盲導犬の教育を行う場所ってどんなとこ?
ココがキニナル!
横浜に盲導犬の教育などを行っているセンターがあるという話を聞きました。一体どんなところなのでしょう?(はなこさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
スタッフとボランティアが力を合わせ、盲導犬の育成だけでなく、普及やPRにも努めている熱い志のある場所だった!
ライター:佐谷 ようこ
実際に盲導犬と歩いてみた
いよいよ体験の時間である。スタッフはじめ、ボランティアのみなさんがサポートしてくださった。
スタッフとボランティアの方々
まずは盲導犬ユーザーの矢野さんが見本をみせてくれた。
盲導犬のマンサと共に歩く矢野さん
障害物があれば避け、段差があると段差に前足を乗せていったん停止し、「段差があるよー」と教えてくれる。
曲がり角の存在も体の向きできちんと教えてくれる。うーん・・本当に賢い!と感心してしまった。
だが、あくまで道順を記憶しているのは、ユーザーだ。
指示を出し、盲導犬は言われた通りに動くので、盲導犬がいるからといって迷子にならないとは限らない。
「盲導犬がウロウロしたり、首をかしげたり、迷子になっている様子が見てとれたら、ぜひ声をかけてください」と矢野さん。
そんなときには「どこへ行きたいのですか?」、「お困りですか?」とユーザーに声かけしよう。
参加者の方も実際に体験
筆者も実際に盲導犬と歩いてみた。障害物や段差、曲がり角等の前に来ると体でこちらにそれを分からせてくれる。
その的確さには驚かされた。そして盲導犬の動きは思っていたよりスピーディ!次に白杖を持って、アイマスクをし、歩いてみた。自分が思っているよりもかなり大きく杖を左右に振らないと、障害物の有無などの現状把握ができないものだと感じる。
実際にイベントに参加し体験した方はどう感じたのだろうか?参加されていた永島さん親子に体験後の感想をたずねてみた。
インタビューに応じてくださった永島さん親子
お父さん「犬の歩くスピードがかなり速くて驚きました。盲導犬マンサが靴を履いているのが意外で面白く思いました。」
*盲導犬の肉球をアスファルトの熱から守るための靴だったようです*
娘さん「アイマスクをつけて杖で歩く訓練が、真っ暗でちょっと怖かったです」
私にとって盲導犬は体の一部
全ての見学会を終えた後、盲導犬ユーザーの矢野さんにお話を伺った。
丁寧に言葉を選び、お話してくださった矢野さん
―お仕事中の盲導犬にしてはいけないことはありますか-
「声をかけない、触ってはいけない、食べ物をあげてはいけない、そして目をじーっとみてはいけない、の4つです。
盲導犬は人間のことが大好きなので、目をじーっと見ると、遊んでくれるの?と思ってしまい、見ている人に向かって走っていってしまうことがあるんです」
―矢野さんにとって盲導犬とはどのような存在ですか?―
「私にとって盲導犬は体の一部でしょうね。私に夢を見ること、生きる喜びを届けてくれるのは盲導犬にしかできないことだと思っています。
今、これがしたいな・・と思った時に、“いいよ”といつでも応えてくれるのは盲導犬にしかできないんですよね。盲導犬と歩くようになってから沢山の人と出会って、沢山お話する機会ができ、本当に世界が広がりました」
そしてこんな印象的なメッセージもいただいた。
「みなさんの心の中に盲導犬を一頭飼ってください。想像力を持つこと、それによって、今この人は援助を必要としているのかな・・という風に発想がすすみますね。広い視野をもった人が増えることで、何かを必要としている人たちの可能性が広がっていくことにつながります」
心の中にこんな可愛い盲導犬を一頭飼ってほしい
取材を終えて
盲導犬の育成にはスタッフはもちろん、ボランティアの方など多くの人が関わっている事が分かった。また、センターからは今回のイベントをみても分かる通り、多くの人に盲導犬を知ってもらおう、正しく理解してもらおうという思いが伝わってくる。
多くの人に開かれた雰囲気を持つ神奈川訓練センター。
神奈川訓練センターでは、「盲導犬体験デイ」を夏・冬・春休みの期間に実施しているので、興味をもった方は、HPを確認して訪問されてみてはどうだろう。
―終わり―
公益財団法人日本盲導犬協会 神奈川訓練センター
〒223-0056
神奈川県横浜市港北区新吉田町6001-9
電話 045-590-1595
http://www.moudouken.net/
*センターではボランティアや寄付等、様々な形で盲導犬育成のサポートをしてくださる方を募集されています。
興味のある方は、詳しくはHPをご覧ください。
zecsmさん
2011年09月15日 19時26分
今回紹介された盲導犬マンサのパピーウォーカーをしていたものです。一年弱一緒に過ごしたマンサは大切な家族であり私たちの娘なんです。その姿をこうして見せていただきとても嬉しいです。この記事が盲導犬への理解につながり、盲導犬育成への協力が広がる助けになると嬉しいです。ありがとうございました。