柵に囲まれ入れない? 仲木戸公園の謎の構造とは?
ココがキニナル!
京急仲木戸駅そばにある仲木戸公園の入口はいつも閉じられているのですが、この公園はどのように管理されているのでしょうか?(うらしまさん)
はまれぽ調査結果!
市が管理する仲木戸公園は一時期利用者にとって利用しづらい環境だったため、気軽に入れないように昭和50年代に周囲に柵が設けられ鍵がかけられた
ライター:小方 サダオ
周辺住民に話を伺う
近くのお寺の関係者である女性Aさんに伺うと「この公園は、昭和30年代に作られたもので、以前は門などない普通の公園でした」
1961(昭和36)年神奈川小学校周辺の地図(神奈川区明細地図)
「その後、昭和50年代に公園が整備され、そのときに柵が作られたのです」
当時は道路に門はなかった(青矢印)(1978<昭和53>年・神奈川区明細地図)
「以前は小学校のグラウンドが校舎の左側にあったのですが、反対側に持っていく工事が行われました。そして工事の際、公園は工事関係者が資材置き場などに使っていました」
小学校の改築工事中、緑の矢印部分は公園の場所(1980<昭和55>年・神奈川区明細地図)
改築直後は学校の敷地内に柵(黄線)があり、公園の柵はなかった(緑点線)
「改築直後は公園に柵はなく、道路も開いていて、学校側には敷地と道路の境界線に、低い柵が設置されていました」
小学校改築後は道路に門が設置された(青矢印)、仲木戸公園(緑矢印)(1982<昭和57>年・神奈川区明細地図)
「その後公園の周囲に柵が作られ、道路側にも門が出来ました。改築後から公園は小学校の児童が使うことがあり、一般の人は使えない雰囲気になりました。神奈川区の町内の人たちが公園の清掃など維持活動しているのですが、何かの事情で学校側が公園を借りる形になったのかもしれません。公園は裏が開いているため、保育園の子どもたちなどが遊んでいて、誰でも使えます」と答えてくれた。
また門のされた道に関して伺うと「以前から、公園の周りの道路を通る人は少なかったため、閉められて問題になることはないのではないでしょうか」と答えてくれた。
公園は小学校の資材置き場として使われていた流れなどから、整備後に小学校が利用しやすい公園に変わったのかもしれない。そして小学校と公園の間を通る道路が公道に見え、その上に門があるため公園が小学校の敷地に見えるのだろう。
電車好きの男の子とお母さん
再び公園に戻ると、子どもを遊ばせている若いお母さんがいた。公園について話を伺うと「子どもは電車が好きなので、この公園が気に入っています。門が閉まっている変わった公園ですが、子どもが道路に不注意に飛び出したりしないので、小さいお子さんを持っているお母さんにとっては安心だと思います」と答えてくれた。
神奈川小学校正門
続いて神奈川小学校の関係者に話を伺うことにした。
宮田校長に公園に関して伺うと「私は赴任して4年目になりますが、門が閉まっている理由は知りません。門を開ける鍵は学校側で持っています。しかし鍵は普通の市販の南京錠で、特別なものではありません」
「小学2年の生徒たちが花壇でお芋を作ったり、園内の虫探しなどを行ったりするときに、門を開けることがありますが、学校側ではほとんど使用しません。公園は保育園の園児など、一般の人たちが使えます」
縁石があるため、公道のようにも見えるがどっちなのだろう
小学校では、公園の柵が設けられた理由は分からないようだ。
次に園児たちを遊ばせているという保育園に向かった。
運動会の予行演習などで使う保育園もある
保育園の関係者に伺うと「こちらでは、普段は裏口を使っていますが、運動会の予行演習の際は、土木事務所に許可をいただいて鍵をお借りし、許可証を提示した上で門を開け使用させてもらいます。また公園で行われる消防訓練の際も、門を開けることがあります」と答えてくれた。
またほかの保育園の方に伺うと「一時期、公園を利用しやすいようにと、小学校の校長先生から門の鍵を借りていたことがありました」と答えてくれた。
保育園児などの利用者が安全に使える公園だと、先生たちも助かることだろう。