京急線能見台駅近くの線路沿いに建つレンガ造りの壁の正体とは?
ココがキニナル!
能見台駅から横浜高校へ向かい歩き、さらに線路沿いを歩くと、レンガの壁の残骸?みたいなものがあります。線路下がガードになっていて、国道16号へ抜けるところです。何かの跡でしょうか?(こすけさん)
はまれぽ調査結果!
レンガ積みの壁ではなく、ブロックの壁にレンガ風タイルを貼ったもの。レンガ風にしたのは景観上の理由などで当時の工法により作られた可能性がある
ライター:小方 サダオ
金沢土木事務所によると
さらに地下道の管理をしている、金沢土木事務所の担当者は「神奈川新町~仲木戸駅間の架道橋にて、似たような構造のものがあるようです。レンガタイルの壁に関しては珍しいもので、現在の工法では歩道橋の橋脚などにレンガ風の化粧をすることはありますが、材質を含めてあの場所のような赤レンガのタイルを使用することはありません」とコメント。
白い鉄製の柵が設置されている
白い柵に関して伺うと「記録にはありませんが、危険な状態になったために壁を撤去した可能性はあります。白い柵の改修も現在の基準で設置したもので、再びあのようなコンクリートの壁を設置することはありません」とのことだった。
また、金沢土木事務所の方が話していた、京急本線にある架道橋の例では、明治時代に作られたもので成因は違うが、レンガ作りの架道橋が神奈川新町~仲木戸駅間などに残されている。
京急本線仲木戸駅近くの架道橋
レンガ作りの橋脚が残っている
現在ではあまり見られない赤レンガ風のタイル張りのコンクリート製の壁ではあるが、当時の独自な工法によって作られた壁がその姿を残しているのは感慨深い。
取材を終えて
おおさき地下道から1kmほど南下した場所に、同じ構造の「かたぶき地下道」を発見した。警報機のない無人踏切の代わりに作られた地下道で、能見台の場合と同じである。
おおさき地下道(青矢印)とかたぶき地下歩道(緑矢印)
山側の地面が高い位置にあるため、地下道の一部はスロープになっている
しかし作られた年代の関係かもしれないが、投稿の場所のような赤レンガの壁はなかった。
1988(昭和63)年に作られたかたぶき地下歩道
その地下道のすぐ隣に、三界萬霊(さんがいばんれい)石碑という踏切事故の供養碑が建てられていた。
三界萬霊石碑
この近くに古くから住むHさんに、踏切に関して伺うと「私が生まれる前の1943(昭和18)年に、あの踏切で私の姉も轢かれて亡くなりました。当時、このあたりは里山でした」
片吹の踏切があった場所(昭和48年金沢区明細地図)
1956(昭和31)年の無人踏切の写真
現在はかたぶき地下歩道がある
また投稿の壁に関して伺うと「あそこもこの写真と同じような、無人踏切でしたよ」と答えてくれた。
この付近は、警報機のない無人踏切がいくつもあり事故が絶えなかったため、地下道は周辺住民が待ち望んだものであった。
―終わり―
ふ ーさん
2017年12月11日 19時50分
片吹を通る時いつも気になっていたもの、供養碑だったのですね。知れて良かったです。
プーさんさん
2017年02月18日 02時15分
50年以上前この駅は谷津坂駅の名前だった、横浜高校に通学してた頃はトンネルはなかった、この踏切は危険だからわたってはいけないと言われていたような気がする、片吹の踏切右の16号の写真かなり古い写真に感じるが、1956年の16号ではないかも、もっと古い時代か場所が違う様な気がする私の感違いか。
うにゅーさん
2016年10月21日 13時55分
レンガタイル、なかなか良いですね。景観とのかねあいや予算が許す限り、もっと色々なところでも採用して頂きたいものです。