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横浜市の現市庁舎は今後どうなる? そもそも関内エリアの再開発とは?

横浜市の現市庁舎は今後どうなる? そもそも関内エリアの再開発とは?

ココがキニナル!

横浜市の現市庁舎街区活用の事業予定者が決まったが、どんな風に変わるの?関内周辺エリアの活用についてもキニナル(はまれぽ編集部のキニナル)

はまれぽ調査結果!

横浜市役所は2020年6月の移転に伴って、現市庁舎跡地には地上34階・地下1階建ての商業施設やホテルなどが2024度末までに開業する。関内周辺が大変貌を遂げる。

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ライター:池田 恵美子

具体的な現横浜市庁舎跡地活用の方法は?



現横浜市庁舎跡地の開発計画をみていこう。
まず目をひくのは、議会棟と市民広場がある場所に建てられる34階建ての新築高層ビル。
1階~3階がライブビューイングアリーナ、新産業創造拠点、商業施設、4階~5階は楽しみながら学習できるエデュテインメント施設、6~7階は健康支援を行うウェルネスセンター、10階はオフィスロビー等、11階~14階は大学、15~34階はオフィスとなっている。
現時点では、企業名や大学名は公表されていないが、イノベーションオフィスとして国内トップレベルのグローバル企業の誘致が内定しているそうだ。

 
横浜市現市庁舎街区活用
高層棟には企業や大学が入る予定(令和元年9月 横浜市発表資料より)
 

現市庁舎近くには横浜スタジアムがあるが、現在、東京オリンピック競技大会の野球とソフトボールの主会場として相応しい場となるよう改修工事が行われている。
企業グループの一つであるディー・エヌ・エーは、国内最大ビジョンを持つアリーナ「ライブビューイングアリーナ」を設置することになっている。スポーツを中心としたコンテンツや、周辺地区の音楽施設との連動により、 365日多様なエンターテインメントを配信し、横浜スタジアムでのイベントが無い日も含め、関内の集客力を強化するという。
野球だけではないスポーツ全般・エンターテインメントが、身近に楽しめることになりそうだ。

 
横浜市現市庁舎街区活用
改修中の横浜スタジアム
 
横浜市現市庁舎街区活用
スポーツだけでなくイベントが開催される(画像提供:三井不動産株式会社)
 

一方、行政棟は、星野リゾートの子会社である関内ホテルマネジメントが、地域密着型のホテル「レガシーホテル」(ホテル名は未決定)を手掛け、現在の建物を保存し活用する。

 
横浜市現市庁舎街区活用
行政棟を活用した星野リゾートホテルのイメージ(画像提供:三井不動産株式会社)
 

今回の計画では、行政棟の保存活用のほか、ホテルロビー等に市民広間の階段、壁画、天井レリーフ等を移設・復元することになっている。
また同ホテルは、宿泊者に向けた「地域探訪ツアー」を実施していくという。開業半年以上前からホテルスタッフが地域に住み、地元の人が通うガイドブックに載っていない特別な場所を宿泊者に案内するという計画で、周辺エリアのファンやリピーターを増やしていきたいという狙いがあるようだ。
他には、有隣堂が運営する、アート・音楽活動の場を備えた書店が出店し、同社で保管する資料を基に「横浜の発展史」を伝承していく。



再開発のテーマは「国際的な産学連携」と「観光・集客」



現市庁舎街区は、2024年度末の開業を目指して、以上のような方針で進められているが、開発を担当する横浜市役所を訪ね、改めてお話を伺った。
取材に対応してくれたのは、横浜市都市整備局都心再生部都心再生課担当係長の岳村和範(たけむら・かずのり)さん。

 
横浜市現市庁舎街区活用
資料を基に説明してくれた岳村さん
 

事業予定者は、三井不動産ほか8社の企業グループ事業者に決定したが、その経緯を岳村さんは、こう話す。

「事業予定者は、横浜市現市庁舎街区等活用事業審査委員会による答申を受けて、横浜市が決定しています。答申では、三井不動産を代表とするグループが、『国際的な産学連携』『観光・集客』というまちづくりのテーマに沿った最も優れた提案だったと評価されました。
施設計画においては、行政棟の現位置での保存活用、くすのき広場の再生、新築される高層棟の圧迫感を軽減する工夫など横浜の歴史を踏まえた景観デザインや、駅を降りた方々にとって最初にまちの印象となる駅前の広場空間の作り方などが評価されました」

 
横浜市現市庁舎街区活用
関内駅南口からのイメージ(画像提供:三井不動産株式会社)
 

保存活用される行政棟のホテルは、「当初設計の外観を維持しながらホテルにコンバージョン(転換)するための細やかな工夫も評価されたポイントかと思います。また、一般的なシティホテルやビジネスホテルと異なるコンセプトを持ち、地域探訪ツアーによる地域との交流などが提案されています」

星野リゾートが運営するホテル・旅館のほとんどは、既存の建物を購入し再利用・活用して成功を収めてきた。行政棟の保存によるレガシーホテルは、横浜市の文化遺産の持続的な保存という観点からも価値があるといえよう。

 
横浜市現市庁舎街区活用
ホテルロビーのイメージ(画像提供:三井不動産株式会社)
 

現市庁舎の跡地に建つ高層ビルによりこの場所が賑わうことは想像に難くないが、関内・関外地域全体の活性化に繋がるのだろうか。岳村さんは、とくにディー・エヌ・エーによる「ライブビューイングアリーナ」による集客に期待する。

「横浜市では、市役所の移転を契機として関内・関外地区がさらに活性化することを目指して、この事業を進めています。例えば、ご提案いただいたライブビューイングアリーナでは、スポーツや音楽など多様なエンターテインメントを日常的に発信する場所になる計画となっており、継続的な賑わいが生み出されることが期待されています」

ディー・エヌ・エーによる「ライブビューイングアリーナ」や大学の進出などにより若い人々が集まる。活気づく関内・関外が目に浮かんでくるようだ。

 
横浜市現市庁舎街区活用
試合がある日は、多くの人が横浜スタジアムへ集まる(改修前の横浜スタジアム)