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県内に複数ある「熊の堂」という地名の由来と共通点は?

県内に複数ある「熊の堂」という地名の由来と共通点は?

ココがキニナル!

横浜市営バス36系統の「熊の堂」というバス停の名前が気になります/江ノ電バスにも「熊の堂」というバス停を発見。いかにも怪しいバス停に共通点はあるの?(タラちゃんぷるーさん、茱萸澤村民さん)

はまれぽ調査結果!

神奈川県内で見つかった3ヶ所の「熊の堂」の地名は、「熊野信仰」に由来していると思われる。また、それぞれの地形にも共通点が見つかった

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ライター:小方 サダオ

戸塚区の「熊の堂」の由来は、謎の祠がカギを握る?
 


続いては、投稿にもあった戸塚区の「熊の堂」へ。
 


戸塚区にある「熊の堂」(青矢印、Googlemapより)

 
国道1号線を戸塚駅の東側付近で曲がる、さらに東に向かって進むと、「舞岡熊ノ堂」という交差点があり、その先には「熊の堂」というバス停を発見できる。
 


戸塚駅東口
 

戸塚駅東口から車で数分のところにある交差点
 

「舞岡熊之堂」
 

江ノ電バス「熊の堂」のバス停

 
「熊之堂」と名付けられたお寺が近くにあるが、関係者に聞くと最近作られたお寺で、地名の由来とは関係がないようだ。
 


「熊之堂」というお寺

 
神奈川区と同じく、地名の由来はこのあたりが「熊の堂」という字名だったからなのだろうか。
 
周辺は畑に囲まれた場所で果物や野菜の直売所の姿が印象的だ。周辺住民に地名の由来について伺うものの、分かる人はいなかったが、舞岡町の歴史に詳しい人を紹介してもらった。
 


円福寺

 
バス停のある通りから10分程度歩いた場所にある円福寺の福田俊光(ふくだ・としみつ)住職に取材を申し込むと詳しく話を聞かせてくれた。
 
地名の由来については「以前はこのあたりは鎌倉郡川上村で大字『舞岡』の中の字名の一つに、『熊之堂』がありました」
 


鎌倉郡内の舞岡の字名の一つに「熊之堂」があった
 

「熊之堂」
 

カッコ内は現在の舞岡の住所に当たる場所
 

1929(昭和4)年製作の古地図にある「熊の堂」(青線、地図「川上村」・相澤フデ所蔵)

 
「しかし長年舞岡の歴史を調べて来ましたが、なぜその地名がついているのかは分かりません。しかし『熊之堂』の区域内に一つだけ石祠(せきし)があり、それが名前の由来ではないか、と考えられています。祠の刻印から舞岡村や元吉田村の人が氏子であったことが分かります」
 


住職が調査した町内の石碑などのリストに載せられた「詳細不明の石祠」
 

バス停「熊の堂」のあったバス通りの向かいの山
 

山中の木々は高く歴史を感じさせる
 

山道の脇に建てられた石祠
 

高さ70cmほどの祠だ
 

「舞岡村 元吉田村 セハ人 氏子中」と刻まれている
 

「維時弘化四丁未 二月十六日再建」
 

格子状の模様は祠につけられた扉を表しているのだろうか
 

「寄棟(よせむね)作り」という形の祠のようだ

 
この祠のある山道は、「中の道」と呼ばれる鎌倉へとつながる古道なのだという。
「源頼朝や新田義貞が通った道といわれ、鎌倉時代末期から南北朝時代に作られた道と思われます。後醍醐天皇が、討幕運動で犠牲になった護良親王の首を柏尾川まで運んだ道でもあります」
 


鎌倉古道は軍事用の道路であったという

 
「この付近では新田義貞が鎌倉を攻めた際に戦死した人たちや刀を埋め供養した『刀剣塚』が多く作られたようで、石祠の近くにある、「身に切り台に由来する『ミミンダイ塚』もこの一つなのかもしれません」とのこと。
 


熊之堂にあるミミンダイ塚

 
歴史のある古道に祀られた祠はその街にとって重要な存在であったのかもしれない。しかし、この石祠が「熊之堂」とどんな関係があるのだろうか。
 


山に囲まれた地に名づけられた「熊の堂」

 
また、文献『舞岡の民俗』には、「『熊の堂』とは寺社や仏閣があった地区の小字。…『熊の堂』のバス停の近くには、御霊(ごりょう)社という社があった」とある。
 
御霊神社は「たたりを及ぼす怨霊を鎮めるために祀った神社」とのことだが、熊野信仰との関係性はなさそうだ。やはり前出の石祠が鍵を握っているのではないだろうか。
 
 
伊勢原まで足を延ばして「熊の堂」の由来を追う・・・キニナル続きは次のページ≫