横浜の秘境、田谷の洞窟近くの趣ある日本料理店「九つ井」のこだわりを教えて!
ココがキニナル!
栄区、田谷の洞窟近くにある「九つ井」。素敵なロケーションと美味しいお蕎麦で大好きなお店です。器も焼いてるようですし、あのこだわりをもっと深く知りたいです(katsuya30jpさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
食と文化を結び付け本物の空間を楽しんでもらいたいという社長のこだわりが生んだ九つ井は、手作りのぬくもりと遊び心があふれていた
ライター:ほしば あずみ
九つ井の器たちが生まれる場所
本店の近くにある陶・ガラス工房、陶郷(栄区田谷町)
高台にあって抜群の眺望。創作に打ち込む環境としても最高だ
陶郷主任の岡さんに案内していただいた
「料理+器で非日常を味わっていただきたいと考えています」と岡さん。どうすれば料理を引き立てるかを考え、実用品としての美や季節感を大切にしているという。
「夏であれば“涼しげに見えるようにガラスを使った盛り付けを意識する”など、手作りの良さは、どこにでもあるわけではない“オンリーワン”なところ。普通のもので良ければわざわざここで作る必要はないので、オリジナル性を出してやきものに表情を残すようにしています」と岡さん。
工房では器も販売されている
日常使いにして身近に愛でたい一品が見つかるはず
店の囲炉裏焼きで出来た灰を混ぜて釉薬(ゆうやく/うわぐすり)をつくることもあるという。
また、工房では陶芸教室も開かれており、休日を一日使って作陶に没頭する人もいるそうだ。
教室は原則月2回。4名からの団体で手びねり体験も可能
こちらはガラス工房
ガラス作家は3人。左から主任の小野口さん、福原さん、佐藤さん
小野口さんは「蕎麦打ちも陶・ガラス工房も、社長の思いがスタート。だから最初は設備も充分ではなくガラス工房には壁もない状態で、手弁当でやっていました。でも社長の素人ながら純粋な気持ちというのは、子どもの絵のように上手くなると忘れてしまう心を持っていると思います」と語る。
シンメトリー(左右対称)になりがちなガラスの味つけが工夫のしどころだという
ガラス工房では吹きガラス体験ができる。サンプルを見せてくれる小野口さん
「私が思う社長のこだわりとは、お客さまが面白いと思うかどうか、お客さまに出せるものかどうかなんだと思います。だから九つ井の空気感はいつ来ても変わらないけれど建物や器やメニューは進化し続ける。作っていくのはみな九つ井で働いている者なので、外部のデザイナー任せではない、働く人と共に変化するのが九つ井の魅力ではないでしょうか」
九つ井のこだわりが生んだギャラリー
みなさんが口をそろえる「九つ井のこだわりは社長のこだわり」の結果、小高い山の上にギャラリー(戸塚区小雀町)が誕生するのはごく当然のことだったのかもしれない。
北鎌倉で昭和初期に建てられた酒屋の建物をこの地に移築したのが20年ほど前。
ギャラリーとして「クローズ感」を出すため、本来建物の背面だった側を正面にもってきた
結果、かつて通りに面していた側は視界いっぱいの緑で解放感のある空間に
泉川さんが厳選したプロ作家の作品が展示され、もちろん販売もしている
山の上ギャラリーは駅からもバス停からも遠い、文字通りの山の上にある。たまたま通りかかってフラリと立ち寄るような立地ではない。展示する作家のファンや企画に興味がある人が、何かのついでではなくわざわざ訪ねる場所なのだ。
「なんでも安いもので間に合わせて使い捨てにするような時代がしばらくありましたが、ちょっとだけ高価だけど自分のお金で買えて、そして日常で使えるもの、そんな作品をギャラリーを通して伝えていきたいんです」と泉川さん。
2014年4月現在は「長野かほる 和布を纏う展」を開催中(4月27日まで)
着物の風合いを生かしたシンプルな服とアンティークビーズのアクセサリーも展示
取材を終えて
素材にこだわり、打ちたてにこだわり、器にこだわり、空間にこだわり・・・何度「こだわり」という言葉を聞き、何度文字にしただろう。だが、なんのためにこだわるのかといえばシンプルに「来てくれるお客さまのため」なのだ。
九つ井には来る人を喜ばせたいという気持ちが随所に隠れていて紹介しきれない。ふとそれに気づくと笑顔になれるさりげない遊び心を、ぜひ訪れて探してみてほしい。
―終わり―
九つ井本店
住所/横浜市栄区田谷町1319
電話/045-851-6121
営業時間/11:30~23:00(土日:11:30~22:00)
定休日/月曜
山の上ギャラリー
住所/横浜市戸塚区小雀町644-2
電話/045-852-8855
営業時間/11:00~17:00
定休日/月・火(祝日は営業)
九つ井
http://www.kokonotuido.com/index.html
アキのママさん
2014年05月07日 03時30分
九つ井、懐かしいー。昔独身の頃、よく行きました。離れでお食事したり、焼き物作らせていただいたり。横浜店も。東戸塚の、お洒落な居酒屋九つ井も。父も、今は無き、資生堂大船工場に務めていた頃、会合でよく行っていたと言っていました。こだわりを持ったお店で、とてもいいお店ですよね。久しぶりにまた、行きたくなりました(^^)
k2kaidouさん
2014年04月18日 15時15分
ずっと「くつい」と読んでました…。すっきりしました。
shinmycさん
2014年04月18日 14時16分
本店のテーブル席と横浜店は何度か利用したことがありますが、本店の離れは利用したことがありません。機会があったら離れにも行ってみたいな。美味しい食事と非日常の空間が素敵な店ですね。