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神奈川県立図書館が廃止になるのは本当なのか?

ココがキニナル!

県立図書館をなくすなんて、聞いたことが無いです。本当に廃止するのか、廃止したらどうするつもりか調べて欲しい(海の狸さん)/神奈川県立の2図書館、閲覧・貸し出し廃止を検討って本当?(紀州の哲ちゃんさん)

はまれぽ調査結果!

神奈川県緊急財政対策として、県立図書館の機能集約・廃止が検討されている。もし、廃止されても蔵書などは県内の他の図書館などで閲覧できる。

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ライター:吉田 忍

神奈川県立図書館と神奈川県立川崎図書館が、機能集約・廃止等について検討されている。
そこで、県立図書館を管轄している神奈川県生涯学習課に問い合わせた。

これは、県の財政難にあたり、神奈川県緊急財政対策で検討されている「県有施設の廃止・委譲に係る検討」の一部で、実は図書館だけではなく、68もの施設について、「廃止」や「市町村・民間への移譲」「運営・収支改善」などの検討が行われている。

まずは、神奈川県の財政状況を見てみよう。



神奈川県の財政状況



神奈川県の税収はリーマンショック以降大きく落ち込み、20年前の水準に逆戻りした状態で、今後も急激な増収は期待できないと予想される。
 


人件費だけで県税のほとんどを使っているような状況  *神奈川県資料


一方、神奈川県の高齢化は全国平均を上回る速さで進んでおり、支出せざるを得ない福祉や医療の県予算は、この7年間で約2倍となり、今後も増加していく。
 


介護・措置・医療関係費の推移  *神奈川県資料


同様に国も財政難で、本来、地方交付税が交付されるべきところを、毎年約3千億円もの県債で賄っている状態。
 


地方交付税と県債の推移  *神奈川県資料


この状態を放置すれば、消費税増税による増収2000億円を見込んでも、平成30年代前半には、県の全収入をもってしても、福祉・医療などの経費や県債の償還金、警察官や教職員の人件費など義務的な経費すらまかなうことが難しいと予想され、県の財政はまさに危機的状況に直面している。

このような状況の中、県立図書館の運営についても検討が行われることになった。



県立図書館の状況と検討の方向性

県立図書館は、その設置目的を、「図書、記録その他必要な資料を収集し、整理し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するため」とされている。

 


紅葉ヶ丘の県立図書館は、モダニズム建築をけん引した前川國男の設計による傑作


神奈川県の資料を幅広く集めている県立図書館だが、一番の魅力はなんといっても建物自体。

四季や時間、天候にかかわらず、読書に最適な光が室内に導かれるよう配されたルーバーや穴あきブロックは、機能的でありながら美しいデザイン。

隣接した県立音楽堂と県立図書館は、『日本の近代建築20選』に選ばれるなど、国際的にも評価が高い建築物なのだ。

そんな県立図書館の収支状況は下表の通り。
 


県立図書館の運営には年間およそ9億円かかっている  *神奈川県資料より


検討の方向性は「機能の純化・集約化を含めた検討」となっており、「市町村立図書館との役割分担を精査しながら、県立図書館の機能を純化し、効率化に向けて検討。具体的には、閲覧・貸出機能を廃止し、県内の公立図書館間の相互貸借システムの運営など広域的サービス等について、市町村図書館とも協議しながら、検討する」と説明されている。