盲導犬の教育を行う場所ってどんなとこ?
ココがキニナル!
横浜に盲導犬の教育などを行っているセンターがあるという話を聞きました。一体どんなところなのでしょう?(はなこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
スタッフとボランティアが力を合わせ、盲導犬の育成だけでなく、普及やPRにも努めている熱い志のある場所だった!
ライター:佐谷 ようこ
盲導犬を街で見かけ、その可愛らしい姿に目を細めた経験のある人も多いのではないだろうか。
盲導犬とは目の見えない人、見えにくい人を安全に目的地まで誘導する犬のことだ。
そんな盲導犬を育成している場所が横浜にあるという。
早速インターネットで調べてみると、港北区にある公益財団法人日本盲導犬協会の神奈川訓練センターであることが判明した。
目の見えない人、見えにくい人を安全に目的地まで誘導する盲導犬
日本で唯一の盲導犬訓練士学校を併設する神奈川訓練センター。
犬の育成のみならず、訓練士も育てている国内唯一の施設であり、協会の盲導犬訓練拠点として機能している。
そこで、子供を対象に開催された「夏休み盲導犬体験デイ」に参加させていただき取材を試みた。
神奈川訓練センター
施設の中には工夫がいっぱい
訓練センターは、3階建ての訓練棟、盲導犬候補生たちが暮らす犬舎棟等の建物から成る。
訓練棟2階には、盲導犬と盲導犬ユーザーが初めて出会い、訓練をしながら共同生活をするための共同訓練用居室などがあり、3階はトレーニング室となっている。
建物内の手すりには手で触れて分かるように、3階なら3階を現すビスが3つ打ってあった。
いたるところに点字もあり、目の不自由な方への配慮がいき届いている。
ビスが3つは3階を現す
次に犬舎を見学させていただいた。現在約90頭の犬が暮らしている。
ボランティアの協力やスタッフの努力で、とても清潔で快適な空間となっていた。
シャンプーや毛並みのお手入れをしてもらえるグルーミング室もあり、ボランティアがちょうど毛並みのお手入れをしているところだった。気温管理もクーラーではなく、ミストシャワーと扇風機で涼しく、自然に近い環境だ。
盲導犬候補生たちがゆったりのんびりくつろいでいる姿が印象的だった。
どうやって盲導犬になっていくの?
盲導犬は1歳まではパピーウォーカーと呼ばれるボランティアのもとで大切に育てられる。
1歳になるとその犬の性格や適正をみながら、訓練センターで盲導犬になるための訓練が始まるのだ。
くつろいでいる姿が可愛らしい
「ものすごく厳しい訓練をしているのでは・・」などと勝手に心配に思っていた筆者であったが、スタッフの岩崎さんが、盲導犬の訓練について以下のように詳しく説明してくださった。
「盲導犬は1歳になると、ハーネス(盲導犬が体につけている白い胴輪)をつけて、訓練を始めます。最初はとにかくたくさん遊びます。犬の名前を何度も何度も呼んで、自分の名前を覚えてもらって、追いかけっこをしたり、走ったりしながら、人といるのって楽しい!と思ってもらえるように働きかけます」
ハーネスを通して盲導犬の動きが盲導犬ユーザーに伝わり、安全に歩くことができる
楽しい時間を過ごしている時には何度も「グッド」と呼びかけるそうだ。
そうすることで、楽しい時には「グッド」と言ってくれるのだな、と思ってくれるようにする。
これが後の訓練でもいきてくる。体のあちこちを撫でてあげたりすることで、体に触れることにも慣れてもらうそうだ。
「出来たら褒める、出来たら褒めるを繰り返し訓練します」
盲導犬ユーザーは目が不自由な人、目が見えにくい人たちである。そのため、言葉とその行動が関連づくことが何より大切だ。
ゆえに、最終的には目をみないで言葉かけをし、触れる、指示を出す、といった訓練になる。
なんだか深く安堵した。
現実は厳しい怒ってばかりの訓練ではなく、センターでは褒めて伸ばす訓練を行っているのだ。