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目に焼き付けておきたい消える風景。はま旅Vol.72 「金沢八景編」

ココがキニナル!

横浜市内全駅全下車の「はま旅」第72回は、近い将来、いまの古き良き駅前が一変してしまう京急&シーサイドライン金沢八景駅周辺の旅。

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ライター:吉岡 まちこ

運慶作?のお面がある由緒ある神社から、絶景の駅!



次はとりあえず海方面へ出よう、と国道沿いにある由緒ある神社「瀬戸神社」を目指した
ここは源頼朝が鎌倉幕府を開く時その鬼門の守りとして、伊豆での挙兵で御利益のあった三島大社の分霊をまつったそうだ。
 


近くの歩道橋から見た瀬戸神社


国道を挟み海に突き出した琵琶島と向かい合う位置。琵琶島の横には大きな料亭「千代本」、そこを曲がると釣船がたくさん停泊している瀬戸橋だ。
 


奥行はそんなにないけれど、カヤの大木など緑陰が濃く涼しい~


運慶作といわれるお面を所有している神社。見ることができないかブザーを押して訪ねた。宮司の佐野さんは、系図によっては20何代30何代目ともいう歴代の神職だ。

下調べが足りないのをたしなめられつつ、その「抜頭面(ばっとうめん)」は北条政子が息子実朝の供養に奉納した舞楽面で、以前に県立金沢文庫で公開したこともあったが今後の予定はないと教わった。晩年の運慶は、頼朝と北条家の仕事に専念していたようだ。
 


歴代の宮司を務める家柄の佐野さんは、厳しくも優しい方
 

「抜頭面」は国の重要文化財。右は琵琶島神社に祀られていた神像(瀬戸神社HPより)


浮世絵が風景全体を俯瞰でとらえているすごさを教わり、最後に、変わりつつある八景をどう感じているか?と尋ねると、すごく粋な答えが――「お月さんだけが変わらない」。
 


神社には珍しく、売店で頼むとスタンプを押してくれる

スタンプにあるように、国道を挟んで正面にある琵琶島は瀬戸神社といわばセットで、北条政子が琵琶湖の竹生島弁財天を勧請して作った人工の島。

真正面だし行ってみよう!と思ったが、目の前は広い国道。えぇー!?歩道橋まで戻らないといけないの?
しかたなく上った歩道橋だったけれど、景色最高! 歩道橋の終点はシーサイドライン金沢八景駅だ。
 


潮風に吹かれ、歩道橋から琵琶島と海
 

絶景のシーサイドライン金沢八景駅! 



江戸時代にかえった気分で琵琶島~瀬戸橋



シーサイドラインの駅から琵琶島へは、レトロなゲームセンターを過ぎるとすぐだ。
 


頼朝が衣を掛けたというこの石の前で拾い物をすると、立身出世するとか!?


琵琶島神社の社がある円形の島へは、小さな太鼓橋で渡る。小さな社は格子に囲われていたが、参道や島には鎌倉の禅宗文化の面影を残すビャクシン(ヒノキ科の針葉樹)が大切に保存されていた。
 


琵琶島は人工の島。根が枯れないようにこんな工夫も
 

カニと遊んだりのんびり。車で通り過ぎるだけではもったいない!
 

境内にあった江戸時代の絵図


なるほど~、佐野宮司が「瀬戸橋はベイブリッジなんだ」と表現したのを理解。瀬戸神社より北側の内陸は広い海で、その入江を大きく横切っていたのが瀬戸橋だったのだ。

駅近くのマンホールに歌川広重の浮世絵「金沢八景」の「瀬戸秋月」が描かれていた。
 


わかりづらいが、絵の中央、人が歩いているのが瀬戸橋


今の瀬戸橋は短い普通の橋。たもとに釣舟の店が並ぶ、釣りの聖地・金沢八景の象徴的な場所。
 


平潟湾には釣り船がいっぱい停泊
 

半日船で6000円が相場らしい