神奈川県立図書館が廃止になるのは本当なのか?
ココがキニナル!
県立図書館をなくすなんて、聞いたことが無いです。本当に廃止するのか、廃止したらどうするつもりか調べて欲しい(海の狸さん)/神奈川県立の2図書館、閲覧・貸し出し廃止を検討って本当?(紀州の哲ちゃんさん)
はまれぽ調査結果!
神奈川県緊急財政対策として、県立図書館の機能集約・廃止が検討されている。もし、廃止されても蔵書などは県内の他の図書館などで閲覧できる。
ライター:吉田 忍
県立図書館の状況と検討の方向性
(続き)
県立川崎図書館は、その設置目的を、「自然科学及び工業に関する図書並びに一般図書、記録その他必要な資料を収集し、保存して、一般公衆の利用に供し、その教養、調査研究、レクリエーション等に資するため」となっている。
県立川崎図書館
県立川崎図書館の特長は、学・協会誌、会社技報、講演論文集、国内外の工業規格や会社史といったジャンルの充実度が公立図書館として群を抜いていること。
論文そのものも収集しているため、研究目的の利用も多く、アカデミックな公立図書館なのだ。
県立川崎図書館の収支状況は下表の通り。
県立川崎図書館の運営コストはおよそ3億円 *神奈川県資料より
検討の方向性は「川崎市からの借地であり、川崎市の再編整備計画により、平成29年度までに現在地から移転する必要があることから、県立図書館等との集約化を含めた検討を行なう」と説明されている。
これら県立2図書館の運用にかかる費用はおよそ年間12億円だが、検討されている通り、県立川崎図書館を廃止し、県立図書館に蔵書を集約、さらに県立図書館がバックアップ機能に特化するなどの変更が行われると、約7割、8億4000万円程度の削減になるという。
廃止されると、その後はどうなる?
まとめると、県立図書館は専門書の収集、図書の相互貸借システムの運営、司書の研修など、バックアップ機能に特化し、同図書館での直接閲覧・貸出サービスを廃止する方向で検討されている。
川崎図書館は廃止し、蔵書は県立図書館に保管するという方針だ。
平成25年度中に方針検討・決定され、平成26年度より実施される予定。
現在、KL-NET(神奈川県図書館情報ネットワーク)というシステムがあり、県内の公共図書館等(市町村図書館のすべてと一部の大学図書館など)の蔵書を1回の検索で調べることができ、県内の図書館が、自館で所蔵していない資料を他館に借用依頼したり、逆に提供したりする相互貸借するシステムが構築されている。
もしも、県立図書館、川崎図書館が直接利用できなくなっても、県内75館の公立図書館など112機関が加入するKL-NETを通じて閲覧・貸出することは可能。神奈川県生涯学習課では、さらに利便性を高める方策を考えているとのこと。
神奈川県は経費削減のため、行政の見直しも行われているだろうか?
財政難とはいえ、図書館は住民にとって大切な施設。まず、行政面での経費削減などが行われていなければ納得できない。
神奈川県の資料によると、施設の見直し以外にも下図の取組を行うとしている。
補助金・負担金も見直される *神奈川県資料
県職員数の推移 *神奈川県資料
これまでも、毎年度100億円以上の施策・事業の見直しを行ってきた。また、出先機関の数も、平成9年度の約280機関から、平成24年度には約130機関に半減させた。そして、現在も、これまでにも増して、無駄のない行政運営を徹底するため、全庁を挙げた行政改革の取り組みを進めているとのこと。
ちなみに、県職員給与については、2013年度から2年間で320億円を削減すると発表している。
取材を終えて
県立図書館の機能集約・廃止等は、緊急財政対策の一部として検討されているものだった。
施設としての利用はできなくなるかもしれないが、廃止されてもほかの公立図書館などで閲覧・貸出はできる。移転が必要な川崎図書館については仕方がないかもしれない。
財政難にあたって検討されることは理解できるが、都道府県立の図書館が直接利用できなくなるというような事は例がない。
図書館には資料の閲覧だけではなく、勉強や読書の場所という使い方もある。名建築シリーズでも取り上げた県立図書館の建物が利用できなくなってしまうのはあまりにも残念だ。
この建物の魅力は外観だけではない。閲覧室のモダンで居心地のいい雰囲気や四季折々の風情を楽しめる眺めもまた、神奈川県民の貴重な財産。しかも、この建物は今年の春に改修工事が終わったばかり。なんとか存続させてほしいと思う。
― 終わり―
神奈川県緊急財政対策について
http://www.pref.kanagawa.jp/cnt/f417452/
県民利用施設の検討資料PDF
http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/life/533550_1069330_misc.pdf
バボちゃんさん
2017年10月11日 07時52分
人件費について言えば、職員の70%以上は非常勤司書であり、月10万くらいの給料で働いている。その上、公務員同等の扱いになるためにダブルワークが出来ず苦しい状況。正規職員に関してはかなりの高給取りで仕事に見合っているとは思えないのも事実。神奈川県立の司書採用は試験自体が10年以上行われず、近年の定年退職者が頻出する事態に陥り行われるようになったが…
peachpurinさん
2017年03月29日 16時36分
すぐ近くに中央図書館があるからねぇ。県図書はいらんと思うよ
レブンアツモリソウさん
2016年04月29日 18時05分
神奈川県図書館を利用したが、職員のサービスが最低でこれでも公務員かと思いました。民間ならば倒産間違いないです。横浜市の図書館もあり、そちらに本を移せば、サービス向上して神奈川県の図書館の必要性はありません。