神奈川県庁の港側にある建物の屋上のキレイな生垣は何なの?
ココがキニナル!
神奈川県庁の港側にある倉庫のような建物の屋上の生垣がキレイに剪定されています。屋上緑化と聞きましたが本当でしょうか?あのカタチに何か意味があるのでしょうか?(orcaさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
「県有施設緑化事業」の一環としてスタートしたもので、屋上緑化の試みのひとつ。タイトルは「波」で、無限の広がりを表現している。
ライター:一藁 雅之
省エネ対策のひとつとして屋上緑化を推進する企業が増えている。たしかに緑が増えれば自然環境を意識することができ、リラックス感も生まれるだろう。エネルギー対策としても有効なはずだ。
今回の投稿にある、神奈川県庁の港側にある建物の屋上。これも屋上緑化の一環なのだろうか。
まずはその場所を確認してみよう。
全体的に緑が多いが、投稿の場所は赤枠の部分(Googleマップより)
青枠の部分が6階の屋上。詳しくは後述するが、実はこれ、緑化計画の一部なのだ。
今回の投稿にあるのは赤枠の部分。本庁舎北側にある車庫の屋上だ。
拡大すると、きれいに整えられていることがわかる(Googleマップより)
詳しい話を聞きに、神奈川県総務局財産経営部の庁舎課に伺った。
今回お話しいただいた、田中さんと冨永さん
挨拶もそこそこにキニナル投稿の件について伺うと、実は車庫の屋上も、屋上緑化の一環だという。
緑化計画が始まったのは1984(昭和59)年。「みどりのまち・かながわ計画(当時)を推進するため、県有施設緑化事業の一環として本庁舎北側車庫屋上の緑化を図るため施工」されたものだそうだ。昨今の流行りに便乗したわけではなく、神奈川全体に緑を増やそうという純粋な目的が30年近く前からあったのだ。
「波」で無限の広がりを表現していた
注目すべきは、そのコンセプト。タイトルは「波」だという。
「水面の波紋を思わせる模様で、無限の広がりを表現」しているそうだ。また複数の種類の植物を植えているので、四季折々の変化を楽しめる。植えられているものはハマヒサカキ、サツキ、ボックスウッドに高麗芝。きれいな緑や、季節ごとの彩りを演出してくれる。
今回は特別に現場へ立ち入らせていただけた。近くで見ると、より丁寧に手入れされていることがわかる。
曲線&直線の見事な刈り込みが美しい
中心の円形部分にきれいなサツキが色づくという
アイビーもむらむらと生い茂っている
全体像はこのような感じ(神奈川県庁より提供)
剪定(せんてい)など実際の作業は、県庁本庁舎庭園などの維持管理を含め、一括して専門業者が行っている。県庁の庁舎課は、その管理や手配を担当。修復が必要な部分や施設に関するいろいろなトラブルを管理するのも仕事のひとつだ。
植物の種類や見た目は、計画が始まった当時から変わることがなく、昔ながらの景観を保っている。県庁の建物そのものの歴史もさることながら、こちらにも伝統が息づいているのだ。