パイプ?橋?鶴ヶ峰にかかる建造物の正体は!?
ココがキニナル!
旭区の鶴ヶ峯中学校のすぐ上を通っている。太いパイプが在ります。私が思うには多分、水道水が中を通っていると思いますが、何処から何処までなのか、より詳しく知りたいです。(カズリンさんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
西谷浄水場が管理する“第3鋼路橋”と呼ばれる設備です。中を通っているのは、水道水の元になる原水です
ライター:田中 大輔
一般に水道水の通るパイプ、つまり水道管は地下に埋設されるもの。
“中学校の上を通る太いパイプ”なんて施設が本当にあるのだろうか、とちょっと疑問。
とは言え、キニナルに投稿してくれるほどのものなのだから、想像もできないような極太パイプがあるのだろうか……。
なにはともあれ、現地へ行って確認してみないことには始まらない。相鉄線の鶴ヶ峰駅で下車し、市立鶴ケ峯中学校を目指した。
存在感抜群、緑色の鉄の橋
鶴ケ峯中学校は高台にあるため、長い坂を上っていくことになる。
その坂の中腹あたりから、すでに見え始める緑色の“なにか”。あれは一体……?
一見、パイプには見えないが……
中学校の手前にまるで渡り廊下のようにかけられた緑色の鉄の橋。
すごい存在感だが、これがパイプなのだろうか。
回り込んで下から見上げてみると、側面にはパイプらしきものも見える。
下から見上げるとかなりの迫力
壁際にパイプが通っているのも確認できる
確かに中学校のすぐ横を通っている。とは言え、公立中学校の付属施設にしては規模が大きすぎる。
念のため、中学校にも問い合わせてみるが、「うちの施設ではないですね」との回答。
左の建物が中学校。校舎の一部に見えるほど近くにある
地図を確認してみると、中学校のすぐ裏手には水道局工業用水課の施設がある。
となれば、ここのモノだと考えるのが自然。さっそく水道局総務課に取材を申し込んだ。
その正体とは!?
てっきり、すぐそばにある工業用水課の施設だと思ったのだが、対応してくれたのは西谷浄水場の職員さん。「施設から近い方がいいでしょう」と工業用水課の事務所でインタビューをさせてもらえることに。
中学校のすぐ隣にある工業用水課。緑の橋もこちらまで伸びているようだが……
話をうかがったのは、西谷浄水場管理係の森井さんと佐野さんのおふたり。
管理係は、その名の通り、浄水場内外の関係施設の維持管理を担当している部署だそうだ。
西谷浄水場の佐野さん(左)と森井さん(右)
さっそく、あの緑の橋の正体について質問をぶつけてみると、「あれは“第3鋼路橋(こうろきょう)”という西谷浄水場の施設です」とのこと。
西谷浄水場で作られ、鶴見区、神奈川区、西区、中区、南区、保土ヶ谷区などに給水されている水道水の元になっているのは、相模湖系の水。
第3鋼路橋は、相模湖方面から西谷浄水場までの総延長距離37キロ以上にも及ぶ導水施設の中の“川井鶴ヶ峰導水路”と呼ばれる水路の一部で、「水道水の原料である“原水”を浄水場まで運ぶ」ための施設なんだそうだ。
つまり、あの中を流れている水は浄水処理前の水なので、飲んだりすることはできない。
しかも「自然流下、つまりポンプなどを使わずに勾配を利用して流しているんです」というから驚きだ。