今後、新たに統廃合が決まる高校は？

キニナル投稿にある30校前後の統廃合とは、本当なのか？　現在決定している10校の統廃合以外に、何校の統廃合が決まっているのか市之瀬さんに伺った。

今回の県立高校の統廃合は、神奈川県の「県立高校改革」の中の一環で実施されるという。「県立高校改革」の実施期間は12ヶ年とし、2016年度から4年ごとに1期、2期、3期と分けて計画している。その1期計画の中で、今回の10校の統廃合が発表されたのだ。
　

2016年度から2027年度をめどにした「県立高校改革」計画
　

計画では「合わせて20～30校程度減らす」としていて、先に説明した10校の統廃合は1期の中の計画。つまり現時点では、定時制含め10校が統廃合して6校になるため、4校減ることが確定している。今後、2期では5校程度（10校が統廃合）、3期では10校以上（20校以上が統廃合）減らすという計画になっているが、2期以降、どこの学校が統合するかは未定とのこと。

現在、県立高校は142校（ほか分校1校）がある。過去1973（昭和48）年から1987（昭和62） 年に行われた15年計画の中で「高校百校新設」というものがあり、県政の最重要施策の1つとして県立高校を100 校新設。全体で166校となったそう。
　

生徒数と高校数の推移（県立高校改革推進検討協議会資料より）
　

その後、公立中学校卒業者数は、1988（昭和63）年の12 万2000人をピークに減り続け、現在では7万人を下回っている。

生徒数が5万人以上減っているのに対し、高校数は24校しか減っていない。今回の「県立高校改革」では、グローバル化や情報化の進展、生徒の価値観の多様化が進んでいる状況などを踏まえて改革を実施するという。学校の統廃合は、その中の計画のひとつなのだ。
　

県立高校改革は全体で12年計画
　

ちなみに、キニナル投稿にある「これほど大規模な統廃合は見たことがない」という意見については、「2000（平成12）年から2009（平成21）年までに行われた「県立高校改革推進計画」の中で、50校の統廃合があり、25校の県立高校が減っているので、『これまでにない』ということはありません」とのことだった。