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ジューシーすぎて「すごくミカン」な「湘南みかんぱん」とは?

ココがキニナル!

不思議なパンをもらいました。その名「湘南みかんぱん」。食べてみてビックリ。すごくみかんです。そのジューシーな味わいを実現する製法も、横浜市内でも購入できるのかもキニナリます(bjさんのキニナル)

はまれぽ調査結果!

「湘南みかんパン」は間引かれた青いミカンの果汁を生地にも餡にも使っているパン。2016年9月末からは県内全域のスリーエフで販売予定

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ライター:福原 麻実

どうやって作られている? 製造工程を見学!


パン作りの話を持ちかけられた「サンメッセしんわ」は社会福祉法人「進和学園」が運営する知的障がい者の就労支援施設。通所60名、職員26名という体制で、紙すきやエコクラフト、クリーニングなどの作業に取り組んでいる施設である。それらの作業のひとつが、製パンなのだ。
 


最寄り駅は平塚駅。最寄り!?


そこからバスで「湘南平富士見」もしくは「上万田」バス停まで行って少し歩く。「少し」ではあるが「上万田」バス停からの・・・
 


の・ぼ・り・ざ・か!

ちょっとした運動になるな、と思いながらしばらく上って、無事に到着。
 


広大な「進和学園」の入り口がこちら

早速「湘南みかんぱん」の製造工程を見せていただいた。

まず、白衣を着て、使い捨ての帽子とマスクを着ける。




衛生に気を遣ってまとめた髪が、なかなか帽子に入らない・・・


手洗い場にあるマニュアル通りに、時間をかけて手をしっかり洗い、消毒も済ませて作業スペースに近づいた我々の目に映ったのは、ミカン色のパン生地。
 


作業は午前8時ころからはじまり、施設内で生地も作っている


そして、その生地を・・・
 


切り


計量。そして、その隣で・・・

パン1個分になった生地はコロコロと整えられ
 


このようにきれいな丸い形になって、並べられる


丸くなった生地が向かうのは、ココ!
  

機械にいれられて平らになる
 


その平らな生地に、ミカン色の餡が包まれていく

あまりにきれいな色とみなさんの手際の良さに、楽しそうだと思ってしまう。
だが、もちろんこれは遊びでもなんでもなく、1日1000個ものパンを作る「製造」なのだ。

 


包餡の作業が終わったら、今度はホイロ(発酵機)の中で発酵、その後オーブンへ




焼き上がった「湘南みかんぱん」! 果たしてその姿と味は?


「湘南みかんぱん」が焼き上がるころには、室内は焼きたてのパンとミカンの香りでいっぱいになっていた。
 


オーブンから出てきたパンは、上の発酵前の写真とまったく大きさが異なっている


まんまる、ふんわり。見るからにおいしそう!


このあと「湘南みかんぱん」は袋に入れられて


シーラーで密閉される


できたての「湘南みかんぱん」を、特別に試食させていただいた。
 


中は餡がたっぷり


きれいに半分に割るのが難しいくらいにもっちりしたパンからは、ミカンの香りの向こう側にふわっと、小麦の良い香り。味も程良い酸味のミカン味だ。
 


あまりに「ミカン」で笑ってしまう


そして軟らかめの餡。普段、餡を食べてジューシーだと思うことはあるだろうか? 白餡に香りと色がついた「ミカン風」の味を想像していたが「ミカン」だ。変な表現だが、ミカンすぎるくらいミカン。投稿の通り「すごいみかん」なパン。おいしいパンを食べて笑ってしまったのは初めての経験だ。



「湘南みかんぱん」誕生の経緯は?



「サンメッセしんわ」の商品と「湘南みかんぱん」について、担当の中村公紀(なかむら・きみのり)さんにお話を聞かせていただいた。

「サンメッセしんわ」でのパン作りは、施設内で給食などに消費されるパンから始まり、今では多くの場所で販売するほどに種類・生産量ともに増えている。
 


本格的なパン工房で売られているような、種類豊富なパン(の一部)


外での販売には、こんなトラックで行くそう


こうやって少しずつ、パン作りの実績を積んできた「サンメッセしんわ」に「湘南スタイル」から、地元のミカンを使ったパン製造の話が持ちかけられて「湘南みかんぱん」の開発が始まった。それが2012(平成24)年。

「湘南スタイル」や県のブランド戦略課などからのアイデアや試食の感想を参考に、幾度も試作を行い、ついに誕生したのが「湘南みかんぱん」だ。
 


5個入りはネットに入っていてさらにかわいい!


商品化された「湘南みかんぱん」は、ミカン味の生地の中にミカン味の餡が入った、あんパンの形をしたパンである。
「湘南スタイル」が提案したメロンパン型ではなくこの形になったのは、流行を追わない普遍的な形で、さらにサンメッセの利用者が中心になって作ることが可能な形であること、また冷凍保管できるためロスが出ないことが、その理由だという。
 


「湘南みかんぱん」を製造する「サンメッセしんわ」利用者のみなさん


その「湘南みかんぱん」が2015(平成27)年、全国逸品セレクションのフード部門で準グランプリに輝いた。
利用者にとっては、自分たちが中心となって製造しているパンが評価されたことは誇らしく、モチベーションにつながっているようだ。