ズーラシアの隠れた人気者「ヤブイヌ」、数が減っているというウワサは本当?
ココがキニナル!
チョコチョコ歩く姿がなんとも愛らしいズーラシアのヤブイヌ。一時期は20頭近くいましたが、最近にいったら1頭しかいなく、前足に怪我をしている様子でとても気になります(べいさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「ヤブイヌ」は大きくなるとケンカをするようになるため、兄弟を他園などへ移動することも。現在は13頭いるが、1~3頭の小グループで元気に散歩している。
ライター:河野 哲弥
マーキングの芸達者「ヤブイヌ」
オカピやレッサーパンダでおなじみのよこはま動物園ズーラシア(以下、ズーラシア)に、「ヤブイヌ」という隠れた人気者がいるらしい。投稿からすると、何となく、天然系のユルキャラのようなイメージがする。
いつもお世話になっています、ズーラシアさん
取材を申し込んだ同園広報によれば、逆立ちしてマーキングするユニークな姿が、マスコミなどによく取り上げられるそうだ。
投稿にあった頭数の状態と共に、生態や特徴なども伺ってみたいところ。ケガの理由も、何かその辺と関係あるのだろうか。何はともあれ、「ヤブイヌ」の展示場へ、案内していただくことになった。
1頭しか見かけなかった理由とは
担当飼育員の野口さんによれば、「ヤブイヌ」は、約1000万年前から今の姿のまま続く、イヌ科の中でも古い種族といわれているそうだ。主に、パナマからアルゼンチンの森林地帯にすむので、この名前が付いたとのこと。
すべての個体の見分けがつくという、飼育員の野口さん
「ジャスミン」と「バジル」、シロウト目には全く区別がつかない
その日、展示場には2頭の「ヤブイヌ」の姿があったが、全部で13頭いるらしい。このうち11頭は、両親とそこから生まれた兄弟姉妹たち。これとは別に、ヨーロッパの動物園から移動してきたペアが2頭いるそうだ。
お家芸、しっかり拝見
野口さんによれば、「ヤブイヌ」は成長すると、兄弟同士でケンカをしてしまうことが多いという。このため、個体数が多い場合は、お互いを傷つけないために、他園への移動をすることがあるそうだ。
投稿にあった20頭の状態は、「2006年前後の、おそらく子どもたちがまだ小さかったころの話で、勢力争いを始めていなかったのではないか」とのこと。
まだ子どもが小さかったころの、アットホームな「ヤブイヌ」ファミリー
個体数が一定以下になると、やがて「ヤブイヌ」は、1~3頭の小グループに分かれて行動するようになるそうだ。投稿の後半部分は、ケガのことも含めて、この前後のタイミングではないかと考えられる。
また、入院などで1頭だけ隔離してしまうと、再び群れに戻ることは難しく、これもケンカの原因になってしまうという。このため、必要に応じて、グループ全体で入院させることもあるらしい。
「ジャスミン」と「バジル」も、2頭で行動している
「今後、ヨーロッパから来たペアが出産すれば、再び親子で元気に駆け回る姿を見ることができるでしょう。20頭が勢ぞろいした状態は、ある意味、貴重なタイミングだったのかも」と、野口さんは話していた。