南区の地域療育センターで給食に異物混入、横浜市の対応は?
ココがキニナル!
横浜市中部地域療育センターで給食にビニール片が混入。市の対応は?(はまれぽ編集部のキニナル)
はまれぽ調査結果!
3人の児童への「ムース食」のみビニールが混入していた。児童の体調は安定しており、市は再発防止に取り組む考え。
ライター:はまれぽ編集部
給食への信頼は
給食への信頼が揺らいでいる。
2017(平成29)年9月、大磯町が業者に委託していた給食の中にプラスチック片や虫などの混入が相次いだとして、全国的なニュースにもなった。その後、ほかの自治体が給食の内容を見直す動きに発展するなど、その影響は尾を引いている。
そんな中、またしても給食に異物が混入する出来事が発生。2017(平成29)年12月3日、横浜市の中部地域療育センターで出された給食のカレーにビニール片が混入し、児童が誤って食べてしまったのだ。
南区の横浜市中部地域療育センター
社会福祉法人「青い鳥」が運営する横浜市中部地域療育センターは、障害のある子どもの発達を支援することを目的に横浜市が設置している施設。
1996(平成8)年に開所し、西区・中区・南区の児童を支援してきた。最大で知的障害のある子ども50人、身体が不自由な子ども40人を預かる機能がある。
センター内には診療所もあるほか、1階部分には在宅介護支援施設の横浜市清水ケ丘地域ケアプラザも併設している。
閑静な住宅街に位置し、公園にも隣接している
なぜ、今回の異物混入が起こってしまったのか。横浜市こども青年局障害児福祉保健課の担当者に話をうかがった。
「ムース食」調理過程で混入か
市によれば、問題のカレーは「ムース食」という咀嚼(そしゃく)する力の弱い児童のため、食べやすいようフードプロセッサーなどで食材を細かく調理した特別食だという。給食は提供前に施設職員の管理栄養士が検食しているが、混入には気付かなかった。
児童とともに給食を食べた段階で職員が混入に気付き、食事を中止したが、児童3人が口にした後だった。そのうち、5歳の児童は帰宅後に嘔吐し、7~8個のビニール片を吐き出した。
混入したビニール片は原材料のひき肉に使われていたことが分かっている。地域の精肉店が3人のムース食用に提供したもので、市はひき肉を作った段階か、センター内の調理室での作業過程でビニールが混入したとみており、今後詳細な調査を行う方針だ。
特別食のイメージ(フリー素材より)
ほかの児童の給食に混入はなかったことから、翌日以降もセンターは給食の提供を続けている。
障害児福祉保健課は、「原材料を搬入する際に、混入がないかをマニュアルに沿って確認するとともに、検食を2人体制にすることで、再発防止に努めています」と説明してくれた。
今回の事故について、市内の子ども連れの女性に話を聞いた。
4歳になるなつくんのママさんは、「うちの子も保育園の給食で育っているので、基本的には信頼して預けています」とのことで、給食の恩恵は大きいそうだ。一方、「事故が起きたのは心配。なにが原因なのか、しっかり追及してほしい」とも話してくれた。
取材を終えて
今回の混入は、業者や作業内容の根本的な問題ではなく、
今後は事故の原因究明を進め、児童を安心して預けることができる環境づくりを前進してもらいたい。
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