横浜市立の幼稚園がない理由は?
ココがキニナル!
横浜にはなぜ市立の幼稚園がないの?(べるつくさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
横浜に市立の幼稚園がないのかについては明快な答えが出なかった。ただ、以前は3園あったが昭和64年を最後にすべて閉園している。
ライター:吉川 ゆこ
神奈川県「私立に関しては管轄だが、市立は管轄ではない」
お話を伺ったのは、文化部学事振興課の坂本さんと萩谷さん。
しかし、市に紹介されたはずなのに、ここでも残念な答え。
写真もNGな上、庁内も個人情報流出を懸念して撮影NG。 アイドル並のガードの固さだ
「私たちは私立の幼稚園から専修学校までの設置認可を担当していますので、市立についてはわかりません。なぜ、横浜市がうちの課を紹介したのかもわかりません」
とのこと。結局たらい回しだ。縦割り行政の本質を見た気がした。
現在市立の幼稚園はゼロだし、市立のことは管轄外だから、市立の幼稚園が無い理由も廃園になった理由もわからないと言いたいのだろう。どうせ少子化にかこつけた財政難ではないのか?しかし、何度聞いても、同じことしか言わない。
市と県から答えをもらえなかった以上、“キニナル”の答えは出ない。無念だ。
すべてが廃園、市立幼稚園
答えが出ないということで終わっても仕方ないので、『横浜市教育史』(横浜市教育委員会刊)をひも解いてみる。
現中区に横浜小学校付属幼稚園が設立されたのは明治17年とされている。その後、明治31年には現西区に老松小学校付属幼稚園が設立。この2園ができてからは、しばらく市立の幼稚園は設置されなかった。
小学校令の改正(明治32年)により、小学校の拡充を図らなければいけなかった市の財政難であると推測されるが、これは横浜市に限ったことでなく全国的に見られる傾向であったようだ。
その後、昭和6年に戸塚尋常高等小学校(現戸塚小学校)の付属幼稚園が設置されるも、この3園はすべて廃園になっている。
ちなみに神奈川県立も1園あった。
神奈川県立横浜幼稚園(西区)だが、こちらもすでに廃園している。
分厚い、重い。『横浜市教育史』
幼児教育のスタートは宣教師から
『日本幼児保育史』(フレーベル館刊)も参考にした。
そこには横浜市の幼稚園の始まりが記されていた。
明治初期、幼児教育普及の立役者となったのはキリスト教宣教師。
宣教師によって開かれた最初の幼稚園は、北陸女学校(金沢・明治17年)と頌栄幼稚園(神戸・明治22年)とされてきた(いずれも私立)。
しかし、これよりも前に幼児教育に取り組んでいたといわれているのが、横浜山手四十八番地に開かれた「亜米利加婦人教授所」である。明治4年、3人の女性宣教師により開かれた、言わずもがな私立の幼稚園である。
日本最古のプロテスタントキリスト教による学校・横浜共立学園の創立者となったのも彼女たち。
異国の地で幼児教育の発展に情熱を注いだ彼女たち功績は計り知れない。
横浜外国人墓地には、その3人の宣教師のなかのピアソンさんと
クロスビーさんの墓がある(写真はピアソンさんの墓)
取材を終えて
今回の取材は横浜市の幼児教育について管理・運営を行っている市や県から答えが得られないため、永遠に答えが得られないという残念な結果に終わった。
ただ、宣教師たちの尽力で横浜市の幼児教育が発展したというのは、横浜という土地ならではのエピソードであるといえる。
全国でもいち早く幼児教育の必要性を感じ、宣教師たちを中心とした市民レベルでの活動の結果、私立の幼稚園が徐々に増えていった。
だから、わざわざ公立幼稚園を設立する必要がなかったと考えるのは飛躍しすぎだろうか。
―終わり―
マンゴージュレさん
2015年10月31日 13時17分
これでは子どもが増えないわけですね。。。わが家は保育園だったので、申し込みはインターネットからダウンロードした書類を郵送するだけでした。幼稚園に通わせる友人たちは夜通し並んだと言っていましたし、この辺りでは選択肢が少ないからと、区をまたいで毎日送り迎えしている人たちまでいます。入れた後の負担感も保育園とは全然違うし。。。
tenruさん
2015年03月08日 23時23分
幼稚園でも待機児童は大量発生してますよ。
さすらい日乗さん
2014年10月11日 10時52分
市長の判断で公立幼稚園が廃止されたとのご意見がありましいたが、そんなことはありません。もともとなかったのですから、ないものをどうやって廃止するのでしょうか。少なくとも戦後に市立幼稚園が横浜にあったことはありません。保育園建設でに手一杯だったのです。横浜市としては、幼児教育は本来都道府県の業務なので、神奈川県の仕事だという判断です。その証拠に平沼に県立の幼稚園があったことがありますが、今はありません。保育園は、今はともかくとして、その始まりは「福祉事業」であり、市町村の業務なのですから、それを優先するのは当然のことなのです。