「ゆず」出身、磯子区岡村の交番にある知る人ぞ知る「ゆずマップ」って何?
ココがキニナル!
ゆずの出身は横浜市磯子区で岡村中学ですが、磯子警察の岡村交番でゆずのゆかりの地などが記された「ゆずマップ」がもらえると噂で聞いたのですが、キニナリマス。入手して下さい。(神絆会さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
岡村交番の「ゆずマップ」は1998年12月の完成以来引き継がれ、現在も配布中。お巡りさんか相談員の方が居る時に入手可能。
ライター:万田 ケサトシ
「ゆず」といえば、言わずと知れた国民的ミュージシャン。はまれぽでもこれまで「ゆず」に関する記事が掲載されているが、今回は投稿にあったゆかりの地が記されているという「ゆずマップ」を調査することに。まずは現地へ向かってみた。
「ゆずマップ」をゲット! 岡村交番へ
とても優しそうなお巡りさん
岡村交番は横浜市営バス「天神前」バス停から徒歩1分。岡村天満宮の大きな鳥居が目印。
当日いらっしゃったのは2014(平成26)年9月からこちらで勤務されている三觜(みつはし)和哉巡査部長。早速「ゆずマップ」をいただきましょう!
「ゆずマップ」もらえますよ~
学生時代は「ゆず」の楽曲をギターでコピー、奥様は大の「ゆず」ファンという三觜巡査部長からいただく。ありがとうございます!
これが「ゆずマップ」
オール手書きでなんとも温かみのあるマップです
さぁ~これで調査完了! ではございません。
見れば見るほど親しみが湧いて、こんなに味のあるマップはいったい誰が何のために作ったのか私がキニナル!
続けてお話を伺うと「卒論で『ゆず』について調べている女子大生が来たこともありますよ。『ゆずマップ』を作った方を知りたかったようですが、その方が今どこにいるのか私が存じ上げなくて・・・」
ん~そうなんですね。それでは岡村交番を管轄している磯子警察署に行けば「ゆずマップ」を作った人の手がかりがつかめるかも!
続いては岡村交番を管轄している磯子警察署へ
ここで一句。「前科ナシ なぜかドキドキ 警察署」
ここは岡村交番含め磯子署管轄の交番を統括している地域課。
地域課長の萩原恭彦さんはゆずが好き。でも、小田和正さんはもっと好き!
萩原さん(現在は三崎警察署に在籍)いわく「歌が上手くないのでゆずというかカラオケは全く歌いませんね。歌うなっていう親の遺言です(笑)」とのこと。
交番での勤務は半年で異動することが多いそうだが、ゆずマップは誕生以来ずっと引き継がれているそう。
そこで萩原さんからこんなお話が。
異動直前のお忙しい中で対応してくださった
「かつてゆずマップは月に30~40枚配布されていました。現在は月に3~4枚ほどに減ってしまいましたが、これからも継続していくと思います。私は三崎署に異動してしまいますが、ゆずマップはもちろん、はまれぽに取材されたことも引き継ぎます」
「はまれぽ」も岡村交番の歴史に刻まれるってことか~。
さらに「『ゆず』ご本人も『ゆずマップ』の存在を知っているそうですよ」
なんと事前に『ゆず』の所属事務所に確認してくれていたのだ。
ホントに感謝です。
磯子警察署によると、制作者本人が誰なのかは神奈川県警が知っているとのこと。後日「川崎警察署に制作者がいます」との連絡があり現地へと向かった。
いよいよ「ゆずマップ」の制作者とご対面!
