」という響きには若干の寂しさや物足りなさを感じざるを得ない。
しかし、住民による強い願いがあってこそ復活したであろうことが、今後の帷子川の歴史を語るうえで欠かせないものとなっていくことを思うと、感慨深くもある。
―終わり―
参考文献
・「保土ケ谷区史」(保土ケ谷区史編集部会編)
・「わたしたちのまち ほしかわ」(横浜市立星川小学校発行)
・あさひ区内散見(大菊一太郎著)
ポスポスさん
2017年10月28日 17時55分
帷子川の源流が若葉台にあったとは知らなかったです。興味深く読ませていただきました。
わだまちさん
2016年11月17日 17時36分
40年前は捺染工場が星川~西谷にかけてたちならび川の色が時間によって緑赤青などきれいでしたよ?その後は汚い川日本一になったり汚い川がきれいになってうれしく思います。今は遠く離れたところにおりますが、当時が懐かしいです。
TACさん
2016年07月24日 10時17分
帷子川での、アユ釣りをテレビで観ました、これほどきれいになっているとは、清流化にたずさわった方々に感謝を申し上げます。一方で、いたるところでゴミが道路などに散らかっています。人口密集地とはいえ、これが海外からの観光客を自信をもって迎い入れることをできるのでしょうか?以前あるイギリス人が東京の街の写真を見て「おぞましい」と言ってました、観光とは遠くヨーロッパまで行って美しい自然や街を観ることなのでしょうか?