建て替え工事で今年が最後? 寿町職安前広場で開催された「寿町フリーコンサート」当日の様子は?
ココがキニナル!
1979年から毎年夏に開催されているという寿町フリーコンサート。今年も開催が決定しています。是非取材をお願いします。/かつて、ジョニー大倉も出演したことある、寿町フリーコンサートを取材して下さい。
はまれぽ調査結果!
8月13日に開催され37年目となった寿町の夏祭りフリーコンサートは、街の外から多くの人が集まり、にぎわいを見せていた
ライター:山崎 島
前回の「寿町フリーコンサート」の記事は、歴史についてご紹介しましたが、今回はコンサートに行ってきたレポートでございます。
それはもう、暑い熱いコンサートだった。家に帰ったら絞れるぐらいタンクトップがぬれていて、次の日は夕方まで爆睡してしまうぐらいあつかった。
何かが起こるための舞台を組み立てる
2015(平成27)年8月12日(水)、夏祭り前日の午前9時30分。
職安前広場に集まる寿夏祭り実行委員会のみなさん
この日は実行委員会とボランティアの方々で、8月13日(木)に開催されるコンサートの舞台と、14日と15日の盆踊りの舞台を作る日ということで、その様子を追うために山崎と編集部・山岸もお邪魔した。
実行委員長のの矢川さんが指揮を執り、資材を運びだし、ステージを組み立てていく。
資材は寿生活館の裏に、毎年使われる資材がきっちり保管されている
この資材は街で購入したものを大切に手入れしながら使っている。
声を掛け合いながら資材を受け渡す
副実行委員長の小林直樹(こばやし・なおき)さんは「普通、野外コンサートをやるときは、業者に全て任せているところが多いですよね。でも、寿町の夏祭りと寿町フリーコンサートは、寿町で資材を持っていて、自分たちで組み立てる、舞台から手作りする祭りなんです。これはとても珍しいことだと思います。多くの方にぜひ知ってほしいです」とおっしゃっていた。
包容力と頼りがいがある小林さん
実行委員会の高沢(たかざわ)さんと金子さんから伺い、前回の記事でもお伝えしたが、コンサートの舞台作りは実行委員やボランティアで作っている。実際に準備の様子を見ていると、その意味を実感できる。
資材をトラックにて職安前広場に運び、お互い確認し合いながら組み立てていく
こうして少しずつ舞台ができていく。熱中症やケガのないよう、みなさん気遣いあっていた
少し作業が落ち着いてきたところで、ボランティアで参加されている方にお話を伺った。
実行委員会事務局長の高沢さんと20年来のお知り合いだという、横浜市在住のセッタさん。
高沢さんとセッタさん(右)。お名前はあだ名で、由来はいつも雪駄を履いているから
セッタさんは、ボランティアとしてコンサートの運営に携わるのは今回初めてだそう。今まではお客さんとして、20年くらい毎年寿町に来ていたのだが、今年は「休みが合ったから」準備に参加した。
「私は出演するアーティストが好き、というよりも、この場が好きだから毎年来ています。観客がコンサートの雰囲気づくりをできることが魅力の1つだと思います」
「ここはほかの野外コンサートよりも自由。街の住人や外からの観客でごっちゃになっていること、いろんな人が来て、人が密集しているけど、大きな喧嘩やトラブルも見たことがないし、観客がダイブなど無茶なことをしようとすると観客同士で止めるような文化があるところも良いですね。それに毎年1回高沢さんと会うのも、同窓会みたいでいいです」とおっしゃっていた。
ちなみにこの日の作業着は自前だそうです
セッタさんありがとうございました。
それから大学生の三宅(みやけ)さんにも
ちょっとだけお話を。三宅さんは一年前、大学のサークル活動を通じてこの街に関わり始めた。
高沢さんのライフワークである、寿支援者交流会主催の野宿生活者の「個人史聞き取り」にも頻繁に参加しているのだとか。夏祭りに関わるのは今回初めてという三宅さんに、この街への想いを尋ねてみると「社会問題に興味がある僕にとって、この街は原点と呼べるかもしれません。この街を知れば知るほど、日本が抱えている問題が何なのかが、見えてくるように思います」と答えてくれた。
そのほかにも、この街の福祉作業所で働く方、某大学の先生なども参加していた。
それぞれいろいろな興味や関心を持つ人たちがこの日この場所に集まってきて、1つのことを一緒にやるってそれだけでもすごいことだな、と思った。
どんなコンサートが起こるだろうか
とても楽しみにしてお家に帰りました。