はたして「ゆずマップ」はどんな方が作ったのだろうか。
作者が在籍されている川崎警察署へ
入口を前にしてやっぱりドキドキ
この人が制作者! スーツがバシッとキマったダンディ過ぎる小林さん(右)
『ゆずマップ』を作ったご本人、川崎警察署警務課の小林信行さんが制作当時のことを語ってくださった。
1998(平成10)年11月に岡村交番へ転勤となり勤務をしていたときのこと。「小笠原文具店」「5丁目のローソン」「仲久保公園」「どんぐり山」はどこですか? といった質問に答える地理案内がとても多かったそう。
最初は疑問に思わず説明していたが、あまりにも同じ場所ばかり聞かれたので、あるとき交番に訪れた女性グループに理由を聞いてみると「お巡りさん『ゆず』を知らないの?」との返事。
「岡村ムラムラブギウギ」が収録されているミニアルバム「ゆずの素」
当時小林さんはミュージシャンの「ゆず」を全く知らず、しかも果物の「柚子」だと思ったそう。そこで教えてもらったのが『岡村ムラムラブギウギ』だった。非番の日にCDを購入して聴いてみると
「エッ、マジ!? 地理案内したところが歌詞に全部載ってるじゃん!」
今まで多くのゆずファンに道案内した場所が全て歌詞の中にあるのが分かったことを機にゆずマップを作成することに・・・。
小林さんにご用意いただいた「ゆずマップ」が登場!
カラー仕様でより温かみがある!
これにはお巡りさんならではの留意事項や「交通事故を起こさず良い思い出を作ってください」という小林さんの思いが記されている。
色鉛筆とマーカーを使い全て手書き。実際に歩いてコースをリサーチし、掲載店舗にも許可をとって1週間ほどで完成。
まず目に入ってくる柚子のイラストは、小林さんが交番の隣の家から分けてもらった柚子の実を見ながら描いたそう。
「隣家のゆずの木」は現存しています
さて、ここでふと疑問が。
現在岡村交番で配布されているものと小林さんに見せてもらったものが違うのである。そもそも白黒とカラーが・・・
現在、岡村交番で配布されているゆずマップ
小林さんが持参してくれたゆずマップ
まずは小林さん持参マップの右上部に書かれている「part2」というのは・・・?
「実はpart1は紛失してしまったんですよ。その時は既に半年間の勤務を終え岡村交番から異動していたのですが、原本のカラーコピーが自宅にあったのでそれを少しリニューアルしてpart2を作りました」
ということは、part1はマボロシなのですね・・・
さらにマップの右下にある「神奈川県磯子警察署by龍峰」というサインは小林さんのペンネーム。趣味で釣竿を作っていて、そのときに使っている名前とのこと。ちなみに竿作りは「神奈川県警察職員美術展」で金賞を受賞の腕前です。
ということで現在、岡村交番にあるゆずマップは署員のどなたかが後に手を加え、さらにリニューアルされたものだった。
「by龍峰」が消えている・・・。なんか寂しい。
当時を振り返りながら細かいところまで話してくださった
小林さんはカラオケで 1度だけ『岡村ムラムラブギウギ』にチャレンジしたそうだがあまりに難しく挫折。ちなみに18番は『天城越え』『また会う日まで』『兄弟船』♪
前述の通り現在、ゆずマップはプリントされており希望者は入手することができるが、当初は配布していなかった。
「最初は厚紙に書いたものが1枚あるだけだったんです。それを見せながら道案内をしていたのですが、どうしても欲しいという人にはゆずマップを渡して目の前のコンビニでコピーしてもらっていたんですよ」
ゆずマップの噂は徐々に広がり、北海道から鹿児島までさまざまなエリアから訪れる多くのゆずファンを小林さんは温かく対応。岡村交番に行列ができたこともあったそうだ。
ここに行列ができていたとは・・・
会話は弾み、ゆずと一緒にマップを見ながら実際に回れると良いですね~なんて話していたら「なんとか現役のうちに実現したいね。あと2年で定年だから時間があまりないかな」と小林さん。
実現に向けてお役に立てることを切に願う。
本題以外にも結婚観など人生の先輩としてさまざまな話しをして下さった小林さんに感謝! ありがとうございました。
続いては「ゆずマップ」制作者目線で小林さんオススメの回り方を紹介! さらに岡村グルメ情報も!