横浜市立の幼稚園がない理由は?
ココがキニナル!
横浜にはなぜ市立の幼稚園がないの?(べるつくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜に市立の幼稚園がないのかについては明快な答えが出なかった。ただ、以前は3園あったが昭和64年を最後にすべて閉園している。
ライター:吉川 ゆこ
横浜市には現在、299園(うち休園1園、平成23年4月現在)の幼稚園がある。
しかし、驚くことにこのすべてが私立幼稚園なのだ。
市内の幼稚園すべてが私立というのは、全国でも珍しい。
それを聞いて「市立がないの?」と疑問に思う人は多いだろう。
だからといって、以前に市立幼稚園がなかったというわけではない。
3園あった(そもそもの数が少ないと思う)が昭和64年を最後にすべて閉園している。
では、私立幼稚園のみという状況は、横浜市だけの現象なのか?神奈川県の他市はどうなのだろう。
比較として政令都市の川崎市、相模原市にも問い合わせてみた。
川崎市には2年前まで市立幼稚園があったが、現在は私立の86園のみ。
相模原市には3園の市立幼稚園があるが、これは市の合併により相模原市になっただけで、もともと相模原市にあった市立幼稚園ではない。私立は50園ある。
神奈川県内の政令都市にある市立幼稚園は非常に少ないといえよう。
横浜市には市立幼稚園がない
保育料においては、園によって開きがあるものの、一般的に私立幼稚園が毎月3万円前後。
公立(都道府県、市町村区および組合が運営)が毎月1万円前後といわれている。
幼稚園だけでなく私立の学校に子どもを通わせるのは、経済的に余裕があって、教育に熱心な親の選択であって、普通の子どもは公立に行くものだと漠然とイメージしていた。でも、横浜市には市立の幼稚園がない。
なぜ市立幼稚園がなく、私立幼稚園しかないのだろうか?
横浜市には市立幼稚園は必要なかったのだろうか?
今後の事も含め、横浜市の子育て支援課に聞いてみることにした。
子育て支援課がある関内新井ホール
横浜市「市では幼稚園の認可を出せない」
子育て支援課幼児教育係の萩原さん、こども青少年局子育て支援係の春原さんに時間をいただいたのだが、開口一番残念な答えが返ってきた。
萩原さん(左)と春原さん(右)
「横浜市は私立の幼稚園が多いので、幼稚園は十分に足りているという判断です。ですから今後、市立の幼稚園をつくろうという動きはないと思います」
と萩原さん。それは行政の財政状況が問題なのだろうか?
「経済的な理由もないとは言えないでしょう。しかし市では地域の子育て支援。例えば助成金の斡旋や地域の子育て支援拠点の運営などを行っていますが、私立幼稚園の認可や幼稚園の運営は管轄外なのです。ですから、なぜ市立の幼稚園がないのか、また廃園になってしまったかということに関しては市ではわかりません」
その世帯の市民税額によって補助金額が決まっている就園奨励補助金
保育料については、就園奨励補助金を設け一般的な公立幼稚園の保育料相当の負担額になるようにサポートしているという。ただ、肝心の市立幼稚園がなぜないのかについてはわからなかった。
ということで認可を担当する神奈川県に確認してほしいと神奈川県民局くらし文化部学事振興課を紹介された。