海を挟んで隣り合う神奈川県と千葉県

本牧埠頭から眺める東京湾

ちなみに東京湾と太平洋の境界についてはある程度決められている。
諸説あるが、一般的な定義は、三浦半島の劔埼（つるぎさき）燈台と房総半島の洲埼（すのさき）燈台を結んだ線まで。
　

両半島の燈台を結ぶ線より北東側が東京湾

県境はどうやって決めるのか?
　

神奈川県庁の本庁舎正面入口

県のことなら県に聞け！とばかりに神奈川県庁へ。
総務局総務部市町村行政課行政グループの重田さんと百合川さんからお話を伺った。
　

訪問したのは今回が初めてでちょっとドキドキ

まずは東京湾海上の県境について尋ねたところ、「行政上の境界は存在しません」とのこと。そもそも行政上での境界線は、国や県が「ここからここまで」などと指示を出して決めるのではなく、隣接し合う市町村がお互いに協議をして決めるものらしい。

その境界が複数の県をまたぐ場合には、関係する市町村が属する都道府県も一緒に話し合いを行う。これについては、地方公共団体の組織・運営に関する考え方などを示した「地方自治法」で定められている。
　

自治法規集は地方自治のバイブル的存在

東京湾は横浜市、川崎市、横須賀市の他に、千葉県の館山市や南房総市、富津市、東京都の港区、江東区など多くの市や区に囲まれている。

陸地であれば隣接していることがはっきりするのだろうが、海を介しているぶん、それぞれの市や区が隣接しているという意識はお互いあまりないのではなかろうか？東京湾上で各市や区が境界を決めていない理由は「これまで特に必要がなかったから」と言える。