「川崎アプローチ線」計画は今後どうなる?
ココがキニナル!
かつて川崎駅と八丁畷駅付近とを結ぶ線路があり、そこを復活させて旅客線化する「川崎アプローチ線」の計画が何年か前に再浮上したのですが、この計画は今どうなっているのでしょう。(雲葉さんのキニナル)
はまれぽ調査結果!
川崎アプローチ線の計画は現在検討中で、実現するとしても10年以上先になるらしい。廃線になった貨物線跡地は用地候補になっている。
ライター:吉澤 由美子
JR南武線は東京都の立川駅から川崎駅までを結ぶ路線。南武支線は川崎駅隣の尻手駅から枝分かれして、川崎区の臨海部にある浜川崎駅までを結ぶ支線だ。
JR南武線及び南武支線路線図
川崎アプローチ線とは、現在、尻手駅から川崎駅を経由せずに八丁畷駅、川崎新町駅、浜川崎駅につながる南武支線を、八丁畷付近から川崎駅につなぐ計画。これが整備されれば川崎の臨海部から川崎駅へのアクセスが格段によくなる。
そしてこの計画の予定地候補になっているのが、廃線になった貨物線跡地。昔、川崎駅から八丁畷駅付近に直接つながる線路があって、そこを貨物列車が走っていたのだ。
当時はまだ貨物の武蔵野線が開通していなかったので、貨物列車は都内を経由し、この線を通って川崎臨海部とつながっていた。
ここが廃線になったのは1973(昭和48)年とのこと。
貨物船跡地は今
現地を見に行くと、川崎新町と八丁畷駅の間には線路が通っていたであろう形をした空き地がポツポツ残っている。
八丁畷駅近く、第一京浜沿いは空き地になっていた
八丁畷駅周辺では川崎市が所有している細長い駐輪場になっており、貨物の線路が高架で通っていた名残の橋脚が残っている。
八丁畷駅方面に向けて、細長い川崎市営の駐輪場。ここも廃線跡地
駐輪場の隣には空き地も残る
貨物の線路は京急の上をまたぐように走っており、線路沿いにレンガの貨物線遺構があった
京急の線路を超えた先には民有地が多いようで、川崎駅に近い東海道線沿いにはNTTドコモ川崎ビルや市営団地なども建っている。
京急の線路を越えた先にも駐輪場
廃線跡地に市の複合福祉施設建設がはじまっていた
廃線跡地に建てられた市営住宅とその先のNTTドコモビル
市営住宅とNTTドコモビルの間に、昔線路が走っていたことをうかがわせる遺構があった
確かに廃線の跡地にはいくつか建物があるとはいえ、駐輪場や空き地が多い。すべて市街地という場所で新たに用地を確保することを考えたら、予算も工事期間も格段に抑えられそうだ。
そこで、次は川崎アプローチ線の進捗状況を調査。すると、川崎市役所のサイトの臨海部国際戦略室にアプローチ線に関する記載を発見した。
そこで川崎市役所本庁舎にある総合企画局臨海部国際戦略室に行って、担当課長の河合征生さんと担当係長の齋藤麻里子さんにお話を伺った。
塔が印象的な川崎市役所本庁舎