京急線日ノ出町―戸部にある“屋根のないトンネル”の正体とは!?
ココがキニナル!
京急の戸部―日ノ出町は、なぜ完全なトンネルではなく、天井が開いているところがあるの?(やすをさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
土地の形状や工期・工賃などを勘案して工事した結果、屋根はないが、あれも「完全なトンネル」。識者によると、補修していれば耐久性も問題ない
ライター:松本 伸也
トンネル、である。
トンネル【tunnel】
(1)山腹や地下などを掘り貫いた通路。鉄道・自動車道・人道や水路用。隧道(ずいどう)。
(2)野球で、野手がゴロを捕りそこない、球をまたの間を通過させて、後ろに逃がすこと。
(小学館・大辞林より)
This is トンネル
今回は京急=鉄道のトンネルということで解説(1)写真のような「ディス・イズ・トンネル」のことを指している。というよりも辞書に(2)の解説もあるとは思わなんだ(笑)
This is トンネル,too
解説(1)からもわかるとおり、「山腹や地下を掘り貫いた道路」だとしたら、天井部分があるのは当然である。だからこそ逆に天井崩落なんて事故が起こるわけだし、野球のトンネルにしたってアーチ状に開いた両脚の間をボールがくぐっていく様からそう呼ばれているのに疑問はない。
にもかかわらず、今回のトンネルには天井部分、屋根がないとのことだ。それはいったいどういうトンネルなのか、百聞は一見にしかず。
トンネルが走る区間である京急(京浜急行)の日ノ出町―戸部のうち、まずは日ノ出町駅に飛んだ。
飛んでない。自宅から徒歩圏内。途中でこんなショットが見られます
確かにあった“陽が差す地点”を探せ!
駅前の再開発ビルも姿を現し始めた日ノ出町駅。上り線である1番線から戸部方面へは出発してすぐにトンネル区間となる。
日ノ出町駅。駅前に建設中のビルも上部分が見えてきました
まずは天井のある、アーチ状のトンネルに入るわけだが、ここ先に件の屋根がないトンネルが存在することになる。
確認するため戸部にも停車する普通電車に乗り込んだ。
各駅停車で戸部へ向かう。すぐ普通のトンネルにin
・・・
がたんごとん
・・・
戸部も普通のトンネルを抜けたところで駅に到着
・・・えーっと、たしかにトンネル内な感じなのに、陽が差し込んでいるエリアが2箇所ほどありましたが、屋根部分の写真は車内から撮れるはずもなく・・・。
そんなわけで戸部駅から歩いてその部分を探してみましょう。陽が差しているということは外から見られるわけですしね。
国道1号=東海道に面する戸部駅
戸部駅を出て目の前の東海道を左、保土ケ谷方面へ。最初の西平沼交差点を左に向くとあるのが横浜市主要地方道80号線の“横浜駅根岸線”。最終的には日ノ出町駅前や中区打越などを通って根岸駅へ繋がる通りだが、ここを山頂である戸部町1丁目方面へ向かって進む。
横浜駅根岸線。日ノ出町方面へ向けてなだらかな上り坂が続く
上り坂を登り始めて5分ほど。戸部小学校の角に達したところで線路の音がしたので振り返ると・・・。
あった。上下線の線路の横には高い壁があり、まさに“屋根のないトンネル”
眼下には赤い電車が走っていて、その線路の両端は壁に覆われている。なるほど、この蓋のない溝のような一帯が「屋根なしトンネル」部分というわけか。
西区伊勢町、御所山町周辺
陽が差したと感じたエリアはここから手前(日ノ出町駅側)にもう1箇所あったはず。再び戸部小学校から山頂である戸部町1丁目交差点、さらに野毛坂→日ノ出町と下ってみたが、見つからないまま日ノ出町駅に帰ってきてしまった。
日ノ出町からの普通のトンネル部分は野毛山を貫通しているはずなので・・・などと考えつつ、Googleマップを開けてみると・・・(←降参した)
線路の実線部分が“表”から見えるところのはずなので、戸部小学校の前から横浜駅根岸線を横切り、西戸部町の住宅地でまた「屋根なしトンネル」を見ることができそうだ。
行ってみたら・・・やっぱりあった。
広い側溝を電車が走り抜けている感じ
戸部小学校周辺は大通りに面していることもあってか広々見えたが、こちらは住宅地を縫っているので妙なミニチュア感がある。京急が走り抜ける様は家の雨樋に赤い水を流したかのようだ。うん、伝わりにくい。
西戸部町2丁目周辺。こんな住宅街に“屋根のないトンネル”